国際、その他の国・地域の環境法規制情報

世界のプラスチック問題と各国の規制

当社サービス「海外環境法規制モニタリング」より、各国のプラスチック問題と規制を抜粋して紹介します。
本サービスでは世界全体の環境法規制の動向をお届けしております。是非とも導入をご検討ください。
海外環境法規制モニタリング

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世界中でプラスチックに対する規制が強化されています。消費者が使用した後のプラスチックごみが環境、特に海洋汚染の大きな原因となっており大きな問題となっています。
プラスチックを飲み込むなどして海洋生物が命を落としているというニュースが世間の関心を高めました。ストローが刺さったカメの写真のインパクトは大きかったのではないでしょうか。

世界のプラスチック生産量と使用量は1950年より増加の一途をたどっています。2022年6月21日に経済開発協力機構(OECD)が公表した報告書『世界のプラスチックの展望:2060年に向けた政策シナリオ(Global Plastics Outlook Policy Scenarios to 2060)』によると、何も対策を取らなければ2060年までにプラスチックの使用量は2019年水準の3倍に、また環境中へ流出するプラスチックについては3倍以上になると予測されています。中国で2018年より「廃プラスチックの輸入」が禁止され、各国は国内でのリサイクル率向上に取り組む必要が生じています。かくいう日本でもプラスチック資源循環促進法が2022年4月より施行されています。

このように、各国で法規制整備が進行し、2020年頃からは、エレンマッカーサー財団などの民間部門から世界共通の規制を求める声が上がり始めたため、2024年末の完成を目標としてプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書の策定が進められています。

国際文書の動向、また、各国単位でも新たな法規制動向が予想されますので、関係する企業の方は引き続き注視してください。

その他当社サービス「海外環境法規制モニタリング」にて配信している各国のプラスチック規制情報は下表のとおりです。

2024年7月 米国:ホワイトハウス、新たなプラスチック汚染対策を発表――2035年までに連邦政府活動での使い捨てプラの使用を全廃
2024年7月19日、ホワイトハウスは、プラスチックのライフサイクル全体を通じたプラスチック汚染を対象とした初の包括的な政府全体の戦略報告書「プラスチック汚染に対する連邦行動の結集:進捗、原則および優先事項(MOBILIZING FEDERAL ACTION ON PLASTIC POLLUTION: PROGRESS, PRINCIPLES, AND PRIORITIES)」を発表した。プラスチック汚染問題の規模と広がりに対処するために、連邦政府に、州、準州、部族、コミュニティ、民間セクター、その他の利害関係者と持続的かつ協調的に取り組むことを求めている。また、同日に発表したファクトシートでは、2027年までに食品サービス業、イベント、包装材の連邦調達から、2035年までにすべての連邦政府の活動から使い捨てプラスチックを廃止するという新たな目標を発表した。
インド、プラスチック包装材EPRにおける登録情報の変更に関する通達を公布
インド中央公害管理委員会(CPCB)は2024年7月15日、2016年プラスチック廃棄物管理規則に関する通達を公布した。本規則に基づくプラスチック包装材の拡大生産者責任(EPR)では、規制事業者による専用ポータルでの登録が必要となっているが、登録に使われるメールアドレスや電話番号といった情報を変更する場合は、CPCBによる本人確認が実施される。本通達では、2023年12月から2024年3月までの間に情報を変更した後、本人確認が取れなかった事業者リストを挙げており、該当の事業者には本件についてCPCBへ連絡することが求められる。
欧州の化粧品業界団体がEUマイクロプラスチック規制に関するガイダンスを公開
欧州パーソナルケア業界団体Cosmetics Europeと欧州化粧品原料連盟(EFfCI)は2024年7月4日、「EUマイクロプラスチック規制に関するガイダンス」を公開した。欧州連合(EU)では、2023年10月17日に発効した「規則(EC)No 1907/2006(REACH規則)」の「附属書XVII(ある種の危険な物質、混合物および成形品の製造、上市および使用の制限)」を修正する「欧州委員会規則(EU) 2023/2055」で、5 mm以下の全ての合成ポリマーのマイクロプラスチック(SPM)と混合物の上市が禁じられている。同ガイダンスは、その化粧品業界への適用に関する詳細を説明するもので、制限措置の主な内容のほか、自社ポリマーがSPMに該当するか、例外対象となるか、などを判断するためのフローチャートやFAQなどを提供している。ただし、正式な法的助言でもEUの公式資料でもなく、あくまで参考用である。
コロンビア、使い捨てプラスチックの回収・リサイクルの目標値などを含む規則を公布
コロンビア環境省は2024年6月24日、2022年7月7日公布の使い捨てプラスチックを規制する法律No.2232に基づき、拡大生産者責任による回収・リサイクルの目標値などを含む規則を決議書No.803 にて公布した。「使用済の紙・段ボール、プラスチック、ガラス、金属容器の環境管理規則を規定する決議書No.1407(2018年7月26日公布)」のプラスチック容器に関する部分の一部改正を含むものとなっている。
2024年6月 ブラジル上院、脱プラスチック国家政策法(案)(生分解性素材に置き換え)を検討
2024年5月8日、ブラジル上院にて、脱プラスチック国家政策に関する2024年法(案)258号(PL 258/2024)について報じられた。プラスチックの使用や輸入、製造にあたって、今後策定される規則に定められる期限と基準に基づき、生分解性の素材或いはより汚染が少ない素材に置き換えることが規定されている。また生分解性素材への置き換え、そのための調査、技術開発に対し、財政的な優遇措置が付与される。
欧州環境庁、プラスチックの新モニタリングツールに基づく資料公表、循環性改善の必要性強調
欧州環境庁(EEA)は2024年6月18日、欧州のプラスチック循環の進捗状況をまとめたブリーフィング資料『欧州の循環型経済におけるプラスチックの役割』を公表した。同資料は、EEAの「循環性メトリクスラボ(Circularity Metrics Lab)」の新モニタリングツールから得られた情報に基づくもので、欧州全域でのプラスチックの生産・消費パターンが依然として持続不可能であり、廃棄物、汚染、気候変動、その他環境への悪影響を削減するためには、より循環型にする必要があると指摘している。
韓国消費者院、プラスチック製品から残留性有機汚染物質が検出され、安全基準の制定を要請へ
韓国消費者院(Korea Consumer Agency)は2024年4月2日、国内で市販されているプラスチック製品及び子供用品を調査した結果、一部製品から残留性有機汚染物質である短鎖塩素化パラフィン(SCCPs)が、欧州で定めている基準を超過して検出されたと発表した。消費者院は、韓国の場合、主な政府部署別に、化学物質が含有されている製品を個別に規制しているため、各政府部署が管轄している個別法により、残留性有機汚染物質を含有する製品に対して安全基準を設ける必要があると指摘し、特にプラスチック製品に含有されるSCCPsに対しては、優先的に安全基準を設けるよう政府に働きかけると述べた。

なおエンヴィックスでは、以下のようなテーマでの調査も可能ですので、ご要望があれば遠慮なくお申し付けください。

  • プラスチックの問題に関する国際機関の動向
  • 各国でのプラスチック製品に含有される化学物質規制
  • 生分解性プラスチックへの優遇策
  • 廃プラスチックの輸入規制

動向解説動画

2024年7月24日(水)に配信した「無料ウェビナー 世界の最重要環境規制トレンド解説」にて米国のプラスチック規制動向の解説を行いました。弊社「Youtubeチャンネル」にて解説動画を公開しております。

そのほか、世界各国の環境規制についてお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

関連製品

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国際、その他の国・地域の環境法・環境規制動向

国際、その他の国・地域の廃棄物規制情報に関連する製品を下記に紹介します。

規制分野 製品区分 製品・サービス名 発売・更新日
全般 - 海外環境法規制モニタリング
世界全体の環境法規制の動向をお届けする基幹サービス。同分野の豊富な知識と経験、高度な翻訳能力を兼ね備えた当社研究員が厳選した価値ある情報を速報、月例報告書、検索可能なWEBアーカイブでご提供します。
常時更新
- 海外環境規制トレンド・レポート
世界主要国における環境法規制の直近6ヶ月から1年間の動向を中心に調査し、ご報告する調査報告書です。
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海外環境規制トレンド・レポート

下表は国際、その他の国・地域の廃棄物規制情報に関する報告書の一覧です。

規制分野 規制テーマ(報告書の名称) 更新日
廃棄物 プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約) 2024年1月18日
メカニカルリサイクルの各国動向 2023年9月28日
マテリアルリサイクルの各国動向 2023年9月28日
サーマルリサイクル(エネルギー回収/熱エネルギー回収)の解説 2023年9月28日

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