
米国 気候変動対応とクリーンエネルギー政策
EnviXは「米国 気候変動対応とクリーンエネルギー政策」について、規制動向の調査報告書を作成・提供しております。
基本情報・概要
以下のような法律に基づき米国のクリーンエネルギー政策が推進されてきた。
法律名 | 主な目的 |
---|---|
1975年エネルギー政策・省エネ法 EPCA:Energy Policy and Conservation Act |
エネルギー生産と供給の増加、エネルギー効率の向上 |
1992年エネルギー政策法 Energy Policy Act 1992 |
輸入エネルギーへの依存削減、再エネ使用、建物の省エネの促進等、その他に再エネ、代替燃料、電気自動車、電力自由化など |
2005年エネルギー政策法 Energy Policy Act 2005 |
再生可能エネルギーの促進やエネルギー効率の向上 |
2007年エネルギー政策改正法 Energy Policy Act Amendments |
再生可能エネルギーの使用の更なる促進。エネルギー効率の向上 |
2007年エネルギー独立・安全保障法 Energy Independence and Security Act of 2007 |
2011年に発足 |
バイデン政権のクリーンエネルギー、気候変動対応政策
そして、2021年1月から政権に就いたバイデン政権は、2035年までにクリーンエネルギーへの完全移行、2050年までに経済全体のネットゼロエミッションといった意欲的目標を掲げた。これらの目標を具現化する最も重要な法律、政策が、以下の3つである。
- インフラ投資雇用法(Infrastructure Investment and Jobs Act)、通称:超党派インフラ法(BIL:Bipartisan Infrastructure Law))、2021年11月15日成立。
バイデン政権によるクリーンエネルギー導入の推進を含めた経済政策の要となる法律である。同法は、電気自動車(EV)充電施設の整備、電力網の更新、気候変動などを起因とした自然災害による被害軽減などを盛り込んでいる。2025年以降5年間で総額1.2兆ドルを歳出する予定である。このうち気候変動対策・クリーンエネルギー関連予算は5,500億ドル。 - インフレ抑制法(IRA:Inflation Reduction Act)、2022年8月16日に成立
BILに引き続き、バイデン政権の気候変動対策・クリーンエネルギーへの移行推進を柱とした法律。2025年以降10年間で4370億ドルを歳出する。気候変動・クリーンエネルギー関連予算は3690億ドル。再エネ、産業施設の脱炭素化、CCS(二酸化炭素回収・貯留)、EV購入などへの税控除の付与、メタン排出削減対策など。 - 米国への投資アジェンダ(Investing in America)
バイデン政権が掲げた経済政策のバイデノミクスの一環として、建設業や製造業などを中心とした米産業の活性化への戦略的投資を掲げたイニシアティブ。インフラ整備を始め、半導体、クリーンエネルギー、電気自動車などの重要分野や革新的技術支援への投資が狙い。BIL、IRAのほか、2022年8月に成立したCHIPS &サイエンス法(CHIPS & Science Act)による投資が含まれる。
トランプ政権によるクリーンエネルギー、気候変動対応政策の急転換
しかし、2025年1月20日に就任したとトランプ大統領が発令した大統領令“Unleashing American Energy”では、バイデン政権によるクリーンエネルギーと気候変動関連政策をことごとく見直す(ひっくり返す)ことを各省庁に指示した。ここでは、大統領令に記載されているSection 2. 政策の方針を紹介し、各政策の意図することを追記する。
(a) 連邦政府所有の土地および水域におけるエネルギーの探査および生産の奨励
(b) レアアース等非燃料鉱物の生産者および加工のリーダーとしての米国の地位の確立
(c) 高信頼のエネルギー(化石燃料を指している)の豊富な供給の確保により、米国の経済および国家安全保障、軍事準備態勢の確保
(d) エネルギーに関するすべての規制要件が適用法に基づいていること
(e) 電気自動車(EV)の義務化を以下の方法により撤廃
- 自動車利用に関する規制障壁の排除
- 連邦排ガス基準の免除を受け、州がガソリン自動車販売を制限する厳しい規則を策定している。適切な場合こういった免除の廃止。
- 電気自動車を優遇する不当な補助金の廃止の検討
(f) さまざまな商品や機器から選択する米国民の自由の保護。EnviXのコメント: この方針は、連邦エネ・プログラムの規則の見直しを指していると思われる。
(g) 健全な規制上の決定を促進し、米国国民の利益を優先させるため、ルール、規則、活動の世界的な影響を、国内の費用便益とは別に報告
(h) パブリックコメントと、専門家による厳密な科学的分析の機会の提供
(i) 本Sectionで概説された原則に反する方法で連邦資金が使用されないようにする
2025年2月現在、BILおよびIRAによる補助金などが一次保留された。
より具体的内容が大統領令のSection 3以降に記載されている。特にSection 4では、過去に発令されたクリーンエネルギー推進、気候変動対策、環境施策の基礎となった12の大統領令が廃止された。
そして2025年1月21日に、パリ協定から再離脱する大統領令も発行された。
この大統領令Unleashing American Energy がどこまで具体的に履行されるか注目していなければならない。
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規制テーマ | セミナー・イベント名称 | 開催日 |
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2025年4月16日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2025年4月16日 | 電池 | ![]() |
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2025年1月7日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年12月22日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年11月10日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年10月9日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年9月24日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年9月24日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年9月17日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年9月17日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年9月17日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年9月17日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年9月9日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年9月2日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年8月19日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
2024年8月19日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年7月10日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年6月18日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年5月27日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2024年5月20日 | クリーンエネルギー推進 | ![]() |
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2022年4月15日 | |
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2021年9月13日 | |
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