
日本、GX実現に向けた投資促進策を具体化する「分野別投資戦略」の改定版を公表
日本で、2024年12月27日に、GX実行会議の下で2023年12月に取りまとめた「分野別投資戦略」が改定された。この投資戦略は、GX基本方針の参考資料として22分野における、規制・制度的措置の見通しを示した「道行き」を「GX実現に向けた専門家ワーキンググループ」で議論を行い「分野別投資戦略」としてブラッシュアップしたものである。
投資戦略の主な内容は、分野別投資戦略の対象、「投資促進策」の基本原則、具体化に向けた方針、先行投資支援と、規制・制度との関係性、分野別投資戦略の概要、国内投資促進のための新たな税制措置、「投資促進策」の執行原則などである。
先行投資支援と、規制・制度(カーボンプライシング含む)の関係性
国による先行投資支援と、カーボンプライシング(CP)を含む規制・制度は、GXを進める両輪である。成長志向型CPは①先行投資支援の裏付けとなる将来財源であり、②GX関連製品・事業の競争力を高める。CPについては、当初低い負担から、徐々に引き上げていく方針をあらかじめ明示する。
- 財源(GXリーグでの排出量取引、化石燃料賦課金の導入、有償オークションの導入)
- 炭素排出への値付けによる、事業者にとっての予見性の向上、GX関連製品・事業の相対的な競争力の向上
分野別投資戦略の概要
「製造業関連」、「運輸関連」、「くらし、資源循環、半導体」、「エネルギー関連」の4分野別におけるCO2排出量の内訳、GXの方向性、投資促進策が示されている。製造業関連の化学で例を示すと、製造業は国内CO2排出量の36%をしめ、化学は製造業の16%をしめる。GXの方向性としては、コンビナート毎に最適な燃料転換(アンモニア等)やバイオ利用、ケミカルリサイクル等の原料転換を通じて、高機能かつ低炭素化学品の供給拡大が挙げられている。投資促進策としては構造転換を伴う設備投資の補助がある。
関連URL
- 「分野別投資戦略」の改定に関する経済産業省のニュースリリース
https://www.meti.go.jp/press/2024/12/20241227006/20241227006.html - 分野別投資戦略(2)
https://www.meti.go.jp/press/2024/12/20241227006/20241227006-1.pdf
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