日本、「PFHxS関連物質」の化審法第一種特定化学物質への指定等を行う改正政令を公布
日本で、2025年12月17日に、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令が公表された。改正概要は、2025年12月12日に報道発表された閣議決定資料に記載されている。改正項目は以下のようだが、施行日は3)の例外的使用の削除のみが公布日と同じで、1)2)4)は公布後6月後となっている。
1)「PFHxS関連物質」が第一種特定化学物質に追加指定された。(施行日:2026年6月7日)
現状は、PFHxSもしくはその異性体とその塩が第一種特定化学物質に指定されているが、この改正により製造・使用された時点ではPFHxSではないが、何らかの化学反応によりスルホン酸基が生成し、結果的にPFHxSとなる化学物質を指定している。
2)新たに指定された第一種特定化学物質「PFHxS関連物質」が使用されている場合に輸入することができない10種類の製品が指定された。(施行日:2026年6月7日)
- はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした生地
- 金属の加工に使用するエッチング剤
- 半導体の製造に使用するエッチング剤
- メッキ用の表面処理剤及びその調整添加剤
- 半導体の製造に使用する反射防止剤
- 半導体用のレジスト
- はつ水剤、はつ油剤及び繊維保護剤
- 消火器、消火用消火剤及び泡消火薬剤
- はつ油性能又ははつ油性能を与えるための処理をした衣服
- はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした床敷物
3)例外的に第一種特定化学物質八:二フルオロテロマーアルコールの使用が認められている用途を削除した。(施行日:2025年12月7日)
以下の用途が、化審法第25条の要件「他の者による代替が困難であること」を満たさなくなったことにより、例外的に使用が認められている用途から除外された。
- 穿(せん)刺若しくは切開を伴う方法又は人の体内に植え込む方法で用いられる医療機器の製造に使用する合成樹脂の原料となる一―[(三・三・四・四・五・五・六・六・七・七・八・八・九・九・十・十・十―ヘプタデカフルオロデシル)オキシ]プロパン―二―イル=メタクリラートの製造
- 八:二フルオロテロマーアルコールは、医療機器の製造に使用する合成樹脂の原料の中間原料である一―[(三・三・四・四・五・五・六・六・七・七・八・八・九・九・十・十・十―ヘプタデカフルオロデシル)オキシ]プロパン―二―イル=メタクリラートの製造で使用されている。
4)新たに指定された第一種特定化学物質「PFHxS関連物質」が使用されている場合に取扱い等に係る技術上の基準に従わなければならない製品が指定された。(施行日:2026年6月7日)
- 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤
関連URL
- 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」を公布する官報(政令第416号、2025年12月17日)
https://www.kanpo.go.jp/20251217/20251217g00275/20251217g002750006f.html - 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定の報道発表(2025年12月12日)
https://www.env.go.jp/press/press_01937.html
関連製品
EnviXは日本の環境法・環境規制動向を日々調査し、企業の環境コンプライアンスや経営・市場戦略立案に役立つ情報を提供を提供しております。
日本の環境法・環境規制動向
EnviXは各国の環境規制テーマについて、その中長期動向の調査報告書を作成・提供しております。
海外環境規制トレンド・レポート
下表は日本の化学物質規制情報に関する報告書の一覧です。
| 規制分野 | 規制テーマ(報告書の名称) | 更新日 |
|---|---|---|
| 化学物質 |
日本 安衛法 労働安全衛生、化学物質の分類・表示、GHS、特化則等
|
2021年1月28日 |
化管法(PRTR法) 化学物質の排出・移動管理、情報伝達等
|
2021年1月28日 | |
日本 化審法 化学物質の審査・評価、製造・輸入規制等
|
2021年1月28日 |
EnivXでは日々の海外の環境規制動向の情報提供業務に裏付けられた、様々なノウハウやネットワークを活用し、お客様の様々な個別のご要望にお応えする調査のご相談も承っております。委託調査ページでは実績例等のご紹介もしておりますので、参考にされた上で、まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
個別調査・海外現地調査