EUナノマテリアル規制の動向 – 海外環境法規制トレンドレポート(10号・2013年6月)

本ページに掲載中の「EU – ナノマテリアル規制」は、2013年6月に発売した弊社製品「海外環境法規制トレンドレポート」の抜粋(サンプル)です。

「海外環境法規制トレンドレポート」は、2008年の発売依頼、多くの規制担当者様にご好評いただいております。貴社の経営戦略、コンプライアンスに是非ともご活用ください。

規制テーマ ナノマテリアル規制
大分類(ジャンル) 製品系&化学物質管理関連
法律/政策の
正式名称
公布/施行日等 RoHS(改正版):2011年6月8日制定、7月21日発効

バックグランド情報:

ナノマテリアルの扱いに関するEUレベルやEU加盟国の基本的方向性は、「予防原則」の立場から≪自由な利用からリスクの規制へ≫の流れとなっている。もっとも、EUレベルではまだ、枠組み的な規制体系が存在しないが、欧州委員会(ホームページ)によると、REACH規則は、物質それ自体、混合物中またはアーティクル中の物質の製造、上市及び使用に適用される広範な規制であり、たとえナノマテリアルに関する明確な参照がなくとも、ナノマテリアルは、REACHにおける物質の定義に従って対象とされるという。
一方、電気電子機器に使用する物質を制限する改正RoHS指令が2011年7月21日に施行された。その前文(16)では、「科学的証拠が入手できしだい速やかに、かつ予防原則を考慮に入れて、極めて小さなサイズ、または極めて小さな内部/表面構造を有する物質(ナノマテリアル)も含む、その他の有害物質の制限も検討すべきである。ナノマテリアルは、そのサイズもしくは構造に関連する性質ゆえに、危険かもしれない。少なくとも同じレベルの消費者保護を確保する、より環境に優しい代替品で代替することも検討すべきである」と明言され、次の規制対象の1つの候補として、初めてナノマテリアルに言及された。
EUの基本的な考え方である「予防原則」がここでも規制根拠として持ち出され、

<サンプル版につき中略>

さらに殺生物性製品に関する規則(EU)No528/2012に従うと、処理された成形品へのラベル表示では、殺生物性製品中に含まれるすべてのナノマテリアルの名称が記載されなければならない。

最近の主な動向:

改正RoHS指令を通じて、EUレベルでナノマテリアル規制の方向性が明確になったにもかかわらず、具体的統一的な規制を実施するところまで進んでいない。

ナノマテリアルの定義をめぐる問題
ナノマテリアルの確立した国際的定義はまだないが、欧州委員会は2011年10月18日、大きさが100ナノメートル未満のものが半数を占める微小物体で構成される物質を、「ナノマテリアル」を定義する勧告を公表した(COMMISSION RECOMMENDATION:2011/696/EU)。だが、この定義には各方面から批判がある。
欧州委員会の考え方:
EU当局は、大きさこそ唯一の「普遍的に受け容れられる明確で測定可能な基準」だ、という立場を堅持している。「50%という閾値を選んだのは、従来にない特定の性質を示す可能性のあるナノマテリアルを、従来の化学物質と区別する必要があるため」と説明している。さらに、1ナノメートル未満の微小物体を含むフラーレン、グラフェン・フレーク、単層カーボンナノチューブも、ナノマテリアルとして定義されるべきという。
環境保護団体からの批判:
環境保護団体である欧州環境ビューロー(EEB)は、「この定義ではナノマテリアルの範囲が狭すぎる」と批判している。50%という閾値では、それ以下の微小物体しか含まれていない物質が対象外になってしまうという。
化学業界団体からの批判:
欧州化学工業連盟(CEFIC)は逆に、「定義が広すぎる」として欧州委員会の定義を批判する声明を発表した。この定義では、「塗料や日用品に使われている鉱物顔料など、何十年も前からある物質」まで、ナノマテリアルの定義に含まれてしまうという。

EU、ナノマテリアル規制のためにREACHの附属書改正へ
欧州委員会は2012年10月3日、ナノマテリアルに関する第2次規制レビューについて、欧州議会、理事会、および経済社会評議会に報告した。この第2次規制レビューは2008年の第1次規制レビューにつづくもので、現行の法規制の枠組がナノマテリアルがもたらすリスクに取り組むのにじゅうぶんであるかが検討され、その結果、現行の法規制にはさまざまな変更が必要であるが、それら変更はまだほとんど日程に上がっていないことが明らかになった。
第2次規制レビューについて欧州委員会は次のように述べている。
<サンプル版につき中略>

欧州委員会はまた、ナノマテリアルに関する情報の共有に資するためのポータル・サイトをウェブ上に開設し、さらに、ナノマテリアルについての透明性を確保し、監視を強化するための最良の方法を見出すため、規制影響の評価を開始するとしている。

欧州化学品庁、登録文書を作成する最新のIUCLID 5.5を公表
登録文書を作成するIUCLID(International Uniform Chemical Information Database)の最新バージョンであるIUCLID 5.5は2013年4月に公表され、ナノマテリアル用の新しい13個のテンプレートが含まれている。企業はIUCLIDデータベースにナノマテリアルに特有の物理化学的性質に関係する情報を蓄えることが可能となった。(IUCLIDによって作成された文書はREACH-ITによって提出される)。
<サンプル版につき中略>

ドイツ最大野党、予防原則に徹した規制作りを議会に提案
ドイツでは政府諮問機関が2011年9月1日、特別勧告書『ナノマテリアル予防戦略』を発表し、予防原則からナノマテリアルの法的規制を推奨する勧告を連邦環境大臣に提出した。この勧告を政府与党が十分消化できない間に、先手を打つ形で、最大野党の社会民主党が同年12月14日、ナノマテリアルを法的に規制するなど、いくつかの措置を連邦政府に求める動議を、連邦議会に提出した。
諮問機関による勧告から、政党による動議案へと、規制に向かうレベルが上がった点は、注目に値する。同党から連邦政府に出された要求事項は、以下の10項目であり、諮問機関の勧告を踏まえるものとなっている。2013年のドイツ総選挙で、同党は政権を奪取する勢いであることから、ナノマテリアルの法規制はいきおい現実味を帯びてきた。
(1) ナノマテリアルの安全性というテーマを最優先とすること。
(2) 欧州閣僚理事会に、ナノ製品登録所をただちに設立するよう要求すること。それと並行して、ドイツ国内でもナノ製品登録所の設立準備を開始し、2013年中にオンライン化を完了すること。
<サンプル版につき中略>

(9) 研究予算全体に占めるナノマテリアルの安全性研究予算の比率を、2015年まで最低1割増やすこと。その目的から、官庁の担当部署を横断し、各研究組織も巻き込んだ、 安全研究分野の戦略を策定すること。
(10)各種技術分野を横断して専門的な人材が不足するなか、ナノテクノロジーを扱う職業に、どうしたら青年たちの関心を呼び覚ますことができるのか、その戦略を練ること。

ドイツ労働安全機関、「職場でナノマテリアルを扱う業務のための手引書」を改定
ドイツ連邦労働安全・労働医学研究院(BAuA)とドイツ化学工業協会(VCI)は2012年5月29日、『職場でナノマテリアルを扱う業務のための手引書』を発行した。2007年版の手引書を改定するもの。
<サンプル版につき中略>

ドイツ化学品当局、REACH規則の改正を勧告
ドイツ連邦環境庁は2013年1月30日、ナノマテリアルの安全評価をより徹底するためREACH規則を改正するよう勧告する報告書『ナノマテリアルとREACH――ドイツ所管官庁の立場に関する背景報告書』を発表した。連邦労働安全・労働医療研究院と連邦リスク評価研究所が共著者になっている。
<サンプル版につき中略>

英国、ナノマテリアルを扱う職場向けの労働安全ガイダンスを発行
英国の労働省保健安全執行部(HSE)は2013年3月、ガイダンス文書『職場でナノマテリアルを利用する―カーボンナノチューブ(CNTs)その他の生体残留性の高アスペクト比ナノマテリアル(HARNs)』を発表した。
本ガイダンスは、職場における人工ナノマテリアルへの職業暴露を管理するための方法を述べたものである。HSEによると、英国の「健康に有害な物質を管理する2002年規則(COSHH)」(改正版)を遵守する義務ある者が、ナノマテリアルを扱う作業を進める際に役に立つという。
<サンプル版につき中略>

フランスエコロジー省、ナノ粒子状物質の年次申告の内容と申告条件に関する省令を公示
仏エコロジー・持続可能開発・エネルギー省(エコロジー省)は2012年8月10日付の共和国官報に「環境法典R.523-12条とR.523-13条の適用としてのナノ粒子状物質の年次申告書の内容と提出条件に関する2012年8月6日の省令」を公示した。
この省令は第Ⅰ章「適用範囲」、第Ⅱ章「申告内容」、第Ⅲ章「申告条件」、第Ⅳ章「申告書の提出方法」及び付属文書「申告すべき情報」で構成されている。
フランスでは2013年1月1日以降、ナノ粒子状物質の製造者、流通者あるいは輸入者はすべて、国内において製造、輸入、流通されたナノ粒子状物質の用途と量について年次申告を行うことが義務付けられる。2012年を対象とする最初の申告を実施する目的で、専用の公式ウェブサイト(www.r-nano.fr)が開設された。
<サンプル版につき中略>

デンマーク、ナノ物質のデータベースへの届出義務に関する法案を準備中
環境大臣は、ナノ製品が消費者や環境にとって問題となりうるのかを調べるために、デンマーク市場において、どれほどの製品にナノ物質が含まれるのか、その調査に意欲を示している。政府は、ナノ製品に関する新しいデータベースに対して、法整備を準備している。
<サンプル版につき中略>

ノルウェー、ナノマテリアルを含む物質等の製品登録制度への届出を初めて義務づけ
ノルウェー気候・汚染庁は2013年1月9日、ノルウェー製品登録制度に届け出る義務のある化学品を扱っている企業に対し、2月8日までに2012年更新版を同庁に提出するよう促した。
<サンプル版につき中略>

今後の展開と展望:

【エンヴィックス見解】
英国の労働省保健安全執行部(HSE)が、ガイダンス文書『職場でナノマテリアルを利用する―カーボンナノチューブ(CNTs)その他の生体残留性の高アスペクト比ナノマテリアル(HARNs)』を発表したことなど、毒性に関する研究の進展に伴う労働安全衛生面における対策及びばく露に対する予防措置への注意が必要となっている。

<サンプル版につき中略>

さらにナノ物質に関するREACH規則の改定また登録などの動向も注目される。

その他関連動向:

ISOやBSI、ナノテクノロジーに係わるガイダンス等の文書を相次いで発表
国際標準化機構(ISO)は2012年7月3日、ナノテクノロジーに関する技術報告書(TR:Technical Report)、“ISO/TR 13014:2012 Nanotechnologies―Guidance on physico-chemical characterization of engineered nanoscale materials for toxicologic assessment”(ナノテクノロジー―毒性評価のための工業ナノスケール材料に対する物理化学特性評価に関するガイダンス)を公開した。ISO/TR 13014:2012には、形状、粒径、粒径分布などが内容として盛り込まれた。

<サンプル版につき中略>

また、英国規格協会(BSI)も2012年7月9日に、ナノテクノロジー関連の基準を公開している。今回BSIが公開したのは4件の標準で、ナノテクノロジーを用いた製品の製造工程、および処理時のリスク軽減を図ることを目的としている。

本ページに掲載中の「EU – ナノマテリアル規制」は、2013年6月に発売した弊社製品「海外環境法規制トレンドレポート」の抜粋(サンプル)です。

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