中国 中国の主要規制テーマ

中国 黄河保護法(草案)

長江保護法」に続き、2021年12月20日、中国全国人民代表大会常務委員会は、「黄河保護法」草案の審議を開始しました。同草案では、黄河の水資源不足という問題を解決するため、工業用水や農業用水を含めて、水資源の節約や集約利用に関して、全面的、かつ、厳格な規定が定められています。なお法案段階では、長江保護法にあるような危険貨物の輸送禁止は規定されていません。

以下に、黄河保護法案の概要をまとめます。

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適用範囲

黄河の主流や支流、湖の集水地域に関わる青海省、四川省、甘粛省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区、山西省、陝西省、河南省、山東省の関係する県級行政地域。


黄河保護法案の適用対象地域(省レベル)

取水総量規制

同草案の第43条、第44条では、黄河流域の各地域における地表水や地下水の取水総量規制指標を国務院の関連部門により定めることが規定しています。その後、国務院が定めた指標に基づき、各地域の地方政府により、当地域の工業用水などの総量規制指標が定められます。

取水許可の厳格化

第45条では、黄河流域の水資源過負荷(原文:水資源超載)地域では、取水許可の新規取得を禁止することや、水資源負荷が限度値に達している地域では、取水許可の取得を厳しく制限することが規定されています。また、同条の規定によると、黄河流域では、水消費量が多いプロジェクトの建設が厳しく規制されます。さらに、同45条では、今後、国務院の関連部門により「高水消費量産業参入ネガティブリスト」や「淘汰類高水消費量産業目録」を制定する計画についても言及されており、同リストや目録に記載されている建設プロジェクトの取水申請は許可されなくなります。

強制力を有する用水原単位(基準用水量)による管理制度

草案の第46条では、黄河流域において、国による強制的な用水原単位管理制度を実施することが規定されています。今後、国務院の関連部門により、黄河流域の水消費量が多い工業業種を対象とした強制的な用水原単位が定められます。また、黄河流域の地方政府は、国が定めた用水原単位よりも厳格な用水原単位や、国が規定していない種類の用水原単位を制定することもできるようになります。

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水質汚染・水資源管理 法規和訳 中国 水汚染防止法(2008年改正) 2008年3月13日

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規制分野 規制テーマ(報告書の名称)
水質汚染・水資源管理 中国 黄河保護法(草案)
中国 水質汚染防止関連法令

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コラム・無料記事

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規制テーマ コラム・無料記事 更新日
水質汚染・水資源管理 中国 黄河保護法(草案)解説
法案段階では、長江保護法にあるような危険貨物の輸送禁止は規定されていません。
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