日本 日本の環境法規制情報

日本、化審法での生分解性評価のための新規実施マニュアルを公開

日本の経済産業省(経産省)は、2025年1月より化審法に導入している総合的分解性評価手法「Weight of Evidence」の実施マニュアルを策定し、2025年5月付けで公開した。本マニュアルの策定及び公開は、Weight of Evidenceを用いた分解性評価手法の透明性の向上を目的としており、有用な情報源やツール、標準的な評価手法、評価にあたり考慮すべき点などをまとめた内容となっている。今後は本マニュアルを用い、一般化学物質及び優先評価化学物質についてWeight of Evidenceを用いた分解性評価を実施し、化学物質審議会安全対策部会にて審議が行われ、その結果は化審法における上市後の化学物質のスクリーニング評価・リスク評価の分解性として活用される。これに伴い経産省は、一般化学物質及び優先評価化学物質について、化審法第41条の報告義務に該当しない知見であっても、環境中の分解に関する知見を保有する場合には情報提供の協力を事業者に対して呼びかけている。

Weight of Evidence導入の背景と目的

従来の化審法における分解性評価では、経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)テストガイドライン301C、301Fに相当する易分解性試験が主に採用されており、その結果に基づき良分解性/難分解性の判定がされていた。しかし、易分解性試験における被験物質濃度(通常100 mg/L)では、特に難水溶性物質の場合、自然環境における化学物質の分解性を評価するには十分でない可能性があった。Weight of Evidenceを導入した分解性評価では、これまで化審法で主に採用されてきた試験法に加え、分解性に関する様々な情報(生分解性試験データ、類似物質に関する知見、定量的構造活性相関((Q)SAR:Quantitative Structure-Activity Relationship)による予測結果等)を用いており、上市後の化学物質の、自然環境中において容易に分解しない性状を総合的かつ合理的に判断することを目的としている。

関連URL

経済産業省インフォメーション「スクリーニング評価・リスク評価における生分解性評価のための Weight of Evidence の実施について」(2025年5月付)
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/information/woe_biodegradation.html

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規制分野 規制テーマ(報告書の名称) 更新日
化学物質 日本 安衛法 労働安全衛生、化学物質の分類・表示、GHS、特化則等 2021年1月28日
化管法(PRTR法) 化学物質の排出・移動管理、情報伝達等 2021年1月28日
日本 化審法 化学物質の審査・評価、製造・輸入規制等 2021年1月28日

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