
EU、森林デューデリジェンス規則に基づき高・低リスク国を示す実施規則を公布
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欧州連合(EU)で2025年5月23日、森林デューデリジェンス規則(EU) 2023/1115(略称、EUDR)の29条に基づき、対象産物/製品の生産に伴う森林破壊リスクが高い、または低い国(地域)のリストを示す実施規則(EU) 2025/1093が公布された。
EUDRの下では事業者が対象産物/製品をEUで上市/EUから輸出する場合、デューデリジェンス(DD)の実施が義務付けられるが、当該産物/製品が低リスク国/地域で生産されたことを確認すれば、DDの簡略化(リスク評価とリスク緩和措置の割愛)が認められる(13条)。
今回は、日本を含む約140の国/地域が低リスクとされた一方、ベラルーシ、北朝鮮、ミャンマー、ロシアが高リスクとされた。
それら以外の国/地域は「標準リスク」と見なされる。このリスク分類は事業者が10条に基づき行うリスク評価でも考慮される(10条2項(a))。当該実施規則は公布から3日目(5月26日)に発効し、EU全域で直接適用される。
EUDRのDDは主に「情報要件遵守に必要な情報の収集(9条)」、「リスク評価(10条)」、「評価結果に基づくリスク緩和措置(11条)」から成る(8条)。事業者が自身の扱う対象産物/製品の全部分が低リスク国/地域産であることを確認すれば、10条と11条の義務を果たす必要はない(13条)。
ただし、その場合、産地不明または標準/高リスク国/地域産原料の混入、サプライチェーンの複雑性、規制回避のリスクが無視できる程度であることを実証する文書を作成し、当局の求めがあれば提出しなければならい。今回、低リスクとされた国/地域は次のとおりである。
アフガニスタン、アルバニア、アルジェリア、アンドラ、アンティグア・バーブーダ、アルメニア、オーストラリア、オーストリア、アゼルバイジャン、バハマ、バーレーン、バングラデシュ、バルバドス、ベルギー、ブータン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルネイ・ダルサラーム、ブルガリア、ブルンジ、カーボベルデ、カナダ、中央アフリカ共和国、チリ、中国、コモロ、コンゴ、コスタリカ、クロアチア、キューバ、キプロス、チェコ、デンマーク、ジブチ、ドミニカ、ドミニカ共和国、エジプト、エストニア、エスワティニ、フィジー、フィンランド、フランス、ガボン、ジョージア、ドイツ、ガーナ、ギリシャ、グレナダ、ガイアナ、ハンガリー、アイスランド、インド、イラン(イスラム共和国)、イラク、アイルランド、イタリア、ジャマイカ、日本、ヨルダン、カザフスタン、ケニア、キリバス、クウェート、キルギス、ラオス人民共和国、ラトビア、レバノン、レソト、リビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マダガスカル、モルディブ、マリ、マルタ、マーシャル諸島、モーリシャス、ミクロネシア連邦、モナコ、モンゴル、モンテネグロ、モロッコ、ナウル、ネパール、オランダ王国、ニュージーランド、北マケドニア、ノルウェー、オマーン、パラオ、パレスチナ、パプアニューギニア、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、カタール、大韓民国、モルドバ共和国、ルーマニア、ルワンダ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サモア、サンマリノ、サントメ・プリンシペ、サウジアラビア、セルビア、セーシェル、シンガポール、スロバキア、スロベニア、ソロモン諸島、南アフリカ、南スーダン、スペイン、スリランカ、スリナム、スウェーデン、スイス、シリア・アラブ共和国、タジキスタン、タイ、東ティモール、トーゴ、トンガ、トリニダード・トバゴ、チュニジア、トルコ、トルクメニスタン、ツバル、ウクライナ、アラブ首長国連邦、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国、アメリカ合衆国、ウルグアイ、ウズベキスタン、バヌアツ、ベトナム、イエメン
※上記の内容は、2025年5月25日時点の情報に基づきます。
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