ドイツ ドイツの環境法規制情報

ドイツ新政権の環境・エネルギー政策

当社サービス「海外環境法規制モニタリング」の月例報告書より「ドイツ新政権の環境・エネルギー政策」について紹介します。
本サービスでは世界全体の環境法規制の動向をお届けしております。サンプル資料として最新版の月例レポートをご提供しておりますので、是非ともお問い合わせの上、導入をご検討ください。
海外環境法規制モニタリング

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ドイツでは2021年9月に総選挙がおこなわれ、その結果、社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党の3党の連立政権が樹立しました。これにより、SPDのオラフ・ショルツ氏を代表とする新政権が2021年12月8日からスタートしております。この新政権では気候変動対策、デジタル化、格差是正の3つを重点分野に位置づけていますが、特に気候変動対策については前政権のメルケル首相と比較して、より積極的な姿勢を示しております。

以下では、2021年11月24日に発表された新政権の政策文書「更なる進歩;自由・公正・持続可能性の同盟-2021~25年連立協定」のなかから、気候変動を含む環境分野についての主な内容を紹介します。

1. 気候変動とエネルギー政策

  • 2030年には、総電力需要の80%を再エネ発電とする。
  • 商用の新規建物に、ソーラーパネルの屋上設置を義務化する。
  • 石炭火力発電は2030年までに全廃するのが望ましい。

2. 電気自動車の推進

  • 2030年時点で、少なくとも1500万台の電気自動車が走行する。
  • 2030年までに、100万箇所の公共の無差別充電ポイントを設置する。

3. 化学品政策(化学物質と水質汚濁物質)

  • 内分泌攪乱物質から国民を保護するための国の計画を策定する。
  • 健康有害物質(PFASなど)の使用に伴うリスクを低減していく。
  • 製品における水質汚濁物質の使用を、必須用途に制限していく。
  • 医薬品有効成分に関する環境品質基準を水法で定める。
  • 化粧品や洗剤に意図的に添加されたマイクロプラスチック及び液体ポリマーに対する欧州全域にわたる禁止を支持する。

4. 循環型経済・製品・廃棄物政策

  • 「デジタル製品パスポート」を導入する。それを実装する企業をサポートし、省データの原則を堅持していく。
  • 法的裏付けのある基金モデルを創設して、資源に配慮しリサイクル適した容器包装の設計やリサイクル品の利活用の取り組みに報いていく。
  • リサイクルラベルを導入する。リサイクル品を対象とした品質基準の開発を急いで、新たな高価値の物質循環を創出する。
  • 容器包装法で、「ケミカルリサイクリング」もリサイクルオプションとして採用する。

5. 大気汚染防止・水質保全・土壌保全政策

  • EUの各国排出量上限指令の削減目標を期限どおり達成するため、国の大気浄化計画の枠組みで必要なすべての措置を講じていく。
  • 下水再利用に関する欧州の要求事項を迅速に実施する。
  • EUレベルで、土壌保全と拘束力のある規制の改善に取り組む。

石炭火力発電や電気自動車については具体的な目標が定められておりますが、化学品管理、循環経済、環境管理といった幅広い分野についても今後の方針が示されておりドイツの環境規制強化に対して企業が準備するうえでも重要な文書といえるでしょう。是非その詳細をチェックしてみてください。

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