
中国 再生プラスチック 含有・使用制限物質規制
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基本情報・概要
中国石油化学工業連合会は2024年6月28日、推奨国家標準の「プラスチック 再生プラスチック使用制限物質の限度量要求」の意見募集稿を公表した。同標準では、再生プラスチックにおける約40種類の使用制限物質のCAS番号、限度量および測定方法が定められており、廃プラスチックを原料として製造された再生プラスチック顆粒および完成品に適用される。同標準の制定解説明文書によると、標準中の使用制限物質およびその限度量は、主に中国の「重点管理新汚染物質リスト」、「ストックホルム条約」、REACH規則(EU 2017/1000)およびRoHS指令(2011/65/EU)などに基づいて選定および確定されている。
適用範囲
同標準は、廃プラスチックを原料として、選別、分類、破砕、洗浄、溶融押出およびその他のプロセスを通じて製造された再生プラスチック顆粒および完成品に適用される。ポリエチレンテレフタラート(PET)フレークにも適用される。ただし、同標準で定めた使用制限物質の使用制限は、再生プラスチック本体の成分にのみ適用され、再生プラスチックの加工、変性など後続の加工には適用されない。
なお、同標準は、医療廃棄物、農薬包装などの危険廃棄物および放射性廃棄物由来の再生プラスチックには適用されない。食品接触材および医薬品の包装材料として利用される再生プラスチックにも適用されない。
含有・使用制限物質
同標準は、再生プラスチックの使用制限物質を宣言類含有禁止物質、規制類使用制限物質および早期警報類(中国語原文:预警类)使用制限物質の3種類に分けて規制している。
宣言類含有禁止物質リスト(表1、12種類)
この12種類の物質は、中国ではすでに禁止されており、廃プラスチックには存在しないはずの物質である。この観点から、製造者や輸入者は検査する必要はないが、再生プラスチックの調達源を確認して自己宣言方式により、取り扱っている再生プラスチックにこれらの物質を含有していないことについて宣言すべきである。
規制類使用制限物質リスト(表2、11種類)
この11種類物質に対しては、それぞれの限度量が定められており、その限度量を超えてはならない。
早期警報類*使用制限物質リスト(付録A、25種類)
早期警報類使用制限物質リストは、上記2種類のリストと異なり、標準の本文ではなく、参考資料として付録Aに記載されている。
* 同標準の中には、早期警報類物質の定義がないが、今後規制対象となる物質と思われる。また、同リストの付録Aは参考資料であるため、強制力はない。
上記の宣言類含有禁止物質および規制類使用制限物質の限度量は、下記の通り(一部のみ)。同標準の第6.1条によると、宣言類含有禁止物質の限度量要求については、製造者や輸入者が自主的に宣言を行う。規制類使用制限物質の限度量要求は規制要求となる。
宣言類含有禁止物質
化学物質 | 限度量(mg/kg) |
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六塩化ブタジエン | 禁止。具体的な限度量指標はなし。 |
ペンタクロロフェノール | 禁止。具体的な限度量指標はなし。 |
ペルフルオロヘキサンスルホン酸、その塩および関連化合物(PFHxS) | PFHxSおよびその塩類≦0.025 PFHxSおよびその化合物≦1 |
規制類使用制限物質
化学物質 | 限度量(mg/kg) |
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短鎖塩化パラフィン(C10-C13) | ≦1500 |
ポリ臭化ビフェニル | ≦1000 そのうち、ヘキサブロモビフェニルは検出されないこと。 |
ペルフルオロオクタン酸、その塩および関連化合物 | PFOAおよびその塩類≦0.025 PFOAおよびその化合物≦1 |
関連規制動向
2024年6月 |
中国、再生プラスチックの使用制限物質の限度量を定める推奨国家標準の意見募集稿を公表 |
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2024年5月 |
中国家電協会、家電に使用する再生プラスチックに関する団体標準を公表 |
2024年5月 |
中国電子工業標準化技術協会、電気電子機器における再生プラスチックの応用に関する団体標準を公表 |
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2023年7月21日 | |
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新汚染物質管理行動の目標、対策行動、発生源管理/使用管理/端末処理の強化、 重点規制新汚染物質リストによる管理の実施について解説。 |
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2022年11月25日 | |
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2022年3月29日 |
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中国の環境法・環境規制動向
中国の化学物質規制情報に関連する製品を下記に紹介します。
規制分野 | 製品区分 | 製品・サービス名 | 発売・更新日 |
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2020年6月5日 |
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2019年10月31日 | |
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2019年7月12日 | |
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常時更新 | |
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毎月配信 | |
化学物質 | 法規和訳 |
![]() 現時点で遵守義務はありませんが、危険化学品の安全情報コードに関する上位法が未公布である状況において、制度を把握するための重要な資料です。 |
2024年4月11日 |
法体系ガイド |
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2024年3月7日 | |
法規和訳 |
![]() 本計画では具体的な物質名こそ示されていませんが、今後の化学物質規制の根拠となる重要政策文書です。 |
2022年6月7日 | |
報告書 |
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2020年8月27日 | |
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2020年5月12日 | |
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2019年11月22日 | |
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2019年5月23日 | |
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2019年4月11日 | |
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2018年10月29日 | |
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2016年5月25日 | |
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2014年11月13日 | |
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2012年7月20日 | |
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2011年4月6日 | |
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2010年2月17日 | |
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2009年1月12日 |
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海外環境規制トレンド・レポート
下表は中国の化学物質規制情報に関する報告書の一覧です。
規制分野 | 規制テーマ(報告書の名称) |
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化学物質 |
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個別調査・海外現地調査
コラム・無料記事
中国に関連するコラム・無料記事(不定期更新)の一覧です。
規制テーマ | コラム・無料記事 | 更新日 |
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化学物質 |
![]() 同標準は国連GHSに従って行う化学品の分類および公示に適用される。今回の改正版では制限対象と適用除外が追加されている。 |
2024年9月20日 |
![]() 今回増補された7種類の物質は、申請に対して生態環境部が審査を行い、「新規化学物質環境管理登録弁法」および「新規化学物質環境管理登録指南」で定められている増補基準を満たしているとみなされた物質である。 |
2024年7月23日 | |
![]() 2024年2月末時点で、合計1369社より1万7669件の合格評定情報が提出されている。 |
2024年4月25日 | |
![]() 中国で危険化学品の安全情報コードによる管理が進められています。関連する2つの団体標準の概要を紹介します。 |
2024年3月9日 | |
![]() POPs条約附属書に追加されたHCBD、PCP、PCN、decaBDE、SCCPsの禁止・制限要求が規定されている。本公告は即日施行された。 |
2023年6月15日 | |
![]() ジクロロメタンおよびノニルフェノールの化粧品に関して変更。 |
2023年1月6日 | |
![]() 今回のリスト(草案)では、計14種類の物質ごとに異なる管理措置が定められており、同措置には生産、加工・使用、輸出入の禁止・制限や、排出削減措置などが含まれる。 |
2022年9月28日 | |
![]() 中国山東省応急庁は、危険化学品の「1社1品1コード」管理、つまり、2次元コードによる管理を全面的に実施する計画であるという。上記の情報によると、2022年10月30日までに、山東省の危険化学品生産・輸入企業は、各種危険化学品に安全情報コード(2次元コード)を貼付する必要がある。 |
2022年9月3日 | |
![]() 2022年7月20日発表。募集期間は、2022年7月31日まで。なお、弊社では新汚染物質対策行動計画の和訳・解説書を提供しております。 |
2022年7月21日 | |
![]() SDSでの成分開示要求を明確にし、輸送禁止の該否判定をするうえでの重要文書である上海海事局発表(2022年5月)の仮訳を掲載しております。 |
2022年7月8日 | |
![]() 2022年2月16日、中国応急管理部は、2次元コードの作成に対応した新たな危険化学品登録システムである「危険化学品登録総合サービスシステム」の運用開始について発表した。 |
2022年2月17日 | |
![]() 中国応急管理部、2021年12月14日に意見募集稿を公表。対象となる化学品には二次元コードの貼付が必須に。 |
2022年2月3日 | |
![]() 2021年1~3月にかけVOC含有量限度値規定により塗料製品が相次ぎ摘発されています(中国各地の税関による報告)。 |
2021年3月29日 | |
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2020年12月1日 | |
![]() 特に2015年1月に「新環境保護法」が公布されて以降、中国の環境規制は変化が如実に現れています。世界環境法規制ウェビナー(10月開催)に向けた特別コラムです。 |
2020年8月14日 | |
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2020年7月17日 | |
![]() 2020年1月1日施行。中国厳格制限の有毒化学品リスト(2018年)は廃止。本リストには8種類の有毒化学品のみが記載されている。 |
2020年2月3日 |