EU、プラスチックペレット規則を公布 マイクロプラスチック汚染を低減へ
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欧州連合(EU)は2025年11月26日、プラスチックペレット規則(EU) 2025/2365を公布した。マイクロプラスチックの非意図的放出の3番目に大きな原因となっているプラスチックペレット(以下PPと略す)について、取り扱い事業者や輸送業者に流出防止策と流出時の是正措置を義務付け、汚染低減を図る。対象者は、(a)域内での前暦年のPP取扱量が5トン超の事業者、(b)域内でPPコンテナ・タンクの洗浄施設を運営する事業者、(c)域内で道路、鉄道、内陸水路を使ってPPを輸送する域内・域外の事業者、(d)加盟国の港を出港または港に寄港する貨物コンテナでPPを海上輸送する荷主、運航者、代理店および船長、である(1条)。欧州委員会は本規則の適切な実施のための啓蒙・訓練素材を2026年12月17日までに作成・提供する(17条)。なおPPとは、プラスチック製品の製造工程での成形用のポリマー含有材料(形状、形態、大きさを問わない)を指す(2条(1))。
新規則は公布20日後の12月16日に発効し、2027年12月17日からEU全域で直接適用される。その主な義務と対象者(上記(a)~(d))を下表に記す。なお、一部の条項は2025年12月16日から適用されるほか(※で識別)、海運関係者(d)への関連条項の適用は2028年12月17日からとなる(詳細は26条参照)。
全般的義務(3条)
- (a)(b)(c)は流出回避および流出時の即時封じ込めと除染を確保する(1項)※
- (a)(b)は自社施設の所在する加盟国の当局に各施設とその年間取扱量が閾値1500トン以上か否かを通知。(c)またはその指定代理人は、域内でのPPの初輸送前に自分が設立された加盟国の当局に輸送への関与と輸送手段を通知する(2項)
- 通知内容に重大な変更(閾値の超過など)があれば再通知する(3項)
域外の(c)の指定代理人(4条)
- 域外の(c)は自身がPP輸送に携わる加盟国の少なくとも一つにおいて指定代理人を書面で任命し(1項)、3条2~3項、5条6項、15条1項の遵守措置の代行を委託し(2項)、当該加盟国の当局と欧州委員会に任命と委託について初輸送前に知らせる(3項)
PPの取り扱いに関する義務(5条)
- (a)(b)は施設ごとにリスク管理計画(RMP)を附属書Iに従って策定し、RMPで言及する設備を導入し、手順を実行し、附属書IIの形の適合自己宣言書を添えて、施設が所在する加盟国の当局に通知する。RMPは最新の状態に保つ(1項)
- 前暦年の取扱量1500トン未満または零細の(a)(b)は、5年ごとにRMPと適合自己宣言書の更新版を当局に通知する(2項)
- (c)は附属書IIIに示される防止、封じ込め、除染などに係わる措置を実施する(3項)
- (a)(b)(c)は措置の実施優先度を「漏出(spill)防止」、「流出(loss)に至らないようにするための漏出の封じ込め」、「漏出/流出後の除染」の順とする(5項)。それらの措置が失敗した場合、遅滞なく是正策を講じる(7項)
- (a)(b)(c)は本規則遵守のための関連機器の操作や手順実施のために、スタッフに対し、役割に応じた訓練を実施する。また年間の流出見積量を算出し(関連整合規格の官報公示半年後または18条で言及される実施法の適用日から)※、総取扱量と共に記録し、5年間保管する(6項)
- 前暦年の取扱量1500トン以上の施設を運営する中規模以上の(a)(b)は毎年、各施設についてRMP要件の遵守状況の内部評価を実施し、結果を5年間保管する(8項)
認証(6条)
- 大規模(a)(b)は2027年12月17日までに、前暦年の取扱量1500トン以上の各施設での取り扱いプロセスが附属書Iの要件に沿っていることの認証を認証機関から取得し、以後3年毎に更新する(1項)。中規模(a)(b)は2028年12月17日までに取得し、以後4年毎に更新する(2項)。小規模(a)(b)は2030年12月17日までに取得し、以後5年毎に更新するか、しない場合は5条2項を遵守する(3項)。
情報提供義務(10条)
- REACH規則の附属書XVIIのエントリー78の7項でいう合成ポリマーのマイクロプラスチックに該当するプラスチックペレットを上市する製造者/輸入者/川下ユーザー/流通業者は、本規則の附属書Vに示す情報をラベル、包装、添付文書、安全データシートのいずれかに示す(文言は原則、上市国の言語)。これはエントリー78の7項の義務を履行する一環として提供してもよい。
貨物コンテナでのPPの海上輸送に係わる義務(12条)
- (d)のうち荷主は、輸送中に通常遭遇する衝撃や荷重に耐えられる高品質な梱包材にPPを梱包し、通常輸送条件下で生じる振動や推力により生じ得る流出を防ぐよう組み付けられ密閉されるようにする(1項a)。
- 荷主は、PPを含む貨物コンテナを特定する輸送情報を船積み前に運航者、代理店、船長に伝える(1項b)。
荷主は、航行や船員の安全を損なわずに海洋環境への害を最小限化すべく可能な限り剥き出しの甲板以外にPPを含む貨物コンテナを格納するよう求める特別な積み込み要求を貨物情報に添える(1項c)
漏出(spill)とは敷地内または輸送車・列車・内陸水路船内での一次梱包からの散逸を意味し、流出(loss)とは敷地外や輸送車・列車・船(海運船含む)外への散逸を意味する(2条(2),(3))。
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欧州連合(EU)の環境法・環境規制動向
欧州連合(EU)の化学物質規制情報に関連する製品を下記に紹介します。
| 規制分野 | 製品区分 | 製品・サービス名 | 発売・更新日 |
|---|---|---|---|
| 全般 | 法体系ガイド |
EU環境法体系ガイド2018(製品編)
英語情報とはいえ、その情報量の多さ、複雑さ、活発な動向から、体系的な把握が難しいEUの環境法体系を把握する一助となるよう作成されたガイドとなります |
2018年10月17日 |
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海外環境法規制モニタリング
世界全体の環境法規制の動向をお届けする基幹サービス。同分野の豊富な知識と経験、高度な翻訳能力を兼ね備えた当社研究員が厳選した価値ある情報を速報、月例報告書、検索可能なWEBアーカイブでご提供します。 |
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| 化学物質 | 報告書 |
年内月次更新、EU REACH規則 ユニバーサルPFAS制限提案 解説レポート
年内の社会経済分析委員会・意見書草案の公開協議に関連する重要な文書および情報を整理して更新版レポートをご提供します。 |
2025年10月28日 |
| 法規和訳 |
EU FCM プラスチック規則/適正製造規範規則 修正規則
食品接触材料を取扱う企業の担当者の方にとって重要なプラスチック規則、適正製造規範規則/GMP規則、再生プラスチック規則を修正する規則。 |
2025年3月21日 | |
| 法規和訳 |
ビスフェノールAの食品接触材料への使用禁止に関する欧州委員会規則
2025年1月20日発効。欧州委員会規則(EU) 2024/3190の前文24件、条文14件、附属書3件の参考和訳と解説を提供。 |
2025年1月9日 | |
| 法規和訳 |
EU 食品接触材(FCM)プラスチック規則/適正製造規範規則 修正規則草案
2024年3月25日にWTO/TBT通報、意見提出期限は2024年5月24日です。 |
2024年4月5日 | |
| 法規和訳 |
EU 食品接触材(FCM)プラスチック規則
2011年1月15日付け官報公布、2011年5月1日適用開始、「食品に接触することを意図するプラスチック材料及び製品に関する2011年1月14日付け欧州委員会規則(EU) No 10/2011(欧州経済領域に関連する法文)」。 |
2024年4月5日 | |
| 法規和訳 |
EU 食品接触材(FCM)適正製造規範規則
2006年12月29日付け官報公布、2008年8月1日適用開始、「食品に接触することを意図する材料及び製品の適正製造規範に関する2006年12月22日付け欧州委員会規則(EC) No 2023/2006(欧州経済領域に関連する法文)」。 |
2024年4月5日 | |
| 法規和訳 |
EU 食品接触材(FCM)枠組み規則
2004年11月13日付け官報公布「指令80/590/EEC及び指令89/109/EECを廃止する食品に接触することを意図する材料及び製品に関する2004年10月27日付け欧州議会及び理事会規則(EC) No 1935/2004」。 |
2024年4月5日 | |
| 報告書 |
EU REACH規則 基礎解説ガイド(音声付き)
複雑で理解が困難なREACH規則の基礎を解説する音声付き資料です。「高懸念物質(SVHC)」、「認可対象物質」および「制限物質」とは何か、これら物質に規定された場合の義務について説明しております。 |
2023年1月31日 | |
| 報告書 |
PFAS規制解説レポート
欧米のPFAS規制対応のための情報源としてご活用ください。各PFASの規制内容については、解説に必要な範囲で原文および和訳の対照表(必要に応じて草案を含む)を記載。 |
2021年10月11日 | |
| 法規和訳 |
ECHA SCIPデータベースの詳細な情報要件・FAQ
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2020年11月9日 | |
| 法規和訳 |
C9-C14 PFCAsに関するEU規則
2021年8月5日付け欧州連合官報。当該規則は2021年8月25日に発効し、2023年2月25日から適用が開始される。 |
2020年10月1日 | |
| 法規和訳 |
EU REACH改正規則(EU) No 2020/878 SDS編纂要件を定める附属書IIの改正
|
2020年7月13日 | |
| 法規和訳 |
殺生物性製品(BPR)改正規則(EU)No 334/2014
|
2014年5月14日 | |
| 法規和訳 |
製品の市場での入手と使用に係る規則(EU) No 528/2012 (BPR)に対するECHAガイダンス文書Ver 1.0
|
2013年11月13日 | |
| 法規和訳 |
EU殺生物性製品規則(BPR)の「処理されたアーティクル」に関する問答集(FAQ)改訂版
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2013年11月13日 | |
| 法規和訳 |
殺生物性製品認可の「変更/修正」に関する欧州委員会実施規則(EU)No354/2013の解説ガイド
|
2013年5月9日 | |
| 法規和訳 |
EU改正殺生物性製品規則(EU)No 528/2012の「解説書―日本のアーティクル製造者の為の法規解釈」
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2013年4月22日 | |
| 法規和訳 |
EU・殺生物性製品規則(BPR)の“処理されたアーティクル”に関する問答集(FAQ)日本語版
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2013年3月5日 | |
| 法規和訳 |
欧州委員会 改正RoHS(RoHS2)FAQ
2012年12月12日改訂。改正RoHSの要求と狙いについて理解を助けるため資料です。 |
2013年1月9日 |
EnviXは各国の環境規制テーマについて、その中長期動向の調査報告書を作成・提供しております。
海外環境規制トレンド・レポート
下表は欧州連合(EU)の化学物質規制情報に関する報告書の一覧です。
| 規制分野 | 規制テーマ(報告書の名称) | 更新日 |
|---|---|---|
| 化学物質 |
EU 食品接触材(FCM)規制動向
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2024年4月5日 |
EU POPs規則
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2023年6月22日 | |
EU REACH規則 基礎解説ガイド
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2021年11月8日 | |
EU REACH規則 SVHCリスト(認可対象の候補となる高懸念物質のリスト)
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2021年11月7日 | |
EU REACH規則附属書XIV 認可対象物質リスト
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2021年11月6日 | |
EU REACH規則附属書XVII 制限物質リスト
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2021年11月5日 | |
EU PFAS規制
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2021年1月9日 | |
EU PFOA 規制動向
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2020年10月1日 | |
EU PFOS 規制動向
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2020年10月1日 | |
EU C9-C14 PFCAs(炭素数9から14までのペルフルオロカルボン酸)その塩および関連物質
|
2020年8月12日 | |
EU CLP規則
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2020年7月4日 | |
EU 殺生物性製品規則(BPR)
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2018年12月1日 | |
EU RoHS指令
|
2018年12月1日 |
EnivXでは日々の海外の環境規制動向の情報提供業務に裏付けられた、様々なノウハウやネットワークを活用し、お客様の様々な個別のご要望にお応えする調査のご相談も承っております。委託調査ページでは実績例等のご紹介もしておりますので、参考にされた上で、まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
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