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日本、「市町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策について(通知)」を公表

日本で、2025年4月15日に、環境省環境再生・資源循環局より各都道府県一般廃棄物行政主管部(局)長に対して、「市町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策について」が通知された。この通知は、近年、廃棄物処理施設や収集運搬車両等に置いて、リチウム蓄電池及びリチウム蓄電池を使用した製品(以下「リチウム蓄電池等」という。)に起因する火災事故等が頻繁に発生しているため、各市町村においてリチウム蓄電池等の分別回収及び適正処理を更に徹底していく必要があるため、改めてリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策をとりまとめ、周知徹底を依頼するものである。

通知の内容を抜粋すると以下のようになる。

1. 市町村の一般廃棄物処理責任の性格等

すべての市町村において、当該市町村の区域内で発生するリチウム蓄電池等が一般廃棄物となったものの処理について廃棄物処理法第6条第1項の一般廃棄物処理計画に位置付けること等により、家庭から排出される全てのリチウム蓄電池等の安全な処理体制を構築していく必要がある。

2. リチウム蓄電池等の適正処理に関する方針

  • 分別収集区分を分かりやすくする。
  • 回収したリチウム蓄電池等の保管を適切に行う。
  • 回収したリチウム蓄電池等を国内の適正処理が可能な事業者に引き渡す。

 3. リチウム蓄電池等の適正処理に関する対策

  1. 分別・回収方法の基本的な考え方
    1. 分別方法
      自主回収を行っていないリチウム蓄電池及び膨張・変形したリチウム蓄電池の排出方法を明示する。
    2. 回収方法
      • 分別収集(ステーション・個別)と拠点回収(分散型回収拠点や回収ボックス等による回収)を併用し利便性を高める。
      • 透明やビニール袋に入れて排出を促す等、雨天時の分別収集を想定した方法を検討する。
    3. 周知・広報
      • 収集・運搬中等の発煙・発火リスクを低減させるため、不要となったリチウム蓄電池等は、電池切れの状態で排出するよう周知する。
      • 火災事故等の主な原因品目である「モバイルバッテリー、加熱式たばこ、コードレス掃除機等のバッテリー、スマートフォン、電気かみそり、電動工具、ハンディファン、電動式玩具、作業服用ファン」等については、特に積極的に品目名を明示することが望ましい。
      • リチウム蓄電池の取り外しが簡単にできないリチウム蓄電池使用製品は、無理に取り外そうとすると発煙・発火の危険性があるため、分解せず、そのまま排出するよう周知する。
  2. 保管方法の基本的な考え方
    • 雨風による影響を受けない屋内に保管する。
    • 電極が露出しているリチウム蓄電池等は、電極部を絶縁テープ等で絶縁処理したうえで保管する。
  3. 循環的利用、適正処分の基本的な考え方
    • 必要に応じて性状や品目ごとに分別し、回収したリチウム蓄電池等は、可能な限り、再資源化事業者、小型家電リサイクル法の認定事業者等を通じて、国内の適正処理が可能な事業者に引き渡す。
  4. 消火設備その他火災事故等防止に必要な設備の整備について
    • リチウム蓄電池等の分別回収を行っている市町村においても、意図しない混入等により火災事故等が発生しているため、破砕機の投入前に、X線検出や、風力、磁力を用いた機械選別等により誤った分別収集区分に廃棄されたリチウム蓄電池等を取り除くことが有効。
    • 仮に火災事故等が発生した場合、赤外線カメラによる表面温度上昇の検知等、発火をより早期に発見し敏速に初期消火することが大規模な火災事故を防ぐために有効。

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