EV特集レポート 欧州で進む自動車の脱炭素化
自動車のカーボンニュートラル対応で世界をリードするEU
その政策・法規の要点を解説する
「特集レポート:欧州で進む自動車の脱炭素化」
エンヴィックスは1994年の創立以来、自動車の環境法規制全般に関する情報サービスを提供してきました。ここ数年前からは、電気自動車(EV)の開発・普及の勢いが加速しており、それは欧米や中国に留まらず、南米、東南アジア、中東など世界的に拡大しています。こうした背景のもと、当社は2022年4月、EVや新エネルギー車(NEV)に関わる各国の政策や法規、企業の市場・開発戦略、市場動向などをカバーするEVの総合情報サービスとして、「世界自動車環境規制情報サービス」の販売を開始しました。
同サービスでは昨年、特別企画として、インド、ラテンアメリカ、中国を対象とする特集レポートをそれぞれ発行しました。今回、これらに続く新たな特集レポートとして、EUを対象に「欧州で進む自動車の脱炭素化」を完成しましたのでここにご案内します。
現在、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)に向けた動きが世界的に拡大しています。そして、それを実現するためには、自動車のあり方を根本的に変えていく必要があります。このために、各国政府は様々な政策を打ち出し、大手自動車メーカーや電池・素材メーカーは連日のように新たな取り組みや戦略を発表しています。多くの企業にとっては、こうした溢れる情報を前に、いずれの動きが今後の主流となっていくのかを見定めることが難しくなっています。
そうした中、EUは2022年10月、2035年の全新車ゼロエミッション化を決定しました。これは、2019年に発表されたEUの新たな成長戦略「欧州グリーンディール」の一端を担っており、技術的な判断というよりも政策的な判断であると言えます。そして、EUの定めたルールや基準はグローバル・スタンダードへ発展することが多いため、今回の決定も世界自動車産業のこれからを洞察する上で重要な指針となることが考えられます。
今回の特集では、まずEUの最新の関連政策と法規を整理して報告します。特に下記の注目のテーマをとり上げて解説しています。
- 電池規則案:暫定合意の内容が明らかに。電池パスポートの概念実証もスタート
- Catena-X:自動車バリューチェーンのデータ連携基盤の構築が始まっている。
- 自動車のLCA:なぜテールパイプ排出量ベースの規制には限界があるのか。
- 欧州重要原料法:リチウムや他のレアアースの戦略的確保と利用。近く法案が提出される見通し。
- EUタクソノミー規則:内燃機関搭載車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車は「サステナブルな経済活動」の対象外。
さらに、最新のEnviX世界自動車環境規制サービスの報告内容に基づいて、欧州主要自動車メーカー5社(下記参照)のバッテリー電気自動車(BEV」・脱炭素化・電池に関わる戦略の概要をまとめました。
- メルセデス・ベンツ
- BMW
- VW
- ステランティス
- ボルボ・カーズ
まさに今、欧州では自動車の脱炭素化に向けた変革が始まっています。本レポートが、それを俯瞰するための一助となれば幸いです。
EV特集レポート「欧州で進む自動車の脱炭素化」目次
- はじめに
- 自動車の脱炭素化に向けたEU政策
- 欧州グリーンディールとFit for 55
- 乗用車と小型商用車のCO2排出規制
- 参考情報① 残してある逃げ道
- 参考情報② ドイツの哀愁、怒り、そして希望
- 代替燃料供給インフラの展開に関する規則(AFIR)案
- 自動車の脱炭素化に関わるその他の法規
- 電池規則案
- 参考情報③ 電池パスポート
- 電池規則案
- 欧州重要原料法
- EUタクソノミー規則
- Euro 7規則案
- 自動車のLCAとデータ連携
- テールパイプ排出量ベースの規制の限界
- 参考情報④ 自動車用LCAの定義と開発
- 自動車バリューチェーンのデータ連携基盤の構築
- テールパイプ排出量ベースの規制の限界
- おわりに
- 付録:欧州主要OEMのBEV/脱炭素化/電池戦略
本製品について
EnviXは本レポートを下記の要領で販売しております。
製品名 | EV特集レポート「欧州で進む自動車の脱炭素化」 |
---|---|
発売・更新日 | 2023年2月7日 |
納品物 | PDFファイル(A4判 28頁) |
販売価格 | 35,000円(税別)
購入特典:中国EV特集レポート(2022年10月24日発売)を無料進呈 |
ご注文・お問い合わせ | ご注文はWEBフォームより承ります(最短同日、メールにて納品)。 ご請求について。請求書を後日郵送、支払期限は納品日(毎月25日締め)翌月末を基本とします。 納品・請求方法はお客様の規定により変更・対応いたします。注文時に合わせてご指定ください。 ご質問・お問い合わせはお電話(03-5928-0180)もご利用ください。平日10~17時受付。 担当:中里、劉 |
関連製品
EnviXは欧州連合(EU)の環境法・環境規制動向を日々調査し、企業の環境コンプライアンスや経営・市場戦略立案に役立つ情報を提供を提供しております。
欧州連合(EU)の環境法・環境規制動向
欧州連合(EU)の自動車規制情報に関連する製品を下記に紹介します。
規制分野 | 製品区分 | 製品・サービス名 | 発売・更新日 |
---|---|---|---|
全般 | 法体系ガイド |
EU環境法体系ガイド2018(製品編)
英語情報とはいえ、その情報量の多さ、複雑さ、活発な動向から、体系的な把握が難しいEUの環境法体系を把握する一助となるよう作成されたガイドとなります |
2018年10月17日 |
- |
海外環境法規制モニタリング
世界全体の環境法規制の動向をお届けする基幹サービス。同分野の豊富な知識と経験、高度な翻訳能力を兼ね備えた当社研究員が厳選した価値ある情報を速報、月例報告書、検索可能なWEBアーカイブでご提供します。 |
常時更新 | |
- |
海外環境規制トレンド・レポート
世界主要国における環境法規制の直近6ヶ月から1年間の動向を中心に調査し、ご報告する調査報告書です。 |
年2回更新 | |
- |
海外環境法規制メルマガ(無料)
海外の環境規制情報を要約して月1回、毎月上旬に配信します。累計1千人以上が購読する、環境規制担当・経営担当必読のメールマガジンです。 |
毎月配信 | |
自動車全般 | 報告書 |
特集レポート 欧州自動車産業における再生プラスチックの利用拡大に向けた最新動向
自動車産業/電池産業従事者向け特集レポートです。弊社サービス「世界自動車環境規制情報」より欧州自動車産業における再生プラスチックの利用拡大に向けた動きを系統的にまとめました。 |
2024年8月21日 |
法規和訳 |
EU ELV規則案
本規則案は現行のELV指令を強化し、さらに「3R型式認証指令2005/64/EC」を統合して一本化するものでもあります。 |
2024年5月17日 | |
報告書 |
EV特集レポート 欧州で進む自動車の脱炭素化
EUの定めたルールや基準はグローバル・スタンダードへ発展することが多いため、今回の決定も世界自動車産業のこれからを洞察する上で重要な指針となることが考えられます。 |
2023年2月15日 | |
法規和訳 | 新しい乗用車・小型商用車のCO2排出性能基準を定める規則(EU)No 2019/631 | 2019年6月19日 | |
法規和訳 | EU ELV指令(2000/53/EC)の附属書Ⅱを改定する委員会決定(2008/689/EC) | 2008年8月30日 |
EnviXは各国の環境規制テーマについて、その中長期動向の調査報告書を作成・提供しております。
海外環境規制トレンド・レポート
下表は欧州連合(EU)の自動車規制情報に関する報告書の一覧です。
規制分野 | 規制テーマ(報告書の名称) | 更新日 |
---|---|---|
自動車全般 | EU 自動車排ガス規制(有害物質・GHG) | 2021年1月9日 |
EU 電気自動車(EV / PHEV)・燃料電池車(FCV)政策 | 2020年7月4日 | |
EU ELV指令/ELV規則案 | 2018年12月1日 |
EnivXでは日々の海外の環境規制動向の情報提供業務に裏付けられた、様々なノウハウやネットワークを活用し、お客様の様々な個別のご要望にお応えする調査のご相談も承っております。委託調査ページでは実績例等のご紹介もしておりますので、参考にされた上で、まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
個別調査・海外現地調査