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日本「令和6年度化学物質管理に係る専門家検討会」の報告書を公表

日本で、2025年3月18日に、「令和6年度化学物質管理に係る専門家検討会」の報告書が公表された。検討会では、濃度基準値設定候補物質を対象とした濃度基準値の案と測定方法が検討されている。また、危険有害性情報の通知制度における運用改善と営業秘密の保持について検討されている。

濃度基準値設定候補物質は2024年度分が167物質と前年度までの積み残し57物質を対象に検討され、濃度基準値の案と測定方法を設定した物質は87物質であった。

現行の危険有害性情報の通知制度の運用改善としては、通知義務違反に罰則を設ける、通知した事項を変更した場合の譲渡・提供先への通知を努力義務から義務規定とするべきとしている。

危険有害性情報の通知制度における営業秘密の保持については、重篤な健康障害を生ずる有害性クラスに該当する場合や、特定の有害性クラスであって区分1に該当する場合は非開示の対象とすべきではないなどとしている。

各年度の濃度基準値の検討の進め方

濃度基準値の検討は令和4年度の専門家検討会から実施されており、候補対象物質選定の考え方や、対象物質数の経年ごとの推移は以下の通りである。

年度 選定の基準 対象物質数 基準値設定物質数 施行日
2022年度 リスク評価対象物質(特定化学物質障害予防規則などへの物質追加を念頭に、国が行ってきた化学物質のリスク評価の対象物質をいう。以下同じ。) 118 67 2024年4月1日
2023年度 リスク評価対象物質以外の物質であって、吸入に関する ACGIH TLV-TWA(米国政府労働衛生専門家会議が勧告している8時間時間加重平均ばく露限度)があり、かつ、測定・分析方法があるもの 160 112 2025年10月1日
2024年度 リスク評価対象物質以外の物質であって、吸入に関する職業ばく露限度があり、かつ、測定・分析方法があるもの 167 87 未施行
2025年度以降 リスク評価対象物質以外の物質であって、吸入に関する職業性ばく露限界値があり、かつ、測定・分析方法がないもの 390 未設定

濃度基準値設定物質のリストは、「職場の安全サイト」などで入手可能。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankgc11.html

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下表は日本の化学物質規制情報に関する報告書の一覧です。

規制分野 規制テーマ(報告書の名称) 更新日
化学物質 日本 安衛法 労働安全衛生、化学物質の分類・表示、GHS、特化則等 2021年1月28日
化管法(PRTR法) 化学物質の排出・移動管理、情報伝達等 2021年1月28日
日本 化審法 化学物質の審査・評価、製造・輸入規制等 2021年1月28日

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