米国 米国の環境法規制情報

米国CA州、対象拡大などGHG排出量強制報告規則の改正案発表

弊社基幹サービス「海外環境法規制モニタリング」の配信情報より「米国CA州、対象拡大などGHG排出量強制報告規則の改正案発表」について紹介します。

最新情報は弊社メールマガジンにてお知らせしております。お気軽にご登録ください。

*

2026年1月20日、米カリフォルニア(以降CA)州大気資源委員会(CARB)は温室効果ガス(GHG)排出量の強制報告規則(Regulation for Mandatory Reporting of Greenhouse Gas Emissions)の改正案を発行した。規則案の最も大きな改正点は規制対象者の拡大。改正の目的は、州の気候目標達成に向けた「キャップ・アンド・インベスト(旧キャップ・アンド・トレード)」制度のため、排出量データの正確性と透明性を向上させること。なお、CARBは、2026年5月28日に公聴会を開くことを通知した。公聴会以外の場でのコメントの提出期限は2026年3月9日。GHG規制を廃止しようとしているトランプ政権とは対照的に、CA州は過去の関連記事に示した2件の規則と本規則の改正を提案し、さらにGHG排出削減を進めようとしている。

改正の目的

  • CA州のキャップ・アンド・インベスト規則(排出量割当および順守義務の算定を含む)に準拠し、これを支援する。
  • 報告されるGHG排出量および製品データが正確かつ完全であることを確保し、州全体のGHG排出量インベントリを含むCA州のGHG排出削減プログラムを支援する。

主な提案されている改正点

全般

  • 2027年のデータ(2028年に報告)からの適用を基本とする。電力事業者や製品データについては2026年分(2027年に報告)から適用。
  • 多くの言葉を再定義
  • 報告対象にはセメント・水素の輸入業者やバイオ由来ガスの供給者を追加
  • 共通支配下の複数の事業体を単一報告主体として統合して報告
  • リニア発電機を燃料電池と同様の報告義務に含める。
  • 排出量報告や検証の停止基準を個別の排出閾値ベースへと見直し
  • バイオメタンに関する詳細な報告や、森林由来の枯死木利用データの提出の義務化
  • 報告の遅延や不備を防ぐため、全報告主体に対して予備の代表者の選任の義務化

適用

  • 排出量に関わらずバイオ燃料精製所にも適用し、石油精製所との一貫性を確保
  • 輸送燃料や水素、セメントの輸入業者、バイオ燃料の生産者などへ規制対象を拡大
  • LPGの規制地点の変更や報告しきい値の撤廃により、輸入LPGの正確な報告を確保
  • 州全体のGHG排出目録やネットゼロ戦略(SB 596)などのプログラムを支援するため、未報告の排出源を特定・把握

製品データの報告

  • キャップ・アンド・インベスト規制の割当基準に合わせ、強制報告規則での製品報告に「脱塩ホエイパウダー」を追加し、セメント製造時の副産物(SCM)に関する報告義務を新設
  • 石油精製所の報告では複雑性加重バレル(CWB)指標から液体燃料等の生産量ベースへ移行し、不要となった硝酸アンモニウムカルシウムの報告は廃止
  • 農産物の定義を重量ベースに変更して計算を簡素化するほか、新規製品への割当支援として、過去5年分までのデータ報告・検証が可能になる。

データ検証

  • 検証者の認定期間の延長や低リスク報告者へのリモート訪問許可など、検証手続きの合理化と負担軽減
  • 利益相反基準の拡大や同一団体への連続サービス制限などを通じ、検証の誠実性と厳格性の維持
  • 特定の計算方法の明確化や、州の緊急事態に関連する排出量の確認要件など

その他

電力事業者、発電施設、製油所及び水素製造プラントなど特定の産業を対象とした規則の改正を提案している。詳細は割愛。

改正が採択されるとCA州規則集のTitle 17、div. 3、chap.1、subchap.10、art. 2、subart. 1、2、4 及び 5の多くのSectionが改正される。

*

海外環境法規制モニタリング」では各国の最新規制動向を報告しております。まずは2週間の無料トライアルをお試しください。

関連製品

EnviXは米国の環境法・環境規制動向を日々調査し、企業の環境コンプライアンスや経営・市場戦略立案に役立つ情報を提供を提供しております。
米国の環境法・環境規制動向

米国の地球環境関連情報に関連する製品を下記に紹介します。

規制分野 製品区分 製品・サービス名 発売・更新日
全般 法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 工場編
米国の工場系環境法規をまとめた、事業者必携のガイドです。
2025年9月25日
法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 製品編
膨大な情報量を有する米国の環境法規制情報、その中から日本の事業者に関連が大きい事項を抽出し、要点をまとめ、体系的に編纂しました。
2024年9月3日
法体系ガイド 米国環境法体系ガイド 概観
煩雑な米国の法体系の整理を目的として作成されており、米国で環境規制に関わる代表的な法律を取りまとめた資料です。
2022年4月15日
- 海外環境法規制モニタリング
世界全体の環境法規制の動向をお届けする基幹サービス。同分野の豊富な知識と経験、高度な翻訳能力を兼ね備えた当社研究員が厳選した価値ある情報を速報、月例報告書、検索可能なWEBアーカイブでご提供します。
常時更新
- 海外環境規制トレンド・レポート
世界主要国における環境法規制の直近6ヶ月から1年間の動向を中心に調査し、ご報告する調査報告書です。
年2回更新
- 海外環境法規制メルマガ(無料)
海外の環境規制情報を要約して月1回、毎月上旬に配信します。累計1千人以上が購読する、環境規制担当・経営担当必読のメールマガジンです。
毎月配信

EnviXは各国の環境規制テーマについて、その中長期動向の調査報告書を作成・提供しております。
海外環境規制トレンド・レポート

下表は米国の地球環境関連情報に関する報告書の一覧です。

規制分野 規制テーマ(報告書の名称) 更新日
地球環境 米国 オゾン層破壊物質規制(SNAPプログラム) 2016年12月1日

EnivXでは日々の海外の環境規制動向の情報提供業務に裏付けられた、様々なノウハウやネットワークを活用し、お客様の様々な個別のご要望にお応えする調査のご相談も承っております。委託調査ページでは実績例等のご紹介もしておりますので、参考にされた上で、まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
個別調査・海外現地調査