米国、より安全な消費者向け製品(SCP)規則について – 第10回「世界環境法規制セミナー」特別コラム Vol.3

本稿は、2014年10月21日(火)に予定しておりますエンヴィックス「第10回世界環境法規制セミナー」(お申込み受付中)の開催に際して、当日の講演プログラムの一部を紹介するコラムです。

特別コラムは9月上旬までに全10回を予定しています。更新状況は「セミナー特設ページ」よりご覧ください。

第10回「世界環境法規制セミナー」は終了いたしました。次回も是非ご期待ください。

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「より安全な消費者向け製品」(SCP)規則

カリフォルニア州の2008年「グリーンケミストリー法」を実施する規則のひとつで、2013年10月1日に発効した。有害化学物質を含 む消費者向け製品全般を対象とした包括的な規制アプローチを新たに確立した規則で、その規制構造は「懸念される化学物質の特定」、「製品-含有化学物質の 組み合わせで優先的に対処すべき消費者向け製品の特定」、「より安全な代替策の特定」、および「規制対応策」の4段階から成っている。近年、他の州でも、 特に子ども向け製品を対象に、同様の有害化学物質規制アプローチを打ち出すところが増えている。

以下、SCP規則に関連する動向を2件掲載します。

米加州当局、「より安全な消費者向け製品」規則にもとづく最初の優先製品リスト案を発表
――今後の製品選定作業計画案の策定もすすむ

カリフォルニア州有害物質規制局(DTSC)は2014年3月13日、同州グリーンケミストリー法を実施する「より安全な消費者向け製 品」(SCP)規則の最初の規制対象となり得る「優先製品」候補として、1) TDCPPを含むフォーム状の詰物を使ったベビーベッド、揺りかご、ベビーサークル等用のマット類、2) 未反応ジイソシアネートを含むスプレーポリウレタンフォーム(SPF)システム、および3) ジクロロメタンを含む塗料除去剤、の3製品を提案した。DTSCは今後、ワークショップなどをとおして候補製品に関する様々な情報を収集し、それらの情報 を用いて上記3製品の優先製品リストへの収載を最終決定するとしている。

DTSCによると、優先製品の最終決定プロセスは次のようになっている。

  • パブリック・ミーティングや関係者からのフィードバックを通して、製品の用途、製造、販売、および新たな科学についての理解を深める。
  • 収集した情報を用いて、当該製品の優先製品リストへの収載について最終決定を下す。
  • 当該製品をリストに収載するための規則策定プロセスを開始する。このプロセスには最長で1年を要するとみられるが、この規則が採択されてはじめて当該製品は「優先製品」となる。なお、規則策定プロセスへの着手は、2014年後半と見込まれている。

いっぽう、SCP規則は、新たな優先製品の選定に向け、今後3年間(今回は2015~2017年)に評価対象となる製品カテゴリーを特定 するための「優先製品作業計画」を、規則の発効から1年以内、すなわち2015年10月1日までに発表するようDTSCに求めている。DTSCによると、 「DTSCがある製品を優先製品と特定することができるのは、その製品が作業計画で特定されたカテゴリーのひとつに分類される場合のみ」であるため、製品 カテゴリーの選定は重要な意味を持つ。この作業計画はこの夏を目処にドラフトが作成される予定で、9月には作業計画に関する公開ワークショップも開催され ることになっている。

米ヴァーモント州で特定の化学物質含む子ども向け製品を規制する法律が成立、66の高懸念化学物質を列挙

ヴァーモント州で2014年6月10日、子ども向け製品に特定の高懸念化学物質が含まれている場合、その製品や物質、製造者に関する情報 を当局である州保健局に届け出ることを製造者に義務付ける法案(S.239)が州知事の署名により法律として成立し、この法律は即時発効した。この法律に は、同法により「子どもにとっての高懸念化学物質」に指定された66物質が列挙されており、保健局は、これらの物質に子どもが曝露し健康に悪影響がおよぶ と判断した場合、当該製品の販売や流通を禁止する規則を採択することができる。いっぽう、一定の条件のもと、製造プロセスの管理を通して高懸念化学物質の 削減や除去に取り組む製造者に対しては、届出要件や販売禁止規則の適用が免除される。

2014年1月の州議会上院に上程されたS.239は、当初「消費者向け製品」全般を規制対象にしていたことから、複数の産業組織がこの 法案に反対を表明し、全米の注目を浴びた。その後、上院を通過したこの法案を下院が修正して規制対象を子ども向け製品に限定。最終的に上院もこの下院案に 同意し、5月9日、法案は議会を通過した。

米国では2014年、カリフォルニア州の「より安全な消費者向け製品」(SCP)規則で構築されたしくみとの類似性が指摘される法案が複数の州議会で審議されており、ヴァーモントもそうした州のひとつに数えられていた。

 

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