EU 食品接触材へのビスフェノールA使用禁止規則草案
意見提出期限は2024年3月8日

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欧州委員会は2024年2月9日、食品接触材料（FCM）におけるビスフェノールA（BPA）について使用と上市を禁止する規則草案を公表し、意見公募を開始した。

意見提出期限は2024年3月8日である。

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規則草案における制限の内容

• 食品に接触する当該材料の製造段階でのBPAの使用を禁止
• BPAを使用して製造された当該材料の一部または全部から構成される最終食品接触製品の上市を禁止
• 当該材料：
  • ワニス
  • コーティング
  • 印刷インキ
  • 接着剤
  • イオン交換樹脂
  • ゴム

なお、CLP規則「附属書VI 特定の有害物質に対する調和分類および表示（CLH）」のPart 3 Table 3で掲載されているビスフェノール類／ビスフェノール誘導体については、食品に接触する当該材料の製造に使用することが禁止される。

CLP規則 附属書VI 特定の有害物質に対するCLH
Part 3 Table 3：

• 発がん性、生殖細胞変異原性、または生殖毒性：
  カテゴリー1Aまたはカテゴリー1B
• 内分泌撹乱性：
  カテゴリー1

規則草案の経緯

本規則草案の起草の契機は、欧州食品安全機関（EFSA）が2023年４月19日に公表した「食品中のビスフェノールA（BPA）の存在に関する公衆衛生リスクの再評価」という表題の科学的意見書である。

EFSAは、本意見書でBPAの耐容一日摂取量（TDI：Tolerable Daily Intake）を「0.2 ng/kg」に設定している。

欧州委員会は、当該TDIについて、本規則草案の前文で、BPAの「個別の移行限度（SML）」である「0.05 mg/kg」の数倍以下の食品接触材料および製品から移行する極微量のBPAであっても、当該TDIを超える曝露に至る可能性があり、かつ「適合性を検証する」または「公的な管理を支援する」ための「0.2 ng/kg」を確実かつ一貫して定量できる有効な分析方法が存在しないことから、消費者の食事によるBPAの曝露を可能な限り最小限するため、BPAが使用される可能性のある食品と接触する材料および製品の製造におけるBPAの使用を禁止するに至ったとしている。

規則草案の構成

本規則草案の条文の構成を下表に示す。本規則草案は、前文、12の条文、および3点の附属書で構成されている。

• 前文
  • 22の文章で構成（詳細は割愛）
• 条文
  • 第1条 主題及び範囲
  • 第2条 定義
  • 第3条 BPAの使用禁止
  • 第4条 その他のビスフェノール類及びビスフェノール誘導体の使用に関する特定の要件
  • 第5条 モニタリング及び結果報告
  • 第6条 適合性の検証方法
  • 第7条 適合宣言書及び証拠書類
  • 第8条 規則(EC) No 1895/2005の修正
  • 第9条 規則(EU) No 10/2011の修正
  • 第10条 移行規定
  • 第11条 廃止
  • 第12条 発効
• 附属書
  • 3点（詳細は割愛）

第9条では、「規則(EU) No 10/2011」の「附属書I 物質」の「1. 公認のモノマー、それ以外の出発物質、微生物発酵から得られる高分子、添加剤およびポリマー製造助剤の欧州連合リスト」の「Table 1」からBPAを削除することが規定されている。また、「ビスフェノールAジナトリウム塩」が、「FCM物質番号：1091」で「Table 1」に新たに掲載される。

第11条では、「規則(EU) 2018/213」が廃止されることが規定されている。

規則草案和訳資料

2024年3月8日までに意見提出を予定されている方は、和訳資料をお求めください。上記で紹介した規則草案の前文、条文、附属書の全訳（対訳）に加えて、本件に関連する次の資料を付属します。

• 「欧州委員会規則(EU) No 10/2011」の「第3条 定義」に規定されている19種類の用語の定義
• 「規則(EC) No 1935/2004」の「第5条 材料及び製品のグループに関する特定の措置」の抄訳
• 「欧州委員会規則(EU) No 10/2011」の「第5条 認可物質の欧州連合リスト」の全訳

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