
現在、世界の自動車産業は大きな転換期を迎えており、EV政策の混迷と市場の迷走が顕著になっています。こうした現状と課題を正確に把握していただくため、エンヴィックスでは本ウェビナーを開催いたします。
国際エネルギー機関(IEA)による2025年〜2030年におけるEV市場予測が2025年5月に公表されました。その他民間の調査機関による最近の市場予測などに基づけば、この先の5年間で約1.7〜1.8倍で販売台数は順調に伸びてゆくものと見られています。しかし、その間、依然、中国が世界市場全体の約60%のシェアを占有するなど他国を圧倒した状態が続くとみられています。また、他の国々の販売台数も伸びてゆく傾向にはありますが、国ごとに伸び率も大きく異なり、EVを構成するEVのタイプも国によって大きく異なる傾向にあります。さらに、米国ではトランプ政権の排ガス規制廃止やEV優遇政策の廃止などにより販売予測は困難な状況下にあります。
また、2021年に発表されたEUの「Fit for 55 パッケージ」の政策方針の下、EUは新たに設定された厳しいCO2排出性能基準や2035年からのガソリン車の新車販売禁止措置は、今後のEV市場の拡大を牽引するものと見られていましたが、その予想はくしくも外れたものでした。2023年秋からEV販売の低迷が始まったと同時に欧州自動車産業の弱点が論じられ、自動車産業強化が叫ばれるとともに、100%EV化にも疑問の論調が見え始めました。いま、EUは自動車産業のみならず産業力強化に向かっており、そうしたマクロ的な観点からもEV政策が見直されようとしています。
一方、東南アジアでは、EV普及の水準は他の地域と比べるとまだまだ低いが、近年EVの販売台数が急速に増加しています。更にEV製造拠点として、CKD(Complete Knocked Down)方式による完成車工場やEVバッテリー工場の現地化が進んでいます。
東南アジア独自の動きとして、インドネシアでは国策として自国で産出されるニッケルを原料としたEVバッテリー工場の建設を進めています。ベトナムでは、ベトナム最大のVinグループの自動車メーカーが創業者の支援を受けながら海外進出を果たしています。
本ウェビナーでは、2つの講演を通じて、2025年以降のEV市場と政策の展望を多角的にご紹介します。
講演内容
講演(1)世界におけるEV市場予測と変化するEV政策、及びEUにおけるEV政策論争と展望
- 前編:世界におけるEV市場予測と変化するEV政策
- 2025年~2030年におけるEV世界市場の予測と分析
- 主な国や地域におけるEV政策と市場動向の特徴
- 今後の世界EV市場に影響を及ぼす諸要素と今後のEVメーカー戦略の方向性
- 後編:EUにおけるEV政策論争と展望
- 欧州気候法とFit for 55パッケージ:CO2排出性能基準、及び2035 年ICE車新車販売禁止
- 代替燃料インフラの展開に関する規則AFIR) とその2次法案の現状
- EV需要の失速と最近の販売回復状況
- EUにおける低迷するEV需要に対する提言や政策転換要求
- 新たな対策:
- (1)重要原材料法の公布とその戦略的プロジェクトの採択
- (2)対中国車関税対策としての相殺関税実施規則の施行とその後の折衝状況
- (3)戦略的対話に基づく 「欧州自動車部門の産業行動計画」の発表
- 政策転換に向けたプロセスと今後注目すべきEU政策
講師:中里純啓
エンヴィックス代表、主任研究員。EVに関しては12年以上情報収集及び分析に係わる。
講演(2)東南アジアの最新のEV政策と市場動向
- 東南アジアのEV普及政策とEV普及状況
- 東南アジアの完成車工場の現地化
- インドネシアのニッケル活用のためのEVバッテリー工場建設
- ベトナムVinFastの発展―インドネシア、インドへの進出
- 東南アジアでのEVバッテリー工場の現地化
講師:遠藤正幸
エンヴィックスパートナー。大手電機メーカーでリチウムイオン電池などの設計やコンプライアンスに当たってきた。
開催概要
名称 | 世界のEVを取り巻く最新動向ウェビナー |
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開催日時 | 2025年10月23日(木)14:00 – 17:30
解説本編は最長17時まで配信、以後20分間質疑応答 |
提供内容 | お申し込み1名につき、下記の内容を提供いたします。
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受講費(一名) |
27,000円(税別) |
お申込み・お問い合わせ | お申し込みは本ページ下部の専用フォームより承ります。 お問い合わせはこちら(担当:中里、真壁、劉)。 |