東南アジアの廃棄物規制(廃電気電子機器も含む)
規制テーマ | 東南アジアの廃棄物規制(廃電気電子機器も含む) |
大分類(ジャンル) | 廃棄物 |
法律/政策の正式名称 | (1) インドネシア 家庭廃棄物及び家庭廃棄物に類似した廃棄物の管理に関する政府規則2012年第81号 (2) タイ 1992年工場法に基づく工業省令第22号(2013年) |
公布/施行日等 | (1) インドネシア 家庭廃棄物及び家庭廃棄物に類似した廃棄物の管理に関する政府規則2012年第81号 (2) タイ 1992年工場法に基づく工業省令第22号(2013年) |
バックグランド情報
東南アジアの各国では現在、人口増加、都市化、経済発展などといった要因のために、国内で排出される廃棄物量は年々増加している。さらに、海外からの廃棄物の輸入がこの問題に拍車を掛けている。
東南アジアの主要国であるタイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールの主な廃棄物関連規制は次の通りである。
一方で廃電気電子機器に関する法令は少なく、特に、製造者にそれらの回収義務を規定するものはない。
東南アジア地域で最近公布された主な廃棄物関連規制は、次の通りである。
2012年10月 インドネシア 家庭廃棄物及び家庭廃棄物に類似した廃棄物の管理に関する政府規則2012年第81号
2013年2月 タイ 1992年工場法に基づく工業省令第22号(2013年)
廃電気電子機器に関連した目立った動きには以下のものがある。
ベトナム 「廃棄製品の回収及び処理に関する決定(案)」
マレーシア・ペナン島 廃電気電子機器管理の試験プロジェクト
シンガポール 廃電気電子機器のリサイクルに関する共通ガイドライン
今後の展開と展望
有害廃棄物に関する問題は東南アジアでは十分に管理されていないのが現状である。
例えばベトナムでは、2012年に行われた有害廃棄物の不十分な処理を理由として、ベトナム環境総局(VEA)が国内の157の企業に対して総額327億ドン(約1億3000万円)の罰金を科したことが、2013年1月8日に発表された。VEAによると、2012年に国内の429の工業地区を調査したところ、157の企業が有害廃棄物を違法に処分していたことが判明した。今後、違反事業者には罰金の支払いだけでなく、汚染地点の浄化も要求される予定である。さらに、事業運営ライセンスの停止もあり得るという。
一方タイでは、2013年4月30日に地元紙が伝えたところによると、メーカーから出た3000万トンの廃棄物がどこかへ不法に輸送された事態の発覚を受け、タイの公害管理局(PCD)は、有害産業廃棄物の動きを厳しく規制する方策を内閣に提案する予定であるという。PCDの Wichien Jungrungruang局長は、現在同局では毒性廃棄物の不法投棄を阻止すべく、有害産業廃棄物の管理および越境移動を厳しく規制する案を起草中であると述べている。特にチャチェンサオ、チョンブリー、ラヨーン、サムットプラカーン、プラチンブリーの5つの県が厳しい有害産業廃棄物の管理区域に指定されると見込まれ、それらの県では地方行政機関による廃棄物の管理および処理に対する厳しい監視が求められることとなる。今後PCDは、3000万トンの有害産業廃棄物が合法的な廃棄プロセスから失われた事態の詳細を調査するべく、特別調査局を立ち上げるという。
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廃棄物 | 法規和訳 |
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