日本 日本の環境法規制情報

日本 PFOAを化審法第一種特定化学物質に指定

2021年4月16日、「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩」を、新たに化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第一種特定化学物質に指定する内容の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」(化審法施行令の改正政令)が閣議決定され、4月21日、官報にて公布されました。施行日は2021年10月22日となります。

同年1月22日、同内容の政令案(化審法施行令の改正案)がWTO/TBT通報されていました。

背景

2020年9月7日、環境省は三省合同会合を開催し、その中で「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及び PFOA 関連物質の第一種特定化学物質への指定等に係るスケジュールの再変更について(報告)」という議題が挙げられ、報告がなされました。

これは、2019年4月末から5月頭にかけて開催された、ストックホルム条約(POPs条約)の第9回締約国会合(COP9)の決議を国内法化する内容についての動きとなります。

COP9において、ジコホル、PFOA とその塩及び PFOA 関連物質をストックホルム条約(POPs条約)の附属書A(廃絶)に追加することが決定された。これを踏まえ、日本においては、2019年7月24日の三省会合にて、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第一種特定化学物質に指定することが適当であるとの結論が得られていました。

2019年11月15日から12月14日にかけてパブリックコメントが行われた後、2020年4月7日に結果が公表され、検討が続き、今回の改正政令の公布へ至ります。

紛らわしい点として注意が必要なのは、今回第一種特定化学物質に指定されたものの中に、「PFOA 関連物質」は含まれません。2020年9月7日の合同会合で示されたスケジュールでは、「PFOA 関連物質」を第一種特定化学物質に指定する改正政令のWTO/TBT通報は2021年6月以降、改正政令の公布時期は9月以降、そして施行時期は2022年3月以降が見込まれています。

「PFOA関連物質」とは?

2019年11月に公表された資料「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)」によると、「PFOA関連物質」を次のように記載しています。

「第一種特定化学物質」になると?

「第一種特定化学物質」に指定されると様々な要件が課せられ、事業者は遵守を求められます。整理しようとすると次の論点が挙げられます。

  • 物質としての規制か、製品としての規制か
  • 規制対象となるのは製造、輸入、使用のいずれか
  • 「他の化学物質を製造する際に副生される第一種特定化学物質」や「エッセンシャルユース(必須用途)」についてはどうか

(例)製品としての規制

化審法施行令第7条「第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品」では、第一種特定化学物質ごとに、それを含む輸入禁止製品が特定されている。

今回の政令で「PFOA又はその塩」について、それらを含む輸入禁止製品(政令指定製品)として指定されたものは次の通り。

  1. 耐水性能又は耐油性能を与えるための処理をした紙
  2. はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした生地
  3. 洗浄剤
  4. 半導体の製造に使用する反射防止剤
  5. 塗料及びワニス
  6. はつ水剤及びはつ油剤
  7. 接着剤及びシーリング用の充塡料
  8. 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤
  9. トナー
  10. はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした衣服
  11. はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした床敷物
  12. 床用ワックス
  13. 業務用写真フィルム

背景を遡れば、POPs条約附属書改正が今回の動きのトリガーとなっています。現在、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)もPFOAと同様に附属書Aへの収載が検討されています。

さらなる詳説は「国内環境法規制モニタリング」サービス、または個別調査のご相談をご検討ください。

PFOA以外にも「2・2・2―トリクロロ―1―(2―クロロフェニル)―1―(4―クロロフェニル)エタノール又は2・2・2―トリクロロ-1・1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール」が第一種特定化学物質に指定されたが本コラムでは割愛。

2021年4月21日 更新

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