
日本・消費者庁、ミネラルウォーター中PFOSおよびPFOAの基準値を50 ng/Lに設定
2025年6月30日、日本の消費者庁は、有機フッ素化合物であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)を、ミネラルウォーター類における新たな成分規格とし、消費者の安全を確保する目的で、食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準(昭和34(1959)年厚生省告示第370号)」を改正する告示「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する告示(令和7(2025)年内閣府告示第105号)」を発令した。「ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行うもの」が対象で、規格値はPFOSとPFOAの合計値で0.00005 mg/L(50 ng/L)以下に設定されている(同日に公布された環境省令で設定されたPFOSおよびPFASの水道水に係る水質基準と同濃度)。本告示は告示日(2025年6月30日)から施行されるが、2026年3月まで猶予期間が設けられており、ミネラルウォーター類を扱う食品等事業者はその間での対応が求められる。
なお、本告示と同時に、以下の通知も発令されている。
- 「ミネラルウォーター類におけるPFAS(PFAS及びPFOA)の成分規格の設定に関する食品、添加物等の規格基準の一部改正について」:
法令改正の概要について記載 - 「ミネラルウォーター類におけるPFAS(PFAS及びPFOA)の成分規格の設定に関する食品、添加物等の規格基準の一部改正に伴う対応について」:
法令改正に伴い、関係者に求める応内容を具体的に記載
猶予期間
本告示への対応のための猶予期間としては2026年3月31日が設定されている。当該日までに製造または輸入された清涼飲料水を加工、使用、調理、保存または販売する場合には、今回新たに設定されたPFOSおよびPFOAの制限値は適用されない。
本告示で対象外となっているミネラルウォーター類への対応
本告示で対象外となっているミネラルウォーター類については、法的強制力は無いものの、50 ng/L以下となるよう努力義務が課せられている。対象外となっているミネラルウォーター類は以下の通り。
- ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないもの(容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上のものを除く。)
- ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないものであって、かつ、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上のものの原水
- 水道水以外の食品製造用水(告示のB 食品一般の製造、加工及び調理基準の5の第1欄及び第2欄に定める26項目の規格に適合する水をいう。)
関連URL
- 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する告示(令和7年内閣府告示第105号)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/standards_evaluation/food_pollution/pfas/assets/standards_cms105_250630_001.pdf - ミネラルウォーター類におけるPFASの規格基準について(本報道発表)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/standards_evaluation/food_pollution/pfas/
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規制分野 | 規制テーマ(報告書の名称) | 更新日 |
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化学物質 |
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2021年1月28日 |
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