
日本「地球温暖化対策計画」を閣議決定
日本で、2025年2月18日に地球温暖化対策計画が閣議決定された。本計画は、2035年度および2040年度において、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す、新たな「日本のNDC(国が決定する貢献)」の実現に向けた対策・施策を示したものである。
「はじめに」では、気候変動問題の現状、パリ協定発効以降の世界各国と日本における脱炭素の取組が述べられている。その中で、「地球温暖化対策計画」(旧計画)が閣議決定されて以降のエネルギー情勢の変化について言及し、脱炭素電源の確保は国内産業競争力の強化と気候変動対策を進める上で不可欠であるとしている。
「第1章 地球温暖化対策の推進に関する基本的方向」では、日本における2050年ネット・ゼロ実現に向けた取組の方向性だけでなく、世界の温室効果ガス排出量削減に向けた貢献についても方向性を示している。また、地球温暖化対策の基本的な考え方では、徹底した省エネルギーの推進、脱炭素電源の導入・利用、技術開発の一層の加速化や社会実装、循環経済や自然生態系による炭素吸収・固定の機能の活用等の統合的アプローチも含むネイチャーポジティブ経済への移行が必要であるとしている。
「第2章 温室効果ガスの排出削減・吸収の量に関する目標」では、日本の温室効果ガス削減目標と、温室効果ガスの排出状況と吸収源が示されている。日本の温室効果ガス排出量は2014年以来減少傾向を継続しているが、その要因としてはエネルギー消費量の減少(省エネの進展)や電力の低炭素化による電力由来の二酸化炭素排出量の減少をあげている。
「第3章 目標達成のための対策・施策」では、国、地方公共団体、事業者及び国民の基本的役割と地球温暖化対策・施策が示されている。その中で、関連する分野横断的な施策として「成長志向型カーボンプライシング」「J-クレジット制度の活性化」「税制のグリーン化及び地球温暖化対策税の有効活用」「GX市場創造」などが挙げられている。これらと産業政策が有効に結びつけば、官民で進めている脱炭素投資を通じた産業競争力の強化につながるとしている。
「第4章 地球温暖化への持続的な対応を推進するために」では、2030年度目標に係る本計画の進捗管理を、毎年1回、地球温暖化対策推進本部又は地球温暖化対策推進本部幹事会において、すべての対策評価指標等について、最新の実績値、個々の対策の見通し等を示し、次年度以降の対策・施策を明示するとしている。
関連URL
- 地球温暖化対策計画の閣議決定に関する環境省のプレスリリース
https://www.env.go.jp/press/press_04467.html - 地球温暖化対策計画の概要
https://www.env.go.jp/content/000291668.pdf - 地球温暖化対策計画
https://www.env.go.jp/content/000291669.pdf
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地球環境 |
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2025年3月28日 |
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