ビスフェノールAF（BPAF）規制動向
ビスフェノールAF（BPAF：Bisphenol AF）に関する概略と規制動向について紹介する。
分子式：
(CF3)2C(C6H4OH)2
構造式：
用途
ビスフェノールAFは特定のフルオロエラストマーの架橋剤として、かつ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート共重合体、その他の特殊ポリマーのモノマーとして使用される。
ビスフェノールAFを含有するポリマーは、高温コンポジットや電子材料などの特殊分野で有用である。
健康・環境への有害性
欧州連合・CLP規則
リスク評価委員会によって採択されたBPAFの調和化された分類を下表に示す。
| ハザードクラス | 調和化された分類 |
|---|---|
| 生殖毒性 | カテゴリー1B H360F：生殖能力を損なうおそれ |
国際条約における規制動向
ストックホルム条約
残留性有機汚染物質として提案されていない。
EU（欧州連合）における規制動向
REACH規則
「4,4′-イソプロピリデンジフェノール（ビスフェノールA）および環境に対して同様な懸念を有するビスフェノール類」のREACH規則に基づく制限提案に関する公開協議が2022年12月21日から2023年6月22日までの期間で実施された。
BPAFは、「環境に対して同様な懸念を有するビスフェノール類」に該当する。
上記以外のBPAFのREACH規則に関する動向を下表に示す。
| 日付 | 動向 |
|---|---|
| 2023年2月 | 欧州化学品庁、BPF／BPAFの内分泌撹乱性に関する加盟国委員会の意見書を公開 欧州化学品庁（ECHA）は、「規則(EC) No 1907/2006（REACH規則）」の「第77条 任務（Tasks）」の第3項(c)に基づくECHAの事務局長からの要請を受けて、ECHAの加盟国委員会（MSC）が作成していた「ビスフェノールF（以下、「BPF」と省略する）」および「ビスフェノールAF（以下、「BPAF」と省略する）および8件のBPAF塩」が「WHO（世界保健機関）/IPCS（国際化学物質安全性計画）（2002）」で定義されている内分泌撹乱物質のクライテリアを満たしているか否かに関する意見書を公表した。MSCは、これらの合計で10件のビスフェノール類が、全て「環境に対する内分泌撹乱物質である」と結論することについて、全会一致で合意している。当該意見書は、2022年12月13日から12月15日までの期間で開催されたMSCの第80回会合で採択された。 |
CLP規則
| 日付 | 動向 |
|---|---|
| 2023年8月 | 欧州委員会、CLP規則の附属書VIのPart 3を修正する委任規則草案をWTOTBT通報 欧州委員会は、「規則(EC) No 1272/2008（CLP規則）」の「附属書VI 特定の有害物質に対する調和化された分類および表示」の「Part 3 調和化された分類および表示の表」を技術的及び科学的進歩への適応化（第21次ATP）のために修正する欧州委員会委任規則草案を2023年3月2日にWTO/TBT通報した。意見募集期限は2023年5月1日であった。 |
米国における規制動向
有害物質規制法（TSCA）
規制動向なし。
セミナー・イベント情報
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| 規制テーマ | セミナー・イベント名称 | 開催日 |
|---|---|---|
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| 2024年3月25日 | 化学物質 |  オランダRIVM、ZZSリストに新たに1…
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国際、その他の国・地域の環境法・環境規制動向
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2021年10月11日 | |
| 法規和訳 |
サウジアラビア版RoHS 電気・電子機器等における有害物質の制限に関する技術規則
本規則の内容は、2020年11月26日にWTO-TBT通報した規則案および2018年3月28日にGCCがWTOに届けたGCCの規則案と異なる点が見受けられる。 |
2021年7月29日 | |
| 法規和訳 | GCC GSO技術規則案 電気・電子機器への特定有害物質の使用の制限 | 2018年8月29日 | |
| 法規和訳 |
UAE RoHS規則及び規則実施ガイドラインver.2.0
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2018年1月10日 |
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POPs条約のデクロランプラス／UV-328に関する「附属書A 廃絶」の改正を通報
通報日である2024年2月26日から1年を経過した時点で発効する。 |
2024年4月10日 |
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各国のペンタクロロフェノール（PCP）規制状況
主に農薬や殺虫剤関連の法令のなかでPCPは規制されていますが、工業用化学品に関する規制においてもPCPは対象物質に挙げられています。各国におけるPCPの製造、輸入、使用などに関わる規制の一例をまとめましたのでご参考ください。 |
2023年7月31日 | |
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米マクドナルド、食品包装におけるPFAS使用を全世界で禁止へ
PFASへの対策はいま世界中で議論されており、企業による取り組みとともに、欧米を中心とした規制化が進んでおります。 |
2021年3月10日 | |
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日米欧の化学物質規制 1年間の注目動向
日本、米国、欧州連合（EU）の化学物質規制の1年間と今後注視すべき規制要件を概説。世界環境法規制ウェビナー（10月開催）に向けた特別コラムです。 |
2020年9月14日 | |
| 海外のGHS・MSDSの制定状況～オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・ブラジル | 2009年9月3日 |