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日本、「令和6年度化学物質管理に係る専門家検討会」の中間取りまとめを公表――有害性情報の通知や成分名の通知などの規制を検討

日本で、2024年8月30日、2024年度化学物質管理に係る専門家検討会の中間とりまとめが公表された。今回の中間取りまとめでは、労働安全衛生法にもとづく化学物質の危険有害性情報の通知制度の運用改善及び成分名の通知方法等についての検討結果が報告されている。

現行の危険有害性情報の通知制度の運用改善について提案された主な事項は次の通り。

  • リスクアセスメント対象物質、皮膚等障害化学物質等、がん原生物質及び濃度基準値設定物質については、含有される成分ごとに、法令による規制が適用される旨を通知することを義務付けるべき。
  • 労働基準法施行規則第35条及び別表1の2で定める業務上の疾病の対象物質については、適用される法令ではなく、人体に及ぼす作用(危険有害性情報)として通知することが望ましい。
  • 含有される皮膚等障害化学物質及び特別規則に基づく不浸透性の保護具等の使用義務物質については、適当でない保護手袋の材料(ネガティブリスト)の通知を義務づけるべき。
  • 最終的に消費される段階の製品については、推奨する保護手袋の材料(ポジティブリスト)の通知が望ましい。

また、危険有害性情報の通知制度における営業秘密の保持については、非開示の対象について以下のように提案されている。

  • 成分名は、重篤な健康障害を生ずる有害性クラスに該当する場合や、特定の有害性クラスであって区分1に該当する場合等を除き、営業秘密に該当する場合は非開示の対象とすべき。
  • 含有量は、非開示の対象とはせず、上記の成分名の非開示対象の物質の含有量は、(安衛則第34条の2の6に規定された)10%きざみの表示を原則とすべき。
  • 営業秘密による非開示とする場合、「営業秘密」であることを通知することを義務付けるべき。

日本では、労働安全衛生法のもと制定された「特定化学物質障害予防規則」(特化則)や「有機溶剤中毒予防規則」(有機則)等にもとづき、職場での化学物質に対する安全管理が進められてきた。しかし、化学物質によって起こる労働災害(年間約450件)のうち、これらの個別規制の対象となっていない物質を原因とする事例が約8割を占めている。そのため、事業者自身が、化学物質の危険有害性情報に基づくリスクアセスメントの実施を行うという制度の導入が進んでいる。

EnviXコメント

今回の検討会において、含有される成分ごとに、法令による規制の適用有無の通知や、保護手袋のネガティブリスト、ポジティブリストの通知が提案されているが、いずれの情報も通知する側には大きな負担となるので、今後の議論の動向を注意する必要がある。

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