米国 米国の主要規制テーマ

米国 連邦有害物質規制(TSCA)

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基本情報・概要

法規・政策の名称(現地語名) 公布日・施行日等
有害物質規制法(TSCA)
Toxic Substances Control Act(TSCA)
TSCAは1976年制定
最新改正は2016年6月22日(即日発効)

TSCAは有害物質の製造や輸入を規制する法律で、新化学物質を製造もしくは輸入する場合、または既存化学物質を重要新規利用のために製造もしくは輸入する場合の事前通知や許可取得義務のほか、化学物質の有害性情報提供義務などを定めている。

この法律は2016年6月22日に「21世紀のためのFrank R. Lautenberg化学物質安全法」によって改正された。これは1976年のTSCA制定以来40年ぶりの本格的な改正であり、有害物質規制に関する環境保護庁(EPA)の権限を強化するとともに、EPAによる既存化学物質のリスク評価等のアクションにこれまでになかった期限を設けるなどしている。

TSCAにもとづくEPAのおもな取組

化学物質の規制に関し、EPAはこれまでもTSCAにもとづいてさまざまな規制を進めてきた。これは基本的には改正TSCAにおいても変わることはない。TSCAにもとづくEPAのおもな取組は以下のとおりである。

  • TSCAワーク・プラン
    優先的にリスク評価を実施すべき化学物質をリストアップして、評価を順次実施していくプログラム。これまでに90物質がTSCAワーク・プランの対象物質としてリストアップされている。
  • 化学物質データ報告(CDR)制度
    既存化学物質リストである「TSCAインベントリー」に収載されている化学物質を一定量以上製造または輸入する者に対し、その化学物質についての情報を4年ごとにEPAに報告することを義務づけている制度。
  • 製造前届出(PMN)
    新規化学物質を製造または輸入する者は、その90日前までにEPAに届け出て、審査・承認をうけなければならない。
  • 重要新規利用規則(SNUR
    TSCAのsection 5にもとづき、新規化学物質または既存化学物質をEPAの定める重要新規利用のために製造、輸入、または加工しようとする者に対し、その90日前までに重要新規利用届出(SNUN)の提出を義務づけるもので、化学物質ごとに必要に応じて定められる。EPAはしばしば、既存化学物質の規制強化のために、このSNURの制度を利用している。

既存化学物質の評価を進めるための3規則

  • 優先順位付け規則:
    Procedures for Prioritization of Chemicals for Risk Evaluation Under the Toxic Substances Control Act
    「TSCAのもとでのリスク評価のための化学物質優先順位付けの手順」と題するこの最終規則は、既存化学物質のリスク評価の優先順位付けの手順を定めるもので、既存化学物質をリスク評価が必要な「高優先度物質」と当面はリスク評価の必要がないとみなされる「低優先度物質」に仕分けるための基準などを含んでいる。
  • リスク評価規則:
    Procedures for Chemical Risk Evaluation Under the Amended Toxic Substances Control Act
    「改正TSCAのもとでの化学物質リスク評価の手順」と題するこの最終規則は、既存化学物質の健康と環境への不当なリスクを評価する手順を定めるもので、評価の対象となるのは、2016年11月29日に公表されたTSCAワーク・プラン対象物質中10物質、優先順位付けで今後「高優先度物質」と判定される物質などとなっている。
  • TSCAインベントリー届出(アクティブ・イナクティブ)規則:
    TSCA Inventory Notification (Active-Inactive) Requirements
    「TSCAインベントリー届出(アクティブ・イナクティブ)の要求事項」と題するこの最終規則は、TSCAインベントリーに収載されている化学物質、すなわち既存化学物質を、「アクティブ」(現役)のものと「イナクティブ」(退役)のものとに仕分けるために、化学物質の製造者や輸入者などに対して、過去10年間に製造、輸入、および加工したものを報告することを求めるものである。

その他注目規則

  • ナノマテリアル報告・記録保存規則:
    Chemical Substances When Manufactured or Processed as Nanoscale Materials: TSCA Reporting and Recordkeeping Requirements
    ナノスケールで製造、輸入、または加工される化学物質について、TSCA section 8(a)にもとづきその製造者、輸入者、または加工者に報告と記録保存を義務づける規則で、過去3年以内に化学物質をナノスケールで製造、輸入、または加工した者に対し、規則発効日(2017年8月14日)から1年以内に、また、これから製造、輸入、または加工しようとする者に対してはその製造、輸入、または加工の開始の少なくとも135日前までに、電子的な方法でその物質の化学的識別情報、生産量、製造の方法、加工、使用、曝露、および排出に関する情報、ならびに環境と健康への影響に関する既存のデータをEPAに報告するとともに、その情報を記録として3年間保存することを義務づけている。

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最新動向

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更新日 規制分野 記事タイトル(サンプルにつき一部の記事タイトルのみ掲載
2020年10月 化学物質 米国 米TSCA、SNURの新規制定案(20-2.5e)について官報で公示し、WTO通報
2020年9月 化学物質 米国 米国EPA、TSCAに基づく20種類の高優先度物質のリスク評価の料金を負担する企業の最終リストを公表
2020年9月 化学物質 米国 米国EPA、TSCAに基づく20種類の高優先度物質のリスク評価のための最終スコープ文書を公表
2020年9月 化学物質 米国 米国EPA、TSCAに基づくHBCDの最終リスク評価報告書を公表
2020年7月 化学物質 米国 米国EPA、PFOAおよびLCPFACを含む表面被膜を成形品の一部として輸入する者にTSCAの重要新規利用規則を適用する最終規則を公布
2020年6月 化学物質 米国 米EPA、TSCAリスク評価に関する2020年の年間計画を公表
2020年6月 化学物質 米国 米官報、TSCAの第8条の(a)項に基づく化学品データ報告要件の小規模製造者の定義を修正する最終規則を公布
2020年6月 化学物質 米国 米EPA、TSCAインベントリーを更新――2020年CDR報告期間も開始
2020年6月 化学物質 米国 米TSCA重要新規利用規則(19-4.B)が官報で公布――16物質が新たに追加
2020年6月 化学物質 米国 米TSCA重要新規利用規則案(20-6.B)が官報で公示――意見募集
2020年5月 化学物質 米国 米国TSCA重要新規利用特定規則SNURおよび新規提案が官報で公示
2020年4月 化学物質 米国 米国TSCAに基づいて8物質の重要新規利用を特定する規則(SNUR)が官報で公示
2020年3月 化学物質 米国 米EPA、高優先度物質リスク評価の料金負担する企業の予備リスト公表、未掲載の該当企業には届出要求
2020年3月 化学物質 米国 米EPA、TSCAのリスク評価高優先度物質の製造者による届出締切日を60日間延長
2020年3月 化学物質 米国 米EPA、表面被膜にLCPFACとPFOAを含む成形品の輸入者にTSCAのSNUR適用する追補提案を通知
2020年3月 化学物質 米国 米国EPA、成形品中の高優先度物質輸入者等のTSCA料金規則自己識別報告義務違反に執行措置とらず、料金規則の改正も計画
2020年2月 化学物質 米国 米国EPA、四塩化炭素のTSCAリスク評価報告書草案を公表
2020年1月 化学物質 米国 米国EPA、TSCAに基づいてリスク評価の対象となる20種類の高優先度物質を指定
2020年1月 化学物質 米国 米国下院、TSCAなどの現行法の改正を要求するPFAS法案を可決
2019年12月 化学物質 米国 米国EPA、製造者によるDIDPおよびDINPのリスク評価要請を承諾
2019年12月 化学物質 米国 米NY州で洗剤類などに含まれる1,4-ジオキサンを規制する法律が成立
2019年11月 化学物質 米国 米国EPA、TSCAのもとでのCBI請求審査手順を定める規則案の追補草案を公表
2019年10月 化学物質 米国 米EPA、TSCAインベントリーを更新――UIDを導入
2019年10月 化学物質 米国 米下院小委員会、PFAS類等を規制する15法案を一括可決
2019年8月 化学物質 米国 米EPA、TSCAにもとづくリスク評価のための高優先度物質20物質の指定を提案
2019年7月 化学物質 米国 米EPA、改正TSCA section 6(h)にもとづくPBT 5物質の規制案を公表
2019年7月 化学物質 米国 米EPA、HBCDと1,4-ジオキサンのリスク評価案を公表
2019年7月 化学物質 米国 米EPA、CBI保護請求に不備があった場合の請求者への通知を取りやめ
2019年6月 化学物質 米国 米政府の2019年春の規制アジェンダ、化学物質関連の主要事項
2019年6月 化学物質 米国 米の化学メーカー、2種類のフタル酸エステルのリスク評価をEPAに依頼
2019年5月 化学物質 米国 米連邦控訴裁、TSCAインベントリー収載物質のCBI保護が過剰ではないかとの環境NGOの訴えを一部認める
2019年5月 化学物質 米国 米TSCAインベントリーのイナクティブ指定、2019年8月5日に発効へ
2019年5月 化学物質 米国 米EPA、PMNやSNUNの届出内容を公開へ――CBI関連に注意が必要
2019年4月 化学物質 米国 米加州DTSC、連邦規則の公布を受け塩化メチレンを含む塗膜剥離製品の要件を明確にするステートメントを公表
2019年4月 化学物質 米国 米EPA、新規13化学物質について同意命令なしのSNURを公布
2019年4月 化学物質 米国 米EPA、アクティブ物質の名称についてのCBI保護請求の審査手順等を定める規則案を公表
2019年4月 化学物質 米国 米EPA、CDR規則を改正する規則案を公表
2019年3月 環境政策全般 米国 米2020会計年度予算教書発表、EPA予算は前年度比31%減
2019年2月 化学物質 米国 米EPA、PFAS行動計画を公表
2019年2月 労働(職業)安全衛生 米国 全米科学アカデミー、DODのTCE職業曝露限界等の設定方法を吟味へ
2019年2月 環境政策全般 米国 米EPAの2019会計年度歳出予算確定、前年度から微増の総額88億ドル
2019年1月 化学物質 米国 米EPA、CBI保護対象物質の一意識別子のリストを初公表
2019年1月 化学物質 米国 米EPAのTSCA関連規制、2019年の見通し
2018年11月 化学物質 米国 米EPA、改正TSCAにもとづく初のリスク評価案を公表
2018年10月 化学物質 米国 米EPA、TSCAにもとづくリスク評価の次期対象物質群の選定方法を公表
2018年8月 化学物質 米国 米EPA監察局、CDRに改善の余地ありとの報告書を公表
2018年7月 化学物質 米国 米EPA、TSCA改正2周年に際し規則・ガイダンス類を制定・公表
2018年7月 有害廃棄物 米国 米国の有害廃棄物電子マニフェスト・システム、2018年6月30日に運用開始
2018年6月 化学物質 米国 米EPAによるNMPとTCEの規制、大幅に遅れる見込み
2018年6月 化学物質 米国 米EPA、早期アクション対象となるPBT物質5種の曝露評価等についてピアレビュー会合を開催

関連製品

EnviXは企業の環境コンプライアンスや経営・市場戦略立案に役立つ情報を提供を提供しております。
米国の環境法・環境規制動向

米国の化学物質規制情報に関連する製品を下記に紹介します。

規制分野 製品区分 製品・サービス名 発売・更新日
全般 法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 製品編
膨大な法律や規則の情報から、日本の事業者に関連が大きい環境規制の要件を概説!
2020年10月6日
- 海外環境法規制モニタリング
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化学物質 報告書 米国 改正TSCAの概要と施行計画 2016年9月3日

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海外環境規制トレンド・レポート

下表は米国の化学物質規制情報に関する報告書の一覧です。

規制分野 規制テーマ(報告書の名称) 更新日
化学物質 米国 プロポジション65 2020年7月7日
米国 連邦有害物質規制(TSCA) 2020年7月7日
米国 製品に含まれる有害物質の規制に関する州法規 2020年7月7日
米国 連邦有害物質規制(その他) 2018年12月1日
米国 連邦有害物質規制(ナノマテリアル規制) 2016年12月1日
米国 グリーンケミストリー法 2015年12月1日

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無料コラム

米国に関連する無料コラム(不定期更新)の一覧です。

更新日 無料コラム
2020年11月20日 米EPA、FIFRA違反で約699万ドルの罰金を科す
欧州家電大手エレクトロラックス社へ7億円超の罰金支払いで合意
2020年6月1日 米国 危険有害物質規則(HMR)の改正を公示、国際規定に調整
改正内容は主にIMDGコードやICAO技術指針、国連危険物輸送モデル規則などの危険物輸送に係わる国際規定の更新と整合性を取るものとなっている。
2019年12月10日 米国TSCA、CBI請求審査手順を定める規則案の追補草案を公表
11月8日官報公表。EPAは本追補草案で以下の2つの事項を提案する。
2019年8月1日 米EPA、CBI保護請求に不備があった場合の請求者への通知を取りやめ
不備のある保護請求をおこなった請求者は、不備の通知の代わりにCBI保護請求無効の通知を受け取ることになる。