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日本、環境省が「自動車向け再生プラスチック市場構築アクションプラン」を公表

日本で、2025年3月31日に、環境省が「自動車向け再生プラスチック市場構築のための産官学コンソーシアム」によって取りまとめられた「自動車向け再生プラスチック市場構築アクションプラン」を公表した。本プランは、自動車向けの再生プラスチック市場構築を通じて、日本における自動車製造に対する再生プラスチックの供給量を高めることを目的としている。

具体的には、自動車向けの高品質の再生プラスチック等(再生プラスチック及びバイオマスプラスチック等)の供給量を段階的に増やす基盤を構築することとし、以下の必要供給量目標を掲げている。

  • 2031年~2035年:
    日本で生産される新型車両におけるプラスチック必要量の15%分以上
  • 2036年~2040年:
    日本で生産される新型車両におけるプラ必要量の20%分以上
  • 2041年~:
    日本で生産される全ての車両におけるプラ必要量の20%分以上

アクションプランでは、欧州、及び日本における自動車向け再生プラスチックを取り巻く状況が説明され、自動車向け再生プラスチック市場構築に向けた7つの課題と、課題解決に向けたアクションプランが提示されている。

自動車向け再生プラスチック市場構築に向けた7つの課題

  1. 使用済自動車の解体段階におけるプラスチック回収のインセンティブがない
    解体に係る必要コストに対してプラスチックの売却価格が十分でなく、事業採算性が低い。
  2. ASRからのプラスチック回収率が低い・自動車向けのアップグレードが困難
    解体されなかったプラスチック部品はASR(自動車破砕残渣)として処理されるが、ASRからのプラスチック回収は高度な技術が求められるため、国内ではほとんどおこなわれていない。
  3. 再生プラスチックの価値の訴求が不十分
    再生プラスチック利用における環境負荷低減に関する評価手法がない。
  4. 再生プラスチックの使いこなしに向けた動脈静脈間での質・量に係る情報共有ができていない
    ものづくりにおいて材料規格は競争領域にあることから、個々の商談の中でしか要求品質に関する情報が共有されないことが背景にある。
  5. 廃プラスチックの多くがリサイクル向けに利用(分別)されていない
    現在再生プラスチック製造に供されているのは、品質が明らかな工程内端材がほとんどであり、市中から回収されるポストコンシューマ材の活用が限られている。
  6. 再生プラスチックはバージン材と比較して品質が低く、バラツキが大きい
  7. 物性保証・懸念化学物質規制への対応に向けた体制が不足している
    樹脂リサイクラーにおいては、製造した再生プラスチックの品質を証明することが求められるが、需要側から求められる物性値への適合や化学物質含有を調べるための検査装置を所有するには大きな投資が必要である。

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