日本 ラベル・SDS対象物質、がん原性物質の範囲の変更等に関する安衛法施行令の一部を改正
日本で、2025年2月19日に、労働安全衛生法施行令、及び労働安全衛生法施行規則(安衛則)の一部を改正する政令、省令、告示が公布された。主な改正の内容は、「ラベル・SDS対象物質」は、国が行うGHS分類の結果、危険性又は有害性があるものと区分されたものであるが、その区分の期間が2021年3月31日までだったものを、2024年3月31日までのものとした。これに伴い、155物質を安衛則別表第2に新たに追加し、ラベル・SDS対象物質に指定した。また、2物質を安衛則別表第2から削除し、ラベル・SDS対象物質から除外した。
「がん原性物質」についても、国が行うGHS分類の結果、危険性又は有害性があるものと区分されたものの中から発がん性の区分が区分一に該当するものと定められているため、その区分の期間が2021年3月31日から、2024年3月31日までとする告示が公表された。告示適用後のがん原性物質の一覧は、厚生労働省のホームページで2025年3月をめどに公表される予定である。
改正政令、告示は、2027年4月1日から施行されるが、経過措置があり、改正政令により新たにラベル・SDS対象物質に追加される物質のうち、2027年4月1日の施行の日においてすでに存在するものについては2028年3月31日までの間は、ラベル表示に係る法第57条第1項の規定は適用されない。
ラベル表示とSDSの交付、リスクアセスメントの実施
「ラベル表示」については、労働安全衛生法(以下「法」という。)第57条第1項の規定に基づき、労働安全衛生法施行令(以下「令」という。)第18条に定める化学物質について義務とされている。「SDSの交付」については、法第57条の2第1項の規定に基づき、令第18条の2に定める化学物質について義務とされている。「リスクアセスメントの実施」については、法第57条の3第1項の規定に基づき、SDS交付対象物質(通知対象物質)に対して義務とされている。
今回の改正で経過措置があるのはラベル表示のみであり、SDSの交付、リスクアセスメントについては2027年4月1日からの実施が求められている。
関連URL
- 危険有害性の区分の期間を改正し、経過措置を定めた条文:労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(令和7年2月19日政令第35号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H250219K0040.pdf - ラベル・SDS対象物質に追加する155物質と除外される2物質についての改正前後の条文:労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和7年2月19日厚生労働省令第12号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H250219K0030.pdf - 改正の趣旨と改正の要点:労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行について(令和7年2月19日基発0219第4号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T250221K0010.pdf - ラベル・SDS対象物質の裾切値を定める労働安全衛生規則別表第2の改正前後の条文:労働安全衛生法施行令第十八条第三号及び第十八条の二第三号の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準の一部を改正する件(令和7年2月19日厚生労働省告示第24号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H250219K0020.pdf - 労働安全衛生規則別表第2の改正概要:「労働安全衛生法施行令第十八条第三号及び第十八条の二第三号の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準の一部を改正する件」の告示について(令和7年2月19日基発0219第6号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T250221K0030.pdf - がん原性物質の範囲の変更の厚生労働省基準局長の通達
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T250221K0020.pdf - がん原性物質の範囲の変更の告示原文
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H250219K0010.pdf
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