米国 米国の主要規制テーマ

米国 PFAS規制(有害物質規制)

飲料水

EPAは、2020年3月10日付け連邦官報で、安全飲料水法(SDWA)に基づく第4次汚染物質候補リスト(CCL 4)から選定した8種類の汚染物質の内で、「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」および「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」を規制することを仮決定したことを公表して意見募集を開始し、同年6月10日に終了した。6月11日以降から現時点までに本件に関する情報は得られていない。

本件の措置は、2019年に予定していたPFAS行動計画の「EPA優先アクション」の1つである「今日までにEPAおよび我々のパートナーにより収集された重要な情報および追加のデータ要求を強調して、PFOAおよびPFOSに対する国家飲料水規則の決定を提案する」に関係する。

有害化学物質排出目録

EPAは、2020年6月22日付けの連邦官報で、172種類のPFASを「緊急対処計画および地域住民の知る権利法」の第313条(有害化学物質排出目録)および「汚染防止法」の第6607条(発生源の削減およびリサイクルデータ収集)に基づいて報告の対象となる「有害化学物質排出目録(TRI:Toxics Release Inventory)」に追加する最終規則を公布した。本最終規則は2020年6月22日に発効している。

本措置は、「2020会計年度国防権限法(NDAA)」の第73章PFASの第7321条の(b)項(即時の包含:IMMEDIATE INCLUSION)に基づいている。

172種類のPFASの報告対象となる事業者は、標準産業分類(Standard Industrial Classification:SIC)コードの20から39に該当する業種で、年間100ポンド(約46kg)以上でこれらPFASを製造、加工またはその他の方法で使用している事業者である。これらPFASの報告書式は、2020年の暦年データについて、2021年7月1日までにEPAに提出される予定であり、EPAは、2021年7月31日までに収集された情報から生データを公開する予定である。

また、EPAは、NDAAの第7321条の(d)項(決定後の包含:INCLUSION FOLLOWING DETERMINATION)で、NDAAの施行日(2019年12月20日)の2年以内に(d)項の(2)に言及されているPFASについてTRIに追加すべきか否かを決定することになっている。

基本情報

PFAS行動計画

環境保護庁(EPA)は、「EPAのペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)行動計画」(以下、PFAS行動計画と省略する)を2019年2月14日に公表した。本行動計画は、PFASによる汚染問題への連邦政府の初めての総合的取組みである。本行動計画は、EPAがPFASによる汚染問題に取組むための「EPA優先アクション」、「短期アクション」および「長期アクション」を示している。「EPA優先アクション」は以下の5項目である。

  • PFASの中で環境中に最も多く存在する「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」および「ペルフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)」について、飲料水中の最大許容濃度(MCL)を定めるなどの規制措置を講じる。そのための規則案を2019年内に提示して意見募集を実施する。
  • PFOAおよびPFOSを包括的環境対処補償責任法(CERCLA、通称スーパーファンド法)の対象となる有害物質に指定する。
  • PFOAおよびPFOSに汚染されたサイトの地下水を浄化するため、暫定浄化勧告を実施する。
  • PFOAの代替物質である「GenX化学物質」およびPFOSの代替物質である「ペルフルオロブタンスルホン酸(PFBS)」の毒性評価案を最終決定すると共に、追加の5種類のPFASである「ペルフルオロブタン酸(PFBA)、「ペルフルオロヘキサン酸(PFHxA)」、「ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)」、「ペルフルオロノナン酸(PFNA)」および「ペルフルオロデカン酸(PFDA)」の毒性値を求める。
  • 有害物質規制法(TSCA)に基づいて新規のPFASを審査し、それら物質について重要新規利用規則(SNUR)案を策定する。

PFAS規制関連の主な連邦法

  • 安全飲料水法(SDWA)
  • 有害物質規制法(TSCA)
  • スーパーファンド法(CERCLA)
  • 大気浄化法(CAA)

(2021年2月2日最終更新)

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更新日 規制分野 記事タイトル(サンプルにつき一部の記事タイトルのみ掲載
2020年12月 化学物質 米国 米NY州、代替策特定の条件設けず2022年末よりPFAS類を含む食品包装材の流通・販売を禁止へ
2020年10月 化学物質 米国 米カリフォルニア州で特定化学物質を含む化粧品の製造販売を禁止する法律制定、米国内で初
2020年8月 化学物質 米国 米国EPA、トランプ政権のPFASに対処するための積極的な一連の行動を公表
2020年7月 化学物質 米国 米ワシントン州当局、「より安全な製品」プログラムの最初の優先製品を特定
2020年7月 容器・包装材 米国 米、包装材中の重金属規制モデル法推進主体、規制対象にPFAS類とフタル酸エステル類の追加を提案
2020年7月 化学物質 米国 米国EPA、PFOAおよびLCPFACを含む表面被膜を成形品の一部として輸入する者にTSCAの重要新規利用規則を適用する最終規則を公布
2020年5月 化学物質 米国 米国EPA、172種類のPFASを有害化学物質排出目録に追加する最終規則を公表
2020年3月 化学物質 米国 米EPA、表面被膜にLCPFACとPFOAを含む成形品の輸入者にTSCAのSNUR適用する追補提案を通知
2020年1月 化学物質 米国 米で2020会計年度国防授権法成立――PFAS規制も盛り込み
2020年1月 化学物質 米国 米国下院、TSCAなどの現行法の改正を要求するPFAS法案を可決
2020年1月 化学物質 米国 米ワシントン州当局、電気電子機器の筐体など新たな製品含有化学物質規制法の対象製品を提案
2019年11月 化学物質 米国 米加州当局、SCP規則規制対象候補に消費者向け織物・革製品用のPFAS類含むケア製品を提案
2019年10月 化学物質 米国 米下院小委員会、PFAS類等を規制する15法案を一括可決
2019年9月 化学物質 米国 米ワシントン州の新たな製品含有化学物質規制法で調査中の優先製品候補が公表される
2019年8月 化学物質 米国 米ワシントン州エコロジー局、新たな製品含有化学物質規制法の実施プログラムに着手
2019年6月 化学物質 米国 米政府の2019年春の規制アジェンダ、化学物質関連の主要事項
2019年6月 化学物質 米国 米国州レベルで成立した有害化学物質含有製品規制法――ニュージャージー州のアスベスト含有製品規制など
2019年5月 化学物質 米国 米ワシントン州で広範な消費者向け製品対象とする含有有害化学物質規制法が成立
2019年5月 化学物質 米国 米EPA、PFOAとPFOSに汚染された地下水の浄化へ向けた暫定勧告案を公表
2019年5月 水質汚染・水資源管理 米国 米ニュージャージー州のPFAS汚染問題、責任企業ら浄化費用負担を拒否
2019年2月 化学物質 米国 米環境団体ネットワーク組織、2019年の州議会における化学物質規制法案の傾向を分析
2019年2月 化学物質 米国 米EPA、PFAS行動計画を公表
2019年2月 環境政策全般 米国 米EPAの2019会計年度歳出予算確定、前年度から微増の総額88億ドル
2019年1月 化学物質 米国 米ワシントン州知事、オルカ保護のための環境汚染対策予算を提案、製品中の有害化学物質もターゲットに
2018年9月 水質汚染・水資源管理 米国 米EPAのPFAS水質汚染対策
2018年8月 水質汚染・水資源管理 米国 米サンフランシスコ市長、使い捨てストロー禁止条例を承認――運用開始は2019年7月
2018年3月 企業の環境管理 米国 米のMind the Storeキャンペーン、2018年の重点目標
2018年3月 化学物質 米国 米EPA、PFASに関する全国リーダーシップ・サミットを開催へ
2018年2月 化学物質 米国 米加州SCP規則、PFAS類含むカーペットとラグを4つ目の優先製品候補に提案
2017年12月 化学物質 米国 米EPA、PFAS類への対処に省庁横断的取組を開始
2017年3月 化学物質 米国 米EPAによるPFAS類対策の取組と、適用される法律
2012年8月 化学物質 米国 米EPA、7種類のPFAS塩および長鎖PFAC類についてSNUR案を公表

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2020年10月6日
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化学物質 法規和訳 米国 TSCA PBT5物質に係わる規則 和訳
PBT5物質のそれぞれに規則が公表され、規制内容が設けられています。製品や成形品を米国に輸出している日本の事業者にとって、非常に重要な法令になると思われます。
2021年1月28日
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規制分野 規制テーマ(報告書の名称)
化学物質 米国 PFAS規制(有害物質規制)
米国 プロポジション65
米国 TSCA(有害物質規制法)
米国 RoHS 製品含有有害物質規制に関する州法規
米国 有害物質規制-消費者製品、分類・表示、殺虫剤・殺菌剤等

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規制テーマ コラム・無料記事 更新日
化学物質 米EPA、FIFRA違反で約699万ドルの罰金を科す 2020年11月20日
米国 危険有害物質規則(HMR)の改正を公示、国際規定に調整
改正内容は主にIMDGコードやICAO技術指針、国連危険物輸送モデル規則などの危険物輸送に係わる国際規定の更新と整合性を取るものとなっている。
2020年6月1日
米国TSCA、CBI請求審査手順を定める規則案の追補草案を公表
11月8日官報公表。EPAは本追補草案で以下の2つの事項を提案する。
2019年12月10日
米EPA、CBI保護請求に不備があった場合の請求者への通知を取りやめ 2019年8月1日