中国十三次五ヵ年計画を背景とした環境規制の動向(世界環境法規制セミナー特別コラム#5)

深刻な環境汚染問題を抱える中国では、2013年の大気十条の公布、2014年の新環境保護法の公布、そして2015年には新大気汚染防止法、水十条、環境税法(意見募集稿)、生態文明体系などの法律や政策文書の公布により環境汚染対策を大幅に強化してきている。そうした背景の下で、2016年から開始される第十三次五ヵ年計画では、環境保護・生態質改善・汚染対策が更に強化される見込みであり、大気汚染、水汚染、廃棄物処理、省エネなどの分野を引き続き重視するとともに、土壌環境保護への取り組みに力を入れていく。

2016年5月28日、注目されていた、土壌汚染防止の行動綱領となる「土壌汚染防止行動計画」(土十条)が公布された。「土十条」は、中国の国情と発展の現状を踏まえつつ、経済や社会の発展における全局に目を留め、土壌環境質の改善を図る計画となっており、重点地域・業種・汚染物質を際立たせ、類別・用途別・段階別の防止策を実施する。また新たな汚染を厳しく規制することにより既存汚染の段階的な減少を図り、政府主導、企業の責任負担、国民参加、社会による監督という土壌汚染防止制度を形成していく方針である。

また、中国は、世界シェアの50%を超える製品を生産する国として、持続可能な発展を重点として、エコ文明への発展を進めるとともに、「メイド・イン・チャイナ2025」ではイノベーション駆動、品質優先、グリーン発展、構造の最適化という4つの基本方針が打ち出され、特に、生産量が多い電子情報製品の生産や使用におけるエネルギー消費が大幅に引き下げられており、明確な位置づけや要求も打ち出された。この分野の非常に重要な法規制であるRoHSⅡと呼ばれる「電器電子製品の有害物質使用制限管理弁法」が2016年1月21日に公布され、2016年7月1日より施行された。

このような環境違反の取締り強化や国家標準・業界標準を含む法律適用の厳格化が進む一方で、十三次五ヵ年計画の期間中、中国政府は合計200兆円の資金を環境分野に投入する予定である。この巨額の資金投入で、中国の清潔生産、省エネ、汚染処理などの環境分野で環境ビジネスの飛躍的な発展も期待できる。

しかし、中国は独自の政治制度を採用し、法律の数も膨大で且つ複雑であるため、十分に理解しないままに、あるいは間違って理解したままで法律を適用すると、大きなリスクを招くとともに、環境分野でのビジネスチャンスさえも逃してしまう恐れがある。

政治文化面で特色を有する中国で環境ビジネス事業展開をする日本企業は、政府機関や民間企業との交渉をスムーズに進めない、中国市場が良く把握できない、「法律を遵守している」のに法律違反として処罰された、といったさまざまな問題に直面しているが、それらの問題の根源は、中国あるいは中国の法律についての充分な理解がないためである。

今回のセミナーでは、第十三次五ヵ年計画期間の中国環境法規制の特徴、注意点および対策について、土壌汚染浄化、RoHSⅡなど最近の中国政府の政策のホットトピックに照らして紹介する。


本コラムは2016年10月4日(火)に開催いたしますEnviX世界環境法規制セミナー2016(第12回)に先立ち、各講演の内容をより詳しくご紹介するものです。

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