海外環境規制トレンド・レポート 34号(2025年6月)
半年を俯瞰することで見えてくる環境規制のトレンドを規制テーマごとに報告します。半年を俯瞰することで見えてくる環境規制トレンド
海外環境規制トレンド・レポート
海外環境規制トレンド・レポートの購入をご検討の方向けに、過去のバックナンバーから、ご希望に近いものを一部抜粋してご提供しています。お申し込みは、ご希望の旨を添えてお問い合わせフォームよりお願いいたします。
海外環境規制トレンド・レポート34号を2025年6月23日より発売します。
トレンド・レポートとは、世界主要地域の主要な環境規制について、過去6ヶ月間(一部12ヶ月間)の動向を簡潔にまとめた報告書です。弊社スタッフが日々ウォッチしている膨大な量の環境規制情報の要点を抽出し、お客様からのご質問や調査依頼の内容をふまえ、さらに独自の専門的な見解も加えて作成しているため、皆様の規制動向の的確な把握にご活用いただけます。
お客様の声・活用事例
現時点で当社とお取引中の企業様のうち、掲載許諾をいただきましたアンケート回答をお客様の声(活用事例)としてご紹介します(順不同・一部掲載)。全文につきましては「お客様の声・活用事例」よりご覧ください。
電子部品メーカー様(組織名非公開)
年2回発行されているレポートであるが、世界各国の主要な法規制について、基本情報(正式名・公布日・施行目的・規制内容・原本のリンク等)から、直近の改正等の動きまで、平易な文章でわかりやすく説明されております。社内教育の基礎情報として毎回大いに活用させていただいております。
法規制の表面的な内容だけだと「いったい我が社はどういう準備をすればよいのか?」「何が重要なのか?」がわかりにくい規制もありますが、主要な規制については、「EnviX展望と見解」という項目で、内容をかみ砕いた見解が述べられており、規制の解釈に役立っております。
- テーマごとに、規制の中心となる法規の概要が簡潔に整理されており、理解しやすい。あまり環境規制に詳しくない人への説明や教育に活用できる。
- 海外環境法規制モニタリングサービスで配信される多くの情報を整理・分類・分析するのは大変だが、トレンドレポートでは整理・分類・分析されており、半年間の動向の把握が容易になる。
- 図や表を使って分かり易くまとめられているので、自分の報告書やプレゼンの素材として活用できる。
本サービスの詳細は下記リンクよりご覧ください。
海外環境規制トレンド・レポート
トレンド・レポートでは多くの見逃してはならない重要な規制テーマの動向をまとめております。以下にそのいくつか一部の要旨を以下にご紹介します。
また、サンプルとして、2024年後期号(33号)のEU・英国編から「エコデザイン指令(ErP指令)& エネルギーラベル規則 ――ErP指令発効するも、移行規定下で運用が継続」、中国編から「固形廃棄物関連――工業固形廃棄物に対する管理の強化」の2件の全文を公開しています。
サンプル:EU エコデザイン指令(ErP指令)& エネルギーラベル規則(PDFファイル)
サンプル:中国 固形廃棄物関連 – 工業固形廃棄物に対する管理の強化(PDFファイル)
EU(欧州連合)・英国
エコデザイン規則(ESPR) – 「ESPR・エネルギーラベル作業計画2025-2030」が採択・公表される
本報告期間中、ESPRの実施スケジュールにおける重要な節目の一つである「ESPR・エネルギーラベル作業計画2025-2030」が欧州委員会によって採択・公表された。これは、向こう5年間にエコデザイン規則(ESPR)エネルギーラベル枠組み規則(ELFR)の下でエコデザイン要求事項とエネルギーラベルの導入を優先すべき製品を示すものである。本号では、この作業計画に焦点を当て、14ページにわたる原文の中から日系企業にとって最も重要と思われる内容を抽出して報告する。さらに、この作業計画の採択に伴いESPRがいよいよ実施に移されることを見据え、「今後の展開とスケジュール」および「EnviX展望と見解」の項目で、企業が押さえておくべきポイントをまとめている。これには、欧州委員会が3年後(2028年)に行う「作業計画の中間見直し」で採り上げられる可能性が高い内容も含まれる。なお、ESPRの前身であるエコデザイン指令(2009/125/EC)も当面、移行規定を通して実質的な効力を持ち続けることにも注意が必要である。
クリーン産業ディール – 欧州産業の競争力強化に向け多くの施策が始動
欧州委員会は2025年2月に、域内産業の競争力強化を主軸に置いたクリーン産業ディール(CID)と題する新たな成長戦略を公表した。欧州では、近年のエネルギー価格の高止まりや米中の国内産業支援などにより域内産業の競争力は危機的状況にある。これらを受け、欧州委員会の委員長に再選出されたフォンデアライエン氏は今後5年間の施政方針で「繁栄と競争力」を最優先事項とし、2024年12月に新体制を迎えた欧州委員会は2025年1月に、EUの将来の競争力強化に向けた今後の取り組みの方向性を示す指針である「競争力コンパス」を公表した。CIDの公表後は、単一市場戦略をはじめ、安価なエネルギーのための行動計画や自動車産業行動計画、鉄鋼・金属行動計画など多岐にわたる政策が続々と公表された。これらは、ほぼすべてがEU域内産業の競争力強化を念頭に置いている。また、既存規制を簡素化する「オムニバス」法案も公表されており、今後はこのような動きにも注視していかなければならない。また、CIDでは2050年までの脱炭素化目標も堅持することが表明されており、環境関連の動向も引き続き重要になると思われる。
米国・カナダ
米国 主要州のPFAS含有製品規制動向 – ニューメキシコ州がフルオロポリマーを適用免除にする包括的規制法を制定
2025年4月、ニューメキシコ(NM)州で、意図的に添加されたPFASを含有する幅広い消費者向け製品を対象とした、新たな規制法が制定された。米国で包括的なPFAS含有製品規制法を成立させた州は、メイン州、ミネソタ州に続き、今回のNM州で3州目だが、同州の法律が、他のPFASより低懸念とされる「フルオロポリマー」を適用免除対象に加え、先の2州と一線を画したことは注目に値する。州のPFAS含有製品規制は、メイン州の2021年PFAS汚染防止法を「モデル」としてきた印象があるが、同法の実施が困難を極めるなか、そうした従来の傾向に変化が生じ始めているのかもしれない。本稿では、この「変化」に注目し、この半年間の州レベルにおけるPFAS含有製品規制動向の整理を試みたい。
米国 連邦省エネ・プログラム(製品省エネ) – プログラムの存在を揺るがす激震が現実化
トランプ政権は、第一次・第二次を通じて規制緩和を推進する方針を維持している。 第二次政権では、多数の大統領令のもと、驚くべき速さで省エネ基準や評価手順の発効の撤回・延期が進められ、議会では議会審査法を活用した規則廃止の動きが活発化している。しかし、省エネ基準には「反後退条項」があり、規則変更には法的制約が伴う。エネルギー省は反後退条項の適用範囲を再評価し、「制約を受けない」との暫定判断を示したものの、最終決定は司法の場に委ねられることになるだろう。政権は規制緩和の方針を制度化する姿勢を鮮明にしているが、法的制約や利害関係者の反発が強く、実現には多くの課題が残っている。
米国の環境政策(気候変動・クリーンエネルギー政策) – トランプ政権発足で180°転換
2025年1月20日の新政権発足後、トランプ政権は環境・気候変動・エネルギー関連の一連の大統領令を発表し、これまでの前政権の政策方針を180度転換した。それ以降各省庁長官の方針発表、具体的規則発効延期、見直し、改正案が驚くべきスピードで出された。こういった規則や施策の最終化には法的プロセスが必要であったり、州政府や環境保護団体などからの訴訟などが予想され、時間がかかると思われる。今回のトレンド・レポートでは、米国在住のエネルギー関連コンサルタントであり、エンヴィックスのパートナーと、今後の米国の環境・気候変動・エネルギー関連政策制について討論をし、この中で企業はどのようにかじ取りを進めるべきかを検討する。
中国
化学物質 – 危険化学品安全法の立法動向
2015年の天津港爆発事故などを受けて、危険化学品の製造、輸入、使用、保管、輸送、廃棄といった全過程におけるリスクを体系的に規制・管理することを目指すようになり、2017年から立法活動がスタートした同法は、2025年1月まで意見募集が行われており、2025年年内の審議・可決・公布を目指すフェーズに入っている。同法は、単なる安全基準の強化にとどまらず、国家的な安全管理システムの高度化と国際標準への接続という二重の目標を持った制度改革といえる。2025年内の公布と実施を視野に入れた準備が各企業に求められており、リスクアセスメントの見直し、SDS整備、内部管理体制の再構築など、早期の対応が急務であるといえる。
RoHS規制 – 有害物質含有表示要件標準SJ∕T11364-2024の改正および強制国家標準GB 26572の承認待ち稿の公表
この半年間で、中国RoHS規制には大きな動きがあった。まずは、2024年12月10日に中国RoHSの表示要求を定めた電子業界標準である「電子電気製品有害物質使用制限標識要求」(SJ/T 11364-2014)の改正版であるSJ/T 11364-2024が公表された。主な改正点としては、規制対象有害物質の6種類から10種類への追加、製品生産日の表示方法に関する規定の削除、2次元コードを使用した表示方法および要求に関する規定の追加および有害物質含有情報表に関する技術文書の保管要求規定の追加のほか、有害物質含有情報表のレイアウトの修正も含まれている。次は、2025年4月14日に、中国工業情報化部は強制国家標準である「電気電子製品有害物質使用制限要求」(GB 26572)の承認待ち原稿を公表した。今回の承認待ち原稿を2024年11月に公表された草案と比較した際の大きな修正点としては、SJ/T 11364-2024の改正内容が反映されたことや、多くの企業が関心を持っている第8章「検査に関する要求事項」が削除されたことが挙げられる。これらの動きは、中国における有害物質規制の強化に向けた姿勢を示すものといえる。
製品設計・ラベル – 製品カーボンフットプリントラベル認証試験事業を開始
この半年間に、リチウムイオン電池や、洗濯機、食器洗い機およびレンジフードなどの電気電子製品など多数の製品のカーボンフットプリント数値化方法および要求を定めた標準が公布された。また、2025年1月7日に「製品カーボンフットプリントラベル認証試験事業リスト」の発表により、北京市や上海市、江蘇省などの一部の地域において、リチウム電池、コンピューターなどの製品を対象としたカーボンフットプリントラベル認証試験事業が開始された。こちらの実験事業は、カーボンフットプリント認証制度の全国展開に向けた実施経験の蓄積を目的としているため、今後全国的にカーボンフットプリント制度を実施することが見込まれる。
クリーンエネルギー推進 – グリーン電力証書(GEC)を通じて再生可能エネルギーの使用を推進
2024年11月に公布された「エネルギー法」により、グリーン電力証書(GEC)制度が正式に法的枠組みに組み込まれ、グリーンエネルギーの消費を促進するための中核的なメカニズムとしての位置づけが確立された。中国国家エネルギー局の統計によると、2024年末までに累計で49億5,500万枚のグリーン電力証書が発行されており、そのうち47億3,400万枚は2024年中に発行されたものです。発行数の急増に伴い、2024年のグリーン電力証書の取引件数は過去最高となる4億4,600万件に達た。さらに、2025年3月6日には「再生可能エネルギーグリーン電力証書(GEC)市場の発展促進に関する意見」が発表され、グリーン電力証書の利用促進に向けた施策が示された。具体的には、グリーン電力証書の強制的な制度導入の段階的実施、上場企業のESG(環境・社会・ガバナンス)報告書へのグリーン電力使用情報の記載、ならびにグリーン製品評価基準へのグリーン電力使用要件の追加などが挙げられている。これらの動向を踏まえ、今後はグリーン電力証書の取引がさらに活発化することが見込まれる。
アジア・オセアニア
台湾 化学物質規制 – 毒性化学物質の規制対象拡大およびGHS関連国家標準のパープルブック第8版への準拠
台湾環境部は、2025年5月13日、「PFOS」と「PFOA」関連化合物の「毒性化学物質」への追加、および「ノニルフェノール」の規制濃度変更や取り扱い禁止事項の追加について公告した。また、同日、「シブトリン」を懸念化学物質に追加することについても発表した。本レポートでは、上記物質の具体的な規制内容や今後の見通しなどについて説明している。また、台湾経済部は、2024年10月以降、GHS関連国家標準の改正版を相次いで公布している。上記改正版国家標準は、いずれもパープルブック第8版に準拠しており、「鈍性化爆発物」に関する標準も新たに追加されている。関係する化学物質を取り扱う場合、分類や表示などの対応が求められることになる。本レポートでは、上記GHS関連動向についても概説している。
インド 廃自動車(ELV) – 自動車メーカーの拡大生産者責任制度開始、廃車処理の本格化へ
人口急増のインドで、従来では自動車の廃棄について自動車産業や消費者に対する法的義務がなく、廃自動車(ELV)が環境問題として近年注目を集めてきている。また、広大な国土を誇るインドでも現時点で認定されている自動車解体事業者が80社のみしか存在しておらず、実際にはほとんどの廃棄はインフォーマル・セクターと呼ばれる非正規事業者がELVを回収し、鉄スクラップを転売しており、リサイクル産業の大きな課題となっている。そのなかで、2024年に規則案が公表され、2025年にELV規則ようやく公布、施行された。自動車メーカーをはじめとする企業に対し拡大生産者責任(EPR)制度を導入し、登録や鉄に関するリサイクル目標の達成、報告などの義務を課している。これによって、鉄のリサイクルを行うリサイクル事業者にとっても安定した財源となり、リサイクル業界の発展が期待されている。
マレーシア 省エネ法 – 工業・商業施設・オフィスビルの省エネ義務化
マレーシアにおける電気電子製品の省エネ規制は、従来では家電製品を中心とする製品が最低エネルギー性能基準(MEPS)への遵守や、省エネラベルの貼付が義務付けられる。工場については、当局より指定される事業者はエネルギー管理者の指定、省エネ対策の導入や報告義務が発生する。2025年より施行される「2024年エネルギー効率保全法」に基づき、指定のエネルギー消費量を超える工場については、エネルギー管理者の指定、省エネ報告書提出、エネルギー監査の実施などの義務が課される。また、オフィスビルについては、ビルのエネルギー強度を示したラベルを掲示する必要が生じる。
2025年前期号(第34号)目次
国際編 |
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EU・英国編 |
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米国・カナダ編 |
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ラテンアメリカ編 |
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中国編 |
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アジア・オセアニア編 |
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レポート種別 | 年間契約(税別) | 単号購入(税別) |
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全編フル版 | ¥396,000 | ¥216,000 |
国際編 | ¥42,000 | ¥24,000 |
EU・英国編 | ¥168,000 | ¥96,000 |
米国・カナダ編 | ¥168,000 | ¥96,000 |
ラテンアメリカ編 | ¥42,000 | ¥24,000 |
中国編 | ¥168,000 | ¥96,000 |
アジア・オセアニア編 | ¥168,000 | ¥96,000 |
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