日本 日本の主要規制テーマ

日本 化審法 化学物質の審査・評価、製造・輸入規制等

環境省、『令和元年度化学物質環境実態調査結果(概要)』を公表

2020年12月24日、環境省は、上記取りまとめを公表した。この調査は、一般環境中における化学物質の残留状況を継続的に把握する事を目的として、1974年度より継続的に実施されている。なお、調査結果の詳細については、今後、「令和2年度版 化学物質と環境」として取りまとめられ、公表される予定(こちらのページで公表される見込み)。

今回の調査では、以下の調査が行われた。

  1. 初期環境調査
    環境リスクが懸念される化学物質について、一般環境中で高濃度が予想される地域においてデータを取得することにより、化管法の指定化学物質の指定、その他化学物質による環境リスクに係る施策について検討する際の基礎資料等とする事を目的とする。
  2. 詳細環境調査
    化審法の優先評価化学物質のリスク評価等を行うため、一般環境中における全国的な曝露評価について検討するための資料とする事を目的とする。
  3. モニタリング調査
    化審法の特定化学物質等について一般環境中の残留状況を監視する事及びPOPs条約に対応するため条約対象物質等の一般環境中における残留状況の経年変化を把握する事を目的とする。

基本情報

化審法の体系

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)は、その名の通り、化学物質の審査・評価と、製造や輸入等の管理を含む規制に関する内容を含む。その骨子は次の3点に大別されている。

  • 新規化学物質の事前審査
    新たに製造・輸入される化学物質に対する事前審査制度。
  • 上市後の化学物質の継続的な管理措置
    製造・輸入数量の把握(事後届出)、有害性情報の報告等に基づくリスク評価。
  • 化学物質の性状等に応じた規制および措置
    性状に応じた化学物質の分類と規制。
    製造・輸入数量の把握や有害性調査指示、製造・輸入許可、使用制限など。

上記の要件を規定するため、化審法は下位法令を含め、次のような法体系構造となっている。

法律
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)
政令
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令(化審法施行令)
省令
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行規則(化審法施行規則)
    ※省令冒頭に「経済産業省関係」「国土交通省関係」「厚生労働省関係」とそれぞれ付されている施行規則が計3つ存在する。
    ※「施行規則」は「省令」である。
  • 新規化学物質の製造又は輸入に係る届出等に関する省令
  • 新規の化学物質による環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられている地域を定める省令
  • 新規化学物質に係わる試験並びに優先評価化学物質及び監視化学物質に係わる有害性の調査の項目等を定める省令
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第4条第5項に規定する新規化学物質の名称の公示に関する省令
  • 監視化学物質及び優先評価化学物質の有害性の調査の指示及び第二種特定化学物質に係わる認定等に関する省令
  • 有害性情報の報告に関する省令
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第三項の表PFOS又はその塩の項に規定する消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤に関する技術上の基準を定める省令
告示
  • 新規化学物質のうち、高分子化合物であって、これによる環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがないものに関する基準
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第三項の表PFOS又はその塩の項に規定する製品でPFOS又はその塩が使用されているものの容器、包装又は送り状に当該第一種特定化学物質による環境の汚染を防止するための措置等に関し表示すべき事項
  • 新規化学物質の製造又は輸入に係る届出等に関する省令第六条第二項及び第九条第二項の規定に基づき厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣が用途に応じて定める係数 など詳細は経済産業省ウェブサイトで確認可能。
通知
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について
  • 「既に得られているその組成、性状等に関する知見」としての取扱いについて
  • 新規化学物質等に係る試験の方法について
  • 新規化学物質等に係る試験を実施する試験施設に関する基準について
  • 新規化学物質の審査等に際して判定の資料とする試験成績の取扱いについて
  • 有害性情報の報告に関する運用について など詳細は経済産業省ウェブサイトで確認可能。

化審法における規制対象の化学物質区分と規制内容

区分 概説
A. 新規化学物質
  • B.C.D.E.ではなく、法第4条1項2号から5号の審査の結果新規化学物質に非該当のものにあてはまらないものをいう。
  • 製造/輸入しようとする場合は事前の届出を行い(第3条)、審査を受け、その結果の通知を受領し、新規化学物質である特定がなされた後でなければ上市できない(第4条)。
  • 但し、低生産量(年間10トン以下)の場合(第5条1項,7項)、少量新規である場合(第3条1項5号)、中間物、閉鎖系等用途、輸出専用品に係わる事前確認を受ける場合(第3条1項4号)、低懸念高分子化合物(第3条1項6号)の場合など特例措置の規定がある。
(特定新規化学物質)
  • 法第4条1項2号から5号の審査の結果新規化学物質に非該当のものにあてはまらないもので、且つ「継続的に摂取される場合には人の健康を著しく損なうおそれがあるもの」や「継続的に摂取され、又はこれにさらされる場合には生活環境動植物の生息又は生育に著しい支障を及ぼすおそれがあるもの」は「特定新規化学物質」として特定されている。
  • 努力義務として「特定新規化学物質」を他の事業者に対し譲渡し、又は提供する際の情報伝達義務がある(第8条の2第)
B. 第一種特定化学物質
  • 「自然的作用による化学的変化を生じにくいもの(難分解性)」で、且つ「生物の体内に蓄積されやすいもの(高蓄積性)」であることに加え、人への長期毒性又は高次捕食動物への長期毒性があるもの(第2条2項)。
  • 製造/輸入の許可(原則禁止)(第17条,第22条等)、使用の制限(第25条)、政令指定製品の輸入制限(第24条)や第一種取扱事業者に対する基準適合義務(第28条)及び表示義務(第29条)等が規定されている。
  • 副生物の取扱については、経済産業省より通知がなされており、「利用可能な最良の技術(BAT)」を用いて、第一種特定化学物質を「工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減すべきという方針が採用されている。
C. 監視化学物質
  • 「自然的作用による化学的変化を生じにくいもの(難分解性)」、「生物の体内に蓄積されやすいもの(高蓄積性)」のいずれかに該当するが、人への長期毒性又は高次捕食動物への長期毒性を有するか明らかでないもの(第2条4項)。
  • 製造/輸入の場合、前年度の製造/輸入数量等の届出が必要(第13条)。
  • 試験研究のための製造/輸入は届出対象外。
D. 第二種特定化学物質
  • 「自然的作用による化学的変化を生じにくいもの(難分解性)」、「生物の体内に蓄積されやすいもの(高蓄積性)」のいずれかに該当し、人への長期毒性又は高次捕食動物への長期毒性を有し、その有する性状及びその製造、輸入、使用等の状況からみて、人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあると認められるもの(第2条3項)。
  • 毎年度、予定製造/輸入数量の届出が必要で(第35条)、公表される技術指針に従って取扱い(第36条)、第二種特定化学物質等を譲渡し、又は提供する際は、容器、包装または送り状に物質毎に環境汚染防止措置に関する表示が必要(第37条)。
E. 優先評価化学物質
  • D.の特定条件すべてへの非該当が明らかではなく、その性状に関する情報を収集し、及びその使用等の状況を把握することにより、そのおそれがあるものであるかどうかについての評価を優先的に行う必要があると認められるもの(第2条5項)。
  • 製造/輸入の場合、前年度の製造/輸入数量等の届出が必要(第9条)。試験研究のための製造/輸入は届出対象外。
F. 一般化学物質
  • B.C.D.E.および法第4条1項2号から5号の審査の結果新規化学物質に非該当のものを除き、既存化学物質名簿に記載されている化学物質(附属第2条4項)と旧第2種監視化学物質、旧第3種化学物質を「一般化学物質」という(第2条7項)。
  • 「一般化学物質」の製造/輸入の場合、前年度の製造/輸入数量等の届出が必要(第8条)。
(特定一般化学物質)
  • 「一般化学物質」の中で、「継続的に摂取される場合には人の健康を著しく損なうおそれがあるもの」や「継続的に摂取され、又はこれにさらされる場合には生活環境動植物の生息又は生育に著しい支障を及ぼすおそれがあるもの」は「特定一般化学物質」と特定されている(第2条8項)。
  • 努力義務として「特定一般化学物質」を他の事業者に対し譲渡し、又は提供するときの情報伝達要件が規定されている。

※概説部分は法令および経済産業省資料をもとに独自に要約したものとなります。詳細は法令原文等でご確認ください。

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下表は日本の化学物質規制情報に関する報告書の一覧です。

規制分野 規制テーマ(報告書の名称)
化学物質 日本 安衛法 労働安全衛生、化学物質の分類・表示、GHS、特化則等
化管法 化学物質の排出・移動管理、情報伝達等
日本 化審法 化学物質の審査・評価、製造・輸入規制等

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