日本 日本の環境法規制情報

日本、PFHxS関連物質に対する規制措置を検討する審議会を開催

日本で、2025年7月22日に化審法の第一種特定化学物質に指定されることが適当とされたペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)関連物質の取り扱いなどに関する3省(厚生労働省、経済産業省、環境省)の合同会議が開催された。本合同会議では以下の3件の議題が議論された。

  • 議題1 PFHxS関連物質の取り扱いについて
    製造・輸入の規制のあり方、当該製品が使用されている製品の取り扱い、当該製品が使用されている製品の輸入の禁止等が審議された。
  • 議題2 八:二フルオロテロマーアルコールを使用することができる用途(エッセンシャルユース)の今後の対応について
    化審法第25条の要件「他の物による代替が困難であること」を満たさなくなったことから、廃止することが適当であるという結論となった。
  • 議題3 Weight of Evidenceを用いた優先評価化学物質の分解性の評価について
    優先評価化学物質の通し番号 281および282の2物質について、良分解性であると判定され、スクリーニング評価・リスク評価を実施することとなった。

以下では、「議題1 PFHxS関連物質の取り扱いについて」の詳細を解説する。

PFHxS関連物質に関する審議事項の詳細

審議会においては、輸入禁止製品の検討、政令で指定する用途(エッセンシャルユース)、及び政令で定める取り扱い等に係る技術上の基準に従われなければならない製品の検討が審議された。

  • PFHxS関連物質の製造・輸入の規制のあり方等について
    PFHxS関連物質については、ストックホルム条約において特定の用途を除外する規定はなく、かつ、日本において製造・輸入等の実績がないことから、化審法においても適用除外の用途を設ける必要はなく、製造・輸入及びその使用を禁止する措置を導入することが適当となった(試験研究用途は除く)。
  • PFHxS関連物質が使用されている製品等の取り扱いについて
    PFHxS関連物質に該当すると考えられる化学物質が使用された泡消火剤が在庫等の形態で製品として国内に存在していることが確認されている。よって、以下に挙げる製品がPFHxS関連物質を使用している場合は取扱上の技術基準に適合し、環境汚染防止のための表示義務がかかる製品として政令で指定することが適当となった。

    • 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤(※製品についての表現の仕方については今後、変更があり得る)
      • 消火器(HSコード 8424)
      • 消火器用消火剤及び泡消火剤(HSコード 3813)
    • PFHxS関連物質が使用されている製品の輸入の禁止について

国内におけるPFHxS関連物質の使用状況や、当該化学物質が使用されている主な製品の輸入状況などを調査した結果、以下の製品をPFHxS関連物質が使用されている場合は輸入を禁止すべき製品(※)とした。
(※製品についての区分や表現の仕方等については、管理体制などの確認ができた場合等、必要に応じて変更があり得る)

  • 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤
  • 金属の加工に使用するエッチング剤
  • メッキ用の表面処理剤及びその調製添加剤
  • はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした生地
  • はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした衣服
  • はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした床敷物
  • はつ水剤・はつ油剤及び繊維保護剤
  • 半導体の製造に使用する反射防止剤
  • 半導体の製造に使用するエッチング剤
  • 半導体用のレジスト

PFHxS関連物質に関する今後の予定

今後、PFHxS関連物質を第一種特定化学物質に指定するとともに、必要な措置を講ずるため以下のような予定で政令の公布・施行を行う。

  • 2025年9月以降
    • TBT通報、化審法施行令の一部を改正する政令案に関するパブリックコメント
  •  2026年以降
    • 3省合同会合におけるPFHxS関連物質の指定に係る審議
    • 改正政令、PFHxS関連物質の指定に係る省令の公布
    • 改正政令、PFHxS関連物質の指定に係る省令の施行

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規制分野 規制テーマ(報告書の名称) 更新日
化学物質 日本 安衛法 労働安全衛生、化学物質の分類・表示、GHS、特化則等 2021年1月28日
化管法(PRTR法) 化学物質の排出・移動管理、情報伝達等 2021年1月28日
日本 化審法 化学物質の審査・評価、製造・輸入規制等 2021年1月28日

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