工場セミナー特別コラム(Vol.3) タイ「工場排水への当局の対応」について

本稿は2015年9月2日に開催したエンヴィックス「新興国での工場操業に関する環境規制セミナー」に関してのコラムです。

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タイでは、2011年の洪水以降、ラヨーンやチョンブリとった東部沿岸地域の工業団地が著しく発展してきました。しかし同時にこれらの地域では、環 境負荷の増加や水不足とった問題が顕在化し、住民や団体からの苦情や問い合わせるが増加するとともに、マスメディアの注目もひきつけています。企業の環境 管理がますます重要な課題となる中、企業には当局が環境違反事案にどう対応しているのかを知っておくことが求められます。

以下では、近年あった興味深い事例として工場排水の問題を紹介します。

2012年2月17日、テレビ局のニュースクルーが、サムットプラカーン県にある皮革工場からの排水とする映像をFacebookに投稿 しました。この映像はインターネット上で話題となり、工業省および天然資源環境省の取り締まり体制や頻度が十分であるのかどうか、ウェブ上での議論を呼び 起こしました。またメディアは工業省・工業事業局(DIW:Department of Industrial Works)および天然資源環境省・公害管理局(PCD:Pollution Control Department)のコメントを得ようと、トップにインタビューを申し込みました。

これを受け、DIWおよびPCDは合同の検査チームを組織して、付近の工場排水をいっせいに検査し、その結果、報じられていた黒い排水の 排出源は皮革工場ではなく、染色工場であることが判明しました。検査の結果、染色工場からの排水は基準を満たすものであることが分かったのですが、問題と なったのは排水の「色」でした。「1992年国家環境保全推進法」に基づく排水基準では、「色」について明確な測定単位を示しておらず、また、このケース では、染色の色が砂に付着して、その見た目が強調されていました。結果として、排水が基準を満たしていたため、工場にはなんら罰則が科されませんでした が、この事態を受けてPCDは工業排水基準を修正することを決定し、2016年にも制定されるとみられる新たな排水基準では、「色」に対する明確な基準値 が盛り込まれる予定です。

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