インド インドの主要規制テーマ

インド E-waste規則

EnviXは「インド E-waste規則」について、規制動向の調査報告書を作成・提供しております。

基本情報・概要

法規・政策の名称(現地語名) 公布日・施行日等
2016年廃電気電子機器(管理)規則
E-Waste (Management) Rules, 2016
2016年3月23日公布
2016年10月1日施行
2016年廃電気電子機器(管理)規則の実施ガイドライン
Implementation Guidelines for E-Waste (Management) Rules, 2016
2016年10月発行
2018年廃電気電子機器(管理)改正規則
E-Waste (Management) Amendment Rules, 2018
2018年3月22日公布・施行

インドでは2011年に、廃電気電子機器(E-waste)の管理として、拡大生産者責任(EPR)の概念に基づく「2011年廃電気電子機器規則(管理、取り扱い)規則」を公布したが、E-wasteの収集が思うように進まず、数年にわたる運用の結果、課題も浮き上がってきた。

これらを踏まえ、インド環境森林気候変動省は2016年3月23日、E-wasteの効果的な収集システムを確立し、リサイクルに焦点を当てた「2016年廃電気電子機器(管理)規則」を公布した。本規則では、EPR規定として認可の取得やE-waste収集目標の達成、RoHS規定の遵守などが定められている(罰則も規定)。2018年3月には、E-waste収集目標値と新規生産者等への新たな規定を追加する「2018年廃電気電子機器(管理)改正規則」が公布・施行された。

対象製品

  • IT・通信機器:個人用コンピュータ(ラップトップ、ノートブック)、プリンター、コピー機、タイプライター、ファックス、テレックス、電話機、携帯電話など
  • 消費者向け電気電子機器:テレビセット(液晶・LED含む)、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、蛍光灯・その他の水銀含有ランプ

対象事業者

2011年規則では、生産者(Producer)、消費者、大口消費者、収集センター、解体事業者、リサイクル事業者に対して適用するとあったが、2016年規則では、これらに加えて、製造者(Manufacturer)、販売者、修理事業者、生産者責任組織(PRO)、ネット販売者が新たに対象事業者として追加された。

生産者の義務

  • EPR認可の取得(EPR計画書の提出含む)
  • E-wasteの収集メカニズムの確立・収集目標の達成

新規則案

インド環境森林気候変動省は2022年5月20日、現行の2016年廃電気電子機器(管理)規則を廃止して、置き換わる新しい規則案を発表し、60日間の意見募集(2022年7月19日迄)を実施している。

以下に注目点を挙げる。

対象製品の大幅な拡大

IT・通信機器や消費者向け電気電子機器に加え、「大型・小型電気電子機器(29品目)」、「電気・電子工具(8品目)」、「玩具・レジャー・スポーツ用品(6品目)」および「医療機器(10品目)」の追加が提案されている。

新規追加例:

  • IT・通信機器
  • 消費者向け電気電子機器
    スクリーン、モニター、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、オーディオアンプ、ソーラーパネルなど
  • 大型・小型電気電子機器
    大型冷却装置、冷凍庫、衣類乾燥機、食器洗い乾燥機、電気調理器、電気レンジ、電気暖房機器、扇風機、掃除機、アイロン、煙探知機、サーモスタットなど
  • 電気・電子工具(大型据置型産業用工具は除く)
    ドリル、のこぎり、ミシン、草刈りまたはその他の園芸用の道具、溶接やはんだ付け、またはこれらに類似する用途のための器具など
  • 玩具・レジャー・スポーツ用品
    携帯型ゲーム機、ビデオゲーム、電気・電子部品を使用したスポーツ用品、自転車用、ダイビング用、ランニング用、ボート用などのコンピュータ
  • 医療機器(インプラント・感染症対策製品は除く)
    放射線治療装置、循環器関連機器、人工透析装置、人工呼吸器、体外診断用検査装置、分析装置、MRI・超音波診断装置など

EPR証明書の取引による目標未達分の補填

生産者は、当該年度のEPRリサイクル目標に過年度の目標の未達分を加え、当該年度の責任の10%を上限として、EPR証明書を購入することができる。

環境補償金制度の導入

本規則の規定に違反した場合、環境補償金の支払いを命じられる。環境補償金の支払いは、本規則に定める生産者のEPR義務を免除するものではない。環境補償金に関するガイドラインは別途、CPCBが定める。

リサイクル目標(収集目標)率の増加

生産者は2024年度以降、当該年度のE-waste発生量の80%を達成しなければならない(2016年規則では、2023年度以降70%の目標が設定されている)。

生産者責任組織(PRO)の廃止

新規則案では、PROの規定が削除されており、生産者のEPR義務を果たす上でのサポートを行っていたPROの今後の位置づけが注目される。

 

規制当局による取締り・措置

  • 2022年3月28日
    環境森林気候変動省Shri Ashwini Kumar Choubey大臣が、連邦議会下院(Lok Sabha)で、過去3年間における廃電気電子機器の不法輸入・不法投棄に関する統計データを発表。2022年度を含む過去3年間に全国で計29件の廃電気電子機器の不法輸入が確認されている。
  • 2020年11月
    中央公害管理委員会(CPCB)は、生産者292社に対して、彼らの収集センターが本規則を遵守していない等を理由に、是正措置を講じる通達を発行。
  • 2020年9月
    中央公害管理委員会(CPCB)は、生産者186社に対して、2018年度の収集目標を達成していない旨を伝える通達を発行
  • 2019年3月
    中央公害管理委員会(CPCB)は、企業10社(Apple、HP、Samsungなどに加えて日系企業も含まれる)について2019年4月4日よりEPR認可を停止する旨の文書を公開。公開された資料ではその停止理由等は記されていなかったが、エンヴィックスが独自にヒアリングした結果によると、RoHS規定についての違反が停止理由のひとつであるという。
  • 2018年11月27日
    中央公害管理委員会(CPCB)は、2016年規則において、生産者が取得しなければならない拡大生産者責任に関する認可(EPR認可)の付与に関して、138社の申請を拒否したことを発表。
  • 2017年12月18日
    中央公害管理委員会(CPCB)は、2016年規則に基づき認可を取得した解体事業者およびリサイクル事業者(計150社)に対して、最大許容能力や2017年5月1日~2017年9月30日までのE-waste収集量、解体量またはリサイクル量、および導流(channelization)、解体またはリサイクルのための合意を結んでいる生産者の情報を提出するよう要求する通知を発行
  • 2017年12月18日
    中央公害管理委員会(CPCB)は2017年12月18日より、2016年規則に基づき、Videotex International Pvt. Ltd.(所在地:347-C, Udyog Kendra-II, Greater Noida Distt. Gautam Budh Nagar, Uttar Pradesh)のEPR認可を停止する決定を下したことを発表。
  • 2017年11月23日
    中央公害管理委員会(CPCB)は、EPR認可の未取得生産者へ宛てた通知を公表。
  • 2017年11月2日~6日
    中央公害管理委員会(CPCB)は、EPR認可の未取得生産者157社に対して、取得命令の通知を発行。
  • 2017年8月25日~30日
    中央公害管理委員会(CPCB)は、EPR認可の未取得生産者225社に対して、取得命令の通知を発行。
  • 2017年8月1日
    中央公害管理委員会(CPCB)は、EPR認可の取得義務を有する生産者に対して、取得の徹底を呼び掛ける通知を発表。

*

無料情報は以上となります(2022年5月25日最終更新)。

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廃電気電子機器 インド E-waste規則

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