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韓国政府、三元系リチウム電池問題で中国に圧力

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中国における新エネルギー自動車の動力用電池関連企業の参入について、従来の新エネルギー自動車を対象とした財政補助と、今回の電池関連の財政補助を連結すると言う方針は、韓国電池企業および韓国政府の大きな関心を引き付けた。韓聯社の2016年6月29日の報道によれば、同年6月28日、中国国務院、李克強総理と韓国の黄教安国務総理が、北京人民大会堂で会談を行い、黄教安は中国が三元系リチウムイオン電池に関連する問題の積極的な解決を図るよう要求し、他方で李克強国務総理が解決に向けた調査に言及した。一連の動きは、韓国電池企業が未だに中国の“電池リスト”に入れないでいる問題について、韓国政府が中国政府に圧力を加え、外交ルートを通じて解決を図ることを望んでいるということである。

 

中国政府は安全性の観点から、電池企業に対して《自動車動力蓄電池業界規範条件》を満足させ、併せて関連企業リストに収載されることを要求しており、リスト外の電池を採用した新エネルギー自動車は、補助を受けられない。工信部は現在までに、4回にわたって《自動車動力蓄電池業界規範条件》に適合するする企業リストを公表しているが、韓国電池企業は未だこのリストに搭載されていない。

2014年から、韓国三星SDI・LG化学が中国市場への資本投入を拡大し、中国でリチウムイオン電池生産工場を合資で建設、併せて多くの自動車メーカーの新エネルギー自動車向けにリチウムイオン電池を供給している。2015年10月に、三星SDIおよびLG化学が、西安と南京のそれぞれの工場で生産を開始した。LG化学南京工場は、毎年5万台の電気自動車用電池を製造することができ、三星SDI西安工場は、毎年4万台の電気自動車用電池の供給が可能である。

LG化学は、現在中国市場で、上汽・長城自動車・奇瑞自動車などの自動車メーカーを顧客としている。一方、三星SDIは、江淮・北汽新エネルギー・宇通客車・福田自動車などの自動車メーカーと取引をしている。ただし、三星SDIおよびLG化学が電池リストに収載されなければ、多くの自動車メーカーがその他の電池を購入するようになるだろう。

 

韓聯社の報道によれば、2016年1月、中国政府は中国企業が生産したリン酸鉄リチウム電池を搭載した公共交通電動車両を対象に補助金を提供したが、LG化学・三星SDIなどの企業が生産した三元系リチウム電池搭載の自動車を補助範囲外に置いた。これにより中国側のこの種の電動公共交通車両への補助政策が、両国の外交摩擦を引き起こしたとされる。

同年2月、韓国産業通商資源部は、三元電池の公共交通車両補助問題で、中国政府に書簡を送り、更に韓国政府が中国駐韓大使に出頭を求めて、協力を要請するなど、様々なルートを通じて中国側へ異議を表明している。同年3月17日、北京で行われた中韓商務部長会談の席上でも、韓国側は中国側の電動公共車両を対象にした補助政策の変更に対して異議を唱えた。

 

※三元系リチウムイオン電池とは、正極材であるコバルト酸リチウムのコバルトの一部をニッケルとマンガンで置換し、コバルト・ニッケル・マンガンの3種類の原料を使用することで安定性を高めたもの。