国際、その他の国・地域の主要規制テーマ

バーゼル条約

バーゼル条約とは、特定の有害廃棄物の国境を越える移動などの規制についての国際的な枠組みおよび手続きなどを規定した国際条約であり、1992年5月5日に発効している。

法規・政策の名称(現地語名) 公布日・施行日等
有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(バーゼル条約)
Basel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazardous Wastes and their Disposal
採択日:1989年3月22日
発効日:1992年5月5日

当該条約の本文および附属書は2019年改訂版が最新である。当該条約の締約国数は188で、事務局は、条約に定められた業務(締約国への通報等)を行うため、ジュネーブに設置されている。事務局職員の人事権は、「国際連合環境計画(UNEP)」が有している。

当該条約の第15条(締約国会議/Conference of the Parties)の第5項(e)に基づいて、本条約の実施に必要と認められる補助機関として「公開作業部会(OEWG: Open-ended Working Group)」および「バーゼル条約施行・遵守委員会(ICC:Basel Convention Implementation and Compliance Committee)」を設置している。

採択の経緯

有害な廃棄物の国境を越える移動は1970年代から欧米諸国を中心にしばしば実施されてきた。1980年代に入り、ヨーロッパの先進国からの廃棄物がアフリカの開発途上国に放置されて環境汚染が生じるなどの問題が発生し、何らの事前の連絡/協議なしに有害廃棄物の国境を越えた移動が行われ,最終的な責任の所在も不明確であるという問題が顕在化した。これを受けて、経済協力開発機構(OECD)およびUNEPで検討が行われた後、1989年3月にスイスのバーゼルにおいて本条約が採択された。

対象となる廃棄物

当該条約の第1条(条約の適用範囲/Scope of the Convention)に規定される廃棄物である。第1条を以下に示す。

第1条 条約の適用範囲

  1. 当該条約の適用上、国境を越える移動の対象となる以下に示す廃棄物を「有害廃棄物」とする。
    (a) 「附属書I(規制する廃棄物の分類/Categories of wastes to be controlled)」に掲げる何れかの分類に属する廃棄物(「附属書III(有害な特性の表/List of hazardous characteristics)」に掲げる何れの特性も有しない廃棄物を除く。)
    (b) パラグラフ(a)に規定する廃棄物には該当しないが、輸出国、輸入国または通過国である締約国の国内法令により有害であると定義されまたは認められている廃棄物
  2. 当該条約の適用上、国境を越える移動の対象となる附属書II(特別の考慮を必要とする廃棄物の分類/Categories of wastes requiring special consideration)に掲げる何れかの分類に属する廃棄物を「他の廃棄物」とする。
  3. 放射能を有することにより、特に放射性物質について適用される国際文書による規制を含む他の国際的な規制の制度の対象となる廃棄物は、当該条約の適用範囲から除外する。
  4. 船舶の通常の運航から生ずる廃棄物であって、その排出について他の国際文書の適用がある廃棄物は、当該条約の適用範囲から除外する。

POPs条約の「残留性有機汚染物質(POPs)」を含有する在庫(stockpiles)および廃棄物の環境上適正な管理および処分については、POPs条約からの依頼される形式でバーゼル条約に基づいて技術ガイドライン(technical guidelines)が策定されている。POPs含有廃棄物の技術ガイドラインは、バーゼル条約の「POPs Wastes」に掲載されている。

基礎解説ガイド

EnviXではバーゼル条約の動向を把握する上での前提知識を講義形式(音声付き)で解説する資料を提供しております。

製品名 バーゼル条約 基礎解説ガイド
発売・更新日 2023年5月16日
納品物 PDFファイル(A4判 33頁)
MP4形式動画ファイル(76分)
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販売価格 25,000円(税別)
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