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EU 殺生物性製品規則(BPR)

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BPR遵守調査 – 処理された成形品の3割以上が不十分なラベル表示

2020年12月16日、欧州化学品庁は殺生物性製品規則(BPR)の遵守に関する第1回の取締プロジェクト(BEF-1)の結果について報告書を公表し、その結果をウェブサイトで明らかにした。殺生物性製品によって処理された製品、いわゆる「処理された成形品」の法令遵守が本プロジェクトの焦点の一つであった。報告書によると、調査された処理された成形品のうち、36%について、必要なラベル表示の内容が確認できなかったという。

当該取締プロジェクト(BEF-1)は、2019年に実施されたもので、22の加盟国が約1,200社の企業を対象に調査し、衣料品、塗料、寝具などを含め、1,800以上の処理された成形品を調査した。処理された成形品の73%はEU域内で生産されたものであったという。

報告書によると、36%のケースで、処理された成形品のラベルに記載された情報の質が不十分であり、また、42%の成形品と23%の混合物では、製品の処理に使用された活性物質の名称などの基本的な情報の欠落が確認された。

さらに、83%のケースでは、必要に応じてラベルに各国の言語が使用されていたが、この割合は加盟国によって異なり、英語、フランス語、ドイツ語以外の言語では有意に低い結果が確認されている。

他方、成形品の処理に使用されている活性物質が承認されているかどうかという点については、違法な活性物質を含有したものは対象製品のうち2.5%未満であった。

一部の企業は、BPRの下での関連する法的要件の遵守を回避するために、検査期間中に殺生物性の主張を削除したという。殺生物性の主張がある処理された成形品は、ラベル表示要件の遵守が必要になるためである。

基本情報・概要

法規・政策の名称(現地語名) 公布日・施行日等
殺生物性製品の市場での入手と使用を可能とすることに関する規則 2012年6月27日官報告示
2013年9月1日発効
市場参入に係る特定の条件について、殺生物性製品の市場での入手と使用を可能とさせることに関する規則(EU) No 528/2012を修正する2014年3月11日付けの欧州議会及び理事会による規則 2014年4月官報告示

※その他、委員会委任規則及び欧州委員会決定文書

2012年に殺生物性製品に関する欧州法令がそれまでの殺生物性製品指令(BPD)から対象範囲が大きく拡大された殺生物性製品規則(BPR)に変更された。BPRでは移行期間も考慮され、適用は2013年9月と1年以上の猶予期間が与えられていた。しかし、法整備面で幾つかの不具合が指摘され、改めてこれらを整合させる為に2014年4月にBPRの改正規則が官報で告示された。

殺生物性製品の上市には事前認可(authorisation)が必要であり、殺生物性製品に含まれる活性物質は事前に承認(approval)を得る必要がある。

ただし、後述するように、見直しプログラム(Review Programme)の対象として承認手続き中の活性物質を含む殺生物性製品や、評価中の新たな活性物質を含む殺生物性製品などの上市を認める例外規定がある。

殺生物性製品規則では、先行法令の殺生物性製品指令と同様、活性物質の承認は EU レベルで、殺生物性製品の認可は加盟国レベルで行われ、加盟国レベルの認可は相互認定により他の加盟国に拡張できる。

これに加えて、殺生物性製品規則では新たに EU レベルでの認可が導入された。なお、殺生物性製品規則は活性物質と殺生物性製品の上市のみならず、殺生物性製品で処理された成形品(treated articles)に関する規定も含まれている。

BPRの対象となる製品に関する概念としてはREACHで導入された成形品の扱いが重要となってくる。欧州委員会は害虫駆除剤や消毒剤のみならず、木材、プラスチック、繊維素材の劣化防止成分、船体への汚染防止塗料、または光触媒、静電気などで発生させるものを含むフリーラジカルも規制対象にしている。

殺生物製品という語には従来のBPD指令では対象外であった多くの成形品が含まれ、これらは「処理成形品」と位置付けられ使用している化学品自体がその用途分類ごとに「活性物質」として承認されていなければこのBPRの下での上市がかなわなくなる恐れがある。

「抗菌」、「ウィルスを駆除する」という言い回しで訴求する製品は家庭用品のみならず、それらを組み込んで使用する家電製品から車関連製品にまで及んでいる。前述の活性物質の承認分類には積極的に殺菌を訴求するものだけでなく製品の保護材、例えば防腐剤も含まれるのが特徴であり、その為BPRの適用範囲が大きく広がった。

(最終更新:2021年1月9日)

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更新日 規制分野 記事タイトル(サンプルにつき一部の記事タイトルのみ掲載
2021年2月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州環境関連団体、抗菌マスク等についてECHAにBPR/処理成形品解釈明確化の質問状公開
2020年11月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、2022年の取り締まり焦点に毒物センター届出と殺生物性製品を予定
2020年10月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、クロルピリホスをPOPs条約の附属書Aに掲載するための提案草案の意見募集を開始
2020年9月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、意図的に添加されたマイクロプラスチックの制限に向けた提案を更新
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2017年10月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、英国のEU離脱の影響に関する情報を提供するウェブページを開設
2016年6月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州委員会がBPRの下でのin-situフリーラジカル申請のためのガイドラインを採択、発行
2016年2月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州委員会が水俣条約を履行するための水銀規則案を発表
2015年2月 化学物質 欧州連合(EU) 自動車業界のサプライチェーンに係るGADSLリストに収載されているEUのBPR規則関連物質とその95条リスト物質のユーザーへの注意喚起情報
2014年12月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、自社のサプライヤーにBPRの95条リスト収載を要請すべき立場にある企業等に注意喚起
2014年8月 化学物質 欧州連合(EU) ECHAと欧州委員会、BPRの活性物質リストに非EU企業の名前も収載、公表することで合意
2014年7月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州委員会、内分泌かく乱物質特定のための基準を定義するロードマップを公開
2014年5月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、BPRにおける効力評価方法に関する暫定ガイダンスを公表
2014年4月 化学物質 欧州連合(EU) EU、殺生物性製品規則を改定、処理されたアーティクルの移行措置などを明示
2014年3月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、活性物質リストを改正するための新たなEU法律手続きを施行
2013年10月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州委員会がバイオサイド製品で処理された成形品(アーティクル)についての問答集FAQを発表
2013年8月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州化学品庁、殺生物性製品規則における活性物質の技術的同等性の申請ガイダンスを公表
2013年5月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州委員会、同様な殺生物性製品の認可手順に関する実施規則(No 414/2013)を公表
2012年5月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州委員会、化学物質の混合物の潜在的なリスクを新たな方法で評価すると表明
2011年11月 化学物質 欧州連合(EU) 欧州議会環境委員会、本会議での第二読会に向けて殺生物製品規則案の修正案を可決

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2018年10月17日
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EU 殺生物性製品規則(BPR)
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