米国 米国の主要規制テーマ

米国 国家環境政策法(NEPA)

EnviXは「国家環境政策法(NEPA)」について、規制動向の調査報告書を作成・提供しております。

基本情報・概要

法規・政策の名称(現地語名) 公布日・施行日等
国家環境政策法
National Environmental Policy Act(NEPA)
1970年制定。
連邦政府が関与する事業に対して環境影響評価の実施と情報公開、公衆参加を求める制度。

NEPAとは

NEPAは、連邦機関が政策や事業に関する意思決定を行う際に、環境影響を事前に把握し、その結果を公開し、意思決定の過程で考慮することを義務づける手続法である。環境基準や排出規制値を定める実体法ではなく、環境情報の収集・整理と透明性の確保、公衆参加を通じて行政判断に環境的観点を組み込むことを目的としている。

企業活動に及ぶ主な影響

米国で工場建設や設備更新、研究施設の整備などを進める企業にとって、NEPAは事業計画の初期段階から影響を及ぼす制度である。連邦補助金の活用、連邦許認可の取得、国有地の利用など、企業活動が連邦政府と接点を持つ場面では、NEPAに基づく連邦機関の判断が着工時期、許認可の可否、さらには投資判断に直結する。近年は審査の迅速化や手続の明確化をめぐる規則改正が相次いでおり、最新動向を把握していない場合、想定外の遅延や追加対応を求められるリスクが高まっている。

NEPAが適用される場面

NEPAは、連邦政府が主体となる事業だけでなく、民間プロジェクトであっても連邦補助金、許認可、国有地利用などを通じて連邦政府が関与する場合にも適用される。企業が米国で工場建設や設備更新を行う際には、これらの接点が生じる場面が多く、NEPA手続が必要となる可能性がある。

 NEPAが連邦機関に求める基本要素

NEPAが連邦機関に義務づける基本的な要素は、次の3点である。

  1. 環境影響の把握
    大気、水質、生態系、地域社会などへの影響を事前に調査すること。
  2. 情報の公開
    調査結果を文書として公表し、意思決定の根拠を明確にすること。
  3. 公衆参加の確保
    市民や利害関係者が意見を述べる機会を制度的に保障すること。

NEPAでは、これらの要素を満たすために、連邦機関が事業内容に応じて環境アセスメント(EA)や環境影響評価書(EIS)といった文書を作成し、環境影響の有無や対応方針を整理する仕組みが採用されている。企業が関与するプロジェクトについても、連邦政府との接点が生じる場合には、これらの手続がプロジェクトの進行に影響を及ぼすことがある。

企業活動に及ぶ主な影響

NEPAは連邦機関の手続法であるが、企業活動にも次のような直接的な影響を及ぼす。

  • NEPA手続の遅延によるプロジェクト全体の遅延
  • NEPA手続の不備に対する利害関係者からの訴訟・異議申立て
  • 省庁ごとの手続の違いによるスケジュール・要件の予測困難性
  • 他の環境法令に基づく許認可審査との並行実施

特に工場建設や設備更新においては、NEPAに基づく連邦機関の判断が許認可取得の可否や工期、投資判断のタイミングに直接影響するため、制度の基本構造と最近の動向を把握しておくことが重要である。

規制動向

最近の制度変化(概要)

近年、NEPA制度は法改正や規則撤廃により大きく構造が変化している。

  • BUILDER法(2023年)
    審査期間や文書量の上限設定、分類的除外(CE)の拡大、申請者による文書作成の容認などが導入され、審査の迅速化と分権的運用が進行している。
  • CEQ規則の全面撤廃(2025〜2026年)
    1978年以来NEPA実施の全国的な基準となっていたCEQ規則が暫定最終規則を経て最終規則により正式に撤廃され、NEPAの実施は各省庁が独自に定める手続に委ねられる体制が確立された。

この結果、NEPAは全国一律の運用から、省庁ごとに異なる分散型の運用へと移行している。

弊社提供情報(一部抜粋)

下記の情報は弊社基幹サービス「海外環境法規制モニタリング」で展開しております。

2026年
  • 米国CEQ、NEPA実施規則を撤廃する暫定最終規則を踏襲した最終規則を公布
2025年
  • 米国NEPA 12月の動向:審査短縮法案の下院可決と最高裁判決の余波で制度は不透明に
  • 米研究機関、NEPAの再エネ事業遅延への影響は限定的と分析、許認可改革に波紋
  • 米超党派の全国知事会、連邦許認可制度改革案を議会提案し電力インフラ整備加速を要請
  • 米CEQ、法改正・判例を踏まえたNEPA実施に関する助言的ガイダンスを発行
  • 米国国家環境政策法(NEPA)の実施規則改正が事業者の実務判断に与える影響の考察
  • 米国D.C.巡回控訴裁判所、連邦機関によるNEPA評価範囲の限定を認容
  • 米州司法長官連合、NEPA規則の撤回に反対する意見書を複数の連邦機関に提出
  • 米大統領令、AI関連インフラ事業の加速に向けたNEPA手続の簡略化
  • 米DOEを含む連邦機関がNEPA実施手続きを見直す暫定最終規則を一斉に公布
  • 米国環境品質評議会、許認可技術行動計画を発表―環境審査プロセスの迅速化へ

(最終更新:2026年2月2日)

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セミナー・イベント情報

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規制テーマ セミナー・イベント名称 開催日
全般 世界環境法規制ウェビナー2024(終了)
2024年10月16日(水)より全4日間12講演をライブ&オンデマンド配信 欧州、米州、中国、東南アジアにおける環境規制の最新動向を総まとめする年に1度のシリーズ・ウェビナーです。
2024年10月17日
無料ウェビナー 世界の最重要環境規制トレンド解説(終了)
2024年6月20日に発売した世界環境規制トレンド・レポート第32号の中から最も重要な10テーマをピックアップして解説する無料ウェビナーを開催します。
2024年7月24日
無料ウェビナー ESG & コロナ時代の海外環境コンプライアンスを考える(終了) 2020年12月17日
環境政策全般 セミナー&討論会『どうなる米国の環境規制(気候変動、エネルギー、その他)』 ~日本のメディアでは伝えられない真実に迫る~
180度方向転換した環境施策(気候変動、エネルギー、その他(連邦省エネ・プログラム、固定排出源からの大気への排出など)の環境政策)について説明し、米国在住のコンサルタントと弊社研究員がトランプ政権下の環境政策と企業の対応について討論を行います。
2025年6月4日

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規制分野 製品区分 製品・サービス名 発売・更新日
全般 法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 工場編
米国の工場系環境法規をまとめた、事業者必携のガイドです。
2025年9月25日
法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 製品編
膨大な情報量を有する米国の環境法規制情報、その中から日本の事業者に関連が大きい事項を抽出し、要点をまとめ、体系的に編纂しました。
2024年9月3日
法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 概観
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2022年4月15日
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バイデン氏は環境重視型の政策を掲げ、再生可能エネルギーを推進しながら気候変動問題に積極的に取り組むことを明言しています。
2021年1月5日