世界セミナー特別コラム No.4 「EUと米国の紛争鉱物規則の動向」

EUと米国の紛争鉱物規則の動向

米国では、2010年7月に制定されたドッド・フランク法の第1502条に紛争鉱物に関する規定が盛り込まれ、米国上場企業に対して紛争鉱物の使用の有無の報告、および報告内容の妥当性についての外部監査を要求している。一方、EUでは、2014年3月に欧州委員会が紛争鉱物規則案を作成し、欧州議会の委員会に提出した。しかし、欧州委員会が作成した規則案には、自主的な取り組みが多く盛り込まれており、欧州議会はこの規則案を義務的なものに修正し、本議会に提出した。2015年5月、欧州議会で紛争鉱物規則案が採択され、欧州理事会の承認待ちとなった。

紛争鉱物に対する企業の取り組みは、従来はCSRの観点から自主的なものであった。しかし、米国ではドッド・フランク法制定後、鉱物に関する調査および紛争鉱物情報開示報告書の提出が義務化された。そのため、関連業界などから義務化への批判が集まり、意見調整に時間を要した結果、その運営規則が確定するまでに2年弱かかった。2014年に第1回目となる紛争鉱物情報開示報告書の提出期限を迎えたが、製品に含まれる紛争鉱物に関する情報を開示した企業は全体の4%で、多くの企業が使用する鉱物が紛争鉱物であるか否か把握できなかったという。サプライヤー企業から提出された情報が不十分のため、または調査への回答が遅く、提出期限までに、企業はサプライヤーから必要な情報を得ることが困難であると報告した。多くの対象企業が報告書の提出義務を果たすものの、紛争鉱物の使用に関する透明性は、まだまだ不十分である。

審議中のEUの紛争鉱物規則案も、米国同様、義務的な取り組みが規定されている。米国の紛争鉱物規則と相違する点として、規則の対象となる企業の幅が広がったことが挙げられる。例えば、米国では対象企業は、“米国上場企業”と条件が規定されているが、EUの規則案では、サプライチェーン内の川下企業だけではなく、精錬企業や精製企業などの川上企業も対象とし、各々に義務を課すことが規定されている。サプライチェーン全体の透明性を追求する内容となっているため、サプライチェーンの立ち位置に関わらず、互いにコミュニケーションを取り合うことがより重要になると考えられる。

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