
日本、PFOS及びPFOA の合算で50ng/Lという基準値が専門家会議で提案
日本で、2024年12月24日にPFOS・PFOAに係る水道水質の暫定目標値や、公共用水域及び地下水における指針値(暫定)などの取扱いに関する専門家会議が開催された。
水道水質におけるPFOS及びPFOAについては以下の方針案が示された。
- 現行の水質管理目標設定項目を水質基準項目に見直す。
- 基準値を現在の暫定目標値の考え方と同様に、安全側を見てPFOS及びPFOAの合算値の50ng/Lとする。
- 検査回数は、水質基準項目の有機化合物と同様に、3ヶ月に1回を基本とする。
- 検査方法は、水質基準項目に分類を見直すとした場合、PFOS及びPFOAの検査方法を告示に追加する。
- 施行時期は2026年4月1日とする。
公共用水域及び地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値(暫定)に関する今後の対応としては、「水質環境基準値等の設定の基本的な考え方」への適用の在り方については以下の状況から引き続き検討することとした。
- 環境中への流出や拡散に係る知見の収集や、PFAS対策技術の実証事業(2024年度補正予算)を通じて効果的・効率的な対策技術に係る知見の収集を進めて行く必要がある。
- 上記1.の成果を地方自治体等に提供しつつ、汚染の態様に応じた対策の効果や実行可能性や、健康リスクの低減に効果的な対策のあり方に関する検討を進める必要がある。
- 水質汚染による食品への影響(水・土壌から農水産物への移行特性、食品中のPFOS等の含有実態等)に関する知見についても把握していく必要がある。
PFOS、PFOA以外のPFASについて
ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)については、2021年度より要検討項目(目標値の設定なし)に位置づけられており、一部の水道事業者等においてはPFHxSの検査を行っている。しかしながらPFHxSのリスク管理方策に関する知見が不十分であり、内閣府食品安全委員会の評価書においても現時点での指標値の進出は困難であると判断されている。
PFAS類については、液体クロマトグラフ質量分析計により複数のPFAS類を同時に測定することが可能であると考えられる。WHOにおいては、2022年9月にWHO飲料水水質ガイドライン作成のための背景文書「飲料水中のPFOS及びPFOA」のパブリックレビュー版が公表され、この中で現在の利用可能な方法で測定できるとされている約30種類のPFAS関連物質を対象候補とし、その中でも一定の検出が見られた物質をPFAS類として要検討項目に位置づけることが提案されている。
関連URL
- 水道水におけるPFOS及びPFOAの取扱いの改正方針等について(案)
https://www.env.go.jp/content/000276966.pdf - 公共用水域及び地下水におけるPFOS及びPFOA(暫定)の取扱いについて
https://www.env.go.jp/content/000276973.pdf
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